ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

制御系の防振に付いての考察

2011-12-25 17:13:54 | ガソリンエンジン
このところ、DJIと言う会社の姿勢制御装置に付いて、技術的な問い合わせを受ける事がある。

弊社では、日本上陸当初から、XP3.1を始め、幻のXP3.2やAceOne及びWooKong等の日本語マニュアルを作成し、正規代理店に供給して来た。

その関係かどうかは知らないが・・・DJI本社から、機材の取り付けや、そのセッティングに於いて、正式に技術認定を受けている。


それでも、DJIの様なハイレベルな姿勢制御装置の取り扱い(機体への取り付け及びセッティング等)には、細心の注意を払って行っているのだが・・・・。

弊社にはDJIの姿勢制御系を搭載した機体が、全部で8機有るのだが・・・その甲斐あって、どの機体も絶好調を維持しているのである。


しかし、十分な知識を持ち合わせる事無く、自己流や思い込み、或いは理屈に合わない様な理論で取り付けを行えば、安全に飛行させる事は難しいし、危険ですらある。


実際には、的確にマテリアルを選んで機体に搭載する事は勿論なのだが、社外パーツを組み合わせて使用する場合には、DJI製品とマッチングが合わない場合も有るので、特に神経を使う処でもある。

それらの社外パーツの選定を行う場合には、特に注意が必要なのだが・・・・・先日、ある正規代理店の社長と電話で話した折、当然の様に・・・それらの話になった。

その時聞いた話では・・・その事が起因しているのか?どうかは知らないが、どうも墜落事故が多発していて、そして既に、初期型のXP3.1など・・・
その殆どが墜落してしまって存在しないのだと言う。


何故XP3.1が少なくなったのか?と聞くと・・・下取りに出して、新型のAceOneに交換しているケースも有るのだが・・・主な原因は事故による墜落の結果、
修理が利かない程破損していまい、AceOneへの交換を余儀なくされるケースが多いのだと言う。


しかし弊社には、依然としてXP3.1を搭載した機体も数機あり、セッティングやスペースの関係で取り付けには少々難が有るものの(複雑で難解)、その分チャンと調整さえ出来れば、
性能自体はAceOneと比較しても遜色はないし、スペック上の違いも肌で感じる程ではなく、調子もすこぶる良い。

因って、当然の様にノントラブルで事故もないのではあるが・・・・???。


では何故、事故が起こってしまうのか?と言う事だが・・・・DJIのオリジナルの取り扱い説明書には、重要事項である筈の・・・それら社外パーツの使用に於いての
注意事項等の説明は一切無いので、一般ユーザーが危険な状態である事に気が付かずに使用してしまったとしても・・・・ある意味無理からぬところもある。

その中でも特に多いのが、電源系のトラブルのようだ。

サーボが一度に動作した場合、電気の供給不足を来してしまうのだが、それを回避する為に、一応AceOneなどでは、電源(バッテリー)の性能試験も出来る様になっている。

処が・・・である・・・これがあまり信用できないのであるから始末が悪い。

見かけ上、その試験終了後に緑色の○が表示されても、飛行中に赤色のLEDが高速点滅する事も良くあるので注意が必要なのだ。

もしも、飛行中に赤色のLEDが高速点滅した場合は、直ぐにマニュアルに切り替えて、出来るだけ早く安全な場所に着陸させて欲しいし、
電源をより強力な物に交換する等の、抜本的な対策が必要なのである。


従って、その様な状況を回避する為に弊社では、実際に電源試験を行う場合には、エースアシスタント上で電源の試験を行って、例えその終了後に緑色の○が表示されたとしても、
もっとサーボに負荷を掛けた状態を作り出して、更に高度な試験を行って万全を期している。

又、AceOneのIMUの搭載位置などでも、よく相談を受けるのだが・・・・一般的に一番振動が少ない所を探して取り付けるしか方法は無いのではあるが・・・・
スペース上の問題から、適切な場所には取り付けられない場合も多々ある。

IMUもそのままの状態で、既に防振されているとは言われているが・・・特にガソリン機に搭載する場合は、内臓されている程度の防振では殆ど機能しないのが・・・実状であろう。


AceOne等DJI製品を使用されている方は、試に自分の使用している機体に搭載されているIMU本体を、アイドリング時に触ってみて欲しいのである。

その時、IMU本体に振動がビリビリ伝わっている場合には、更なる防振が必要であろう。

もし、振動がある場合は改善が必要な事は勿論だし、そのまま使用し続ければ・・・例え今は良くても、何れ不調を来す可能性がある。

それらのトラブルを回避する為に、弊社では、IMUの防振を最初からオリジナルの専用のステーを使用して行っている為に、飛行中のLEDの点灯など皆無に近いのである。(タイトル写真参照)

この様に調整した機体は、長期間好調に飛行する筈であるし・・・・事実、弊社の機体はその通り好調を維持している。


しかし、一般のユーザーが実際に使用している場合には、そうではないらしい・・・。

制御系が不調になる主な原因は、先に述べた電源系の他に、ガソリン機などの振動に起因しているのではないのか?と考えるが・・・如何だろうか?

しかし、ガソリンヘリを使用している方の大部分が、ガソリンは多少?振動するモノ・・との認識を持っているようで、
電話等で振動はありませんか?と聞いても・・・殆どありません・・・との返事が返ってくるのが常である。

実際の使用状況にはかなりの格差があり、それらの機体を実際に見せてもらうと、本当にこの機体で空撮をやっているの?・・・と、疑いたくなってしまう状況も多々あるので、注意が必要なのである。


DJIの様な高度な制御装置をお使いの皆さん・・・機体の振動は極力取り除いた上で、制御装置の防振も行いましょう。

もし、調整が今一解らない・・・とか、今一機体の挙動がおかしい、時々制御不能になる等のトラブルを抱えている方は、自分一人で悩まずに購入先の販売店や代理店に相談して見てください。

それでも改善しない場合は、弊社でも有償で機材の点検や調整を行っていますので、ご相談下さい。

この子達の様に、鋭いプロの目でよく観察して調整致しますので、必ず事態は改善できると思いますし、納得して頂けると思います。