タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 中共軍ラサ鎮圧 ≫

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 中華人民共和国のチベット自治区のラサで、3月14日大規模な暴動が起き、流血の惨事となったが、胡錦濤政権は、軍や警察隊による暴動鎮圧後、即座に国内の情報を完全統制し、外部の世界に自らの正当性を一方的に訴える「宣伝戦」を本格的に開始した(3月15日付『讀賣新聞』第2面〈総合〉を参照)。毒(どく)裁国家が得意とする目眩まし戦法である。冷凍ギョーザ事件も同じ戦略でうやむやにされた。
 そもそも、中共政府によるチベット民族抑圧は、昭和26年9月、中共人民解放軍が圧倒的な軍事力で、独立国として存在していたチベット政府ガンデンポタンを屈服させて、不当に実効統治を強制したことから始まる。
 昭和34年3月、大規模なチベット動乱が起き、ダライ・ラマ14世がインドに亡命し、翌年、インド北部ダラムサラに亡命政府を樹立した。14th_dalai_lamajpg昭和40年9月にチベット自治区が成立して以来、自治区の区都ラサで大小の抗議活動や暴動が絶えないのは当然である。
 3月16日付『北海道新聞』第3面〈総合〉では、「流血の事態 五輪に暗雲」と大見出しを掲げ、「二期目を迎えた胡錦濤政権は衝撃を受けながらも、鎮圧への強硬姿勢を崩していない。国際社会の批判が高まるのは必至で、五カ月後の北京五輪にも暗雲が立ちこめている」と報じている。
 オリンピックが真に「平和の祭典」かどうか、寡聞にして知らないが、国内で仏教徒を武力弾圧し、国外ではダルフール地方で虐殺を続けるスーダン政府を支援する人権侵害国である中華人民共和国に、オリンピックを開催する資格はない。
  <中共軍の装甲車の写真は、3月16日付『讀賣新聞』第1面から転写、ダライ・  ラマ14世の写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から転載>

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