日本の政府や地方自治体が抱える債務残高を欧州諸国と比較(日本と欧州諸国の経済指標比較=写真上段は、11年12月19日付『讀賣新聞』第7面から転写)すると、日本の財政が危機的な状況にあることがよく分かる。フランスとドイツの債務残高のGDP比は80%台、かの国家財政が破綻に貧しているギリシャでさえ144.9%なのに、日本は216.3%と格段に高い。にもかかわらず、国債利回りが1%を切る状況については、二つの理由がある。
第一は、「日本国債の主な買い手が国内の民間金融機関で」(同新聞)、保有が安定していること。第二は、消費税率の低さ。欧州諸国の目には、日本は消費税率を引き上げれば財政問題の解決が出来ると見えるのである。
国債の買い手の元手は、1065兆円に及ぶ金融資産、つまり国民の預貯金である。これが尽きれば、国債はもう国内では買い手がつかない。限界はもう目前。財政悪化が進む中で長期金利が低水準で安定しているのは、まだ国債の買い手がいるからで、財政再建が手遅れとなり、国債を償還できない危険性が高まれば、投資家は高い金利がつかなければ国債を買わなくなる。実効性のある財政健全化への対応が日本に緊急に求められる所以である。
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