ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

NEWフレーム・・・完成

2013-04-08 14:38:59 | マテリアル
諸般の理由から・・・暫くお休みして進捗が無かった、旧ボイジャー用のフレームであるが、
やっとアルマイトを掛けて、納入先のUさん仕様のカラーに仕上がった。



しかし、その仕上がったタイミングが・・・『全国空撮業者の集い』の前日のPM3時過ぎ。


このフレームを、その会合に持参する心算でいたから・・・さあ大変。


その後も・・・他の雑用や来客があったりで、フレームに手が着いたのがPM8時過ぎ・・・。



こんな時間からフレームを組み始めて・・・本当に明日持参できるのか???甚だ疑問では
有ったが、そこは根性で仕上げた。


基本的にこのフレームには、260Zの駆動系を流用している。

従って、メインマストも12φとなっていて、そのマストが3点支持となっている。

260Zを組み立てた経験のある方なら、当然ご存知だと思うのだが・・・この手のフレームは
唯でさえ、マストの芯出しが少し面倒なのだ。

ましてやプレスで湾曲してしまった、GSR260RRの純正アッパーフレームに切削加工を
施しただけで、新作のロアーフレームに組み付ける訳だからセンターが出難い事この上ない。

しかし、苦労の甲斐あって・・・なかなか剛性感のあるフレームに仕上がって、
組み上がったフレームの重量も、金属製のフレームの割にはそこそこ軽量に仕上がった。



無事仕上がったフレームを眺めてにやけていると・・・ふと時間が気にになり時計を見た・・・???

見間違い・・・・か???

時計の針は、既に2時半を指している・・・これはエライこっちゃ。


朝の6時には事務所を出発して、奈良まで行かなければならない。


それから特急で風呂に入って就寝したのが・・・何と3時半。

5時半には起床しなければならないのだが・・・このまま行くと明日の会議は・・・
最前列で爆睡か・・・?



アクティブカメラジンバルの設定を請け負ったが・・・

2013-04-05 05:05:17 | メンテナンス
弊社のビデオ送受信システムをご購入頂いたユーザーから、その無線機器の搭載や
雲台制御用プロポの交換・改造及び調整を請け負った・・・。

勿論・・・プロポの交換・改造及びアクティブカメラジンバルの調整等は難なく
終了したのだが・・・???


お預かりした機体には、少し珍しい制御ボードが搭載されていたので、
各部を観察していた処・・・結構ヤバイ(危険な)個所が次から次へと見付かったのである。


多分・・・この機体は、もしも弊社でビデオ送受信システムを購入しなかったら、
恐らく極々短時間の内に・・・それも火の玉となって墜落しただろう事が容易に想像できた。

マルチコプターも高級機になれば、カーボンを多用している事が多い。

実はそこに、大きな落とし穴が有るのだ。


その証拠の一つが・・・この写真だ。



比較的振動の少ないマルチコプターと言えども、配線がカーボン材料の端面に接触していると、
使用(飛行を)している内に、この様に被服がいとも簡単に切れて芯線が露わになってしまうのである。


この様な現象も、なかなか気が付かない事も有得る事から、カーボンに接している部分に付いては
特に注意が必要であろう。

しかし・・・後で聞いた処、この機体を製作したのは外国のメーカー?だと言う。

そんなメーカーでさえも・・・こんな基本的な事が判らないのか?・・・と、危惧を覚えたのは言う迄もない。


その他にも危険な個所が・・・



上記の写真を良く見て欲しい・・・パイプクランプに配線が挟まれてしまっている。


幸いにして、この個所の配線は被服が切れておらず、取り敢えずショートする様な事は無かったのだが・・・
多分、ここも時間の問題だったと思う。

その他にも・・・


この機体に搭載されている制御系は基板がむき出しで、我々日本人からすると・・・これはもしかしたら
試作品か?と思わせるような代物だったが・・・実際に飛ばしてみると、そこそこの性能を有している様だった。

しかし問題は・・・そのむき出しの基板にあった。



エポキシ処理もされていない基板のアチコチに、配線が接触しているのがお判り頂けるだろうか?



そこでこのユーザーには、カーボン材料に配線が擦れてショートすればどの様になるのか?を、
実際に見て貰った。


ショートさせた瞬間・・・カーボン材が真っ赤になった・・・。


事実は事実として認識する必要が有るので、敢えて実験して実際にどうなるのかを見て頂いた訳だが・・・。

この様な危険なテストを、実際に行って見せる会社は他には無いとは思うが、実際にその結果を
目の当たりにして頂いた事で、今後に生かして頂けたら弊社も嬉しい。


百聞は一見にしかず・・・人間誰でも同じ・・・実際に体験して見なければ、
事の重大さ加減も理解できないのである。


この事からも・・・物事は何事も常に自分でやって見て、深く掘り下げて欲しいと
弊社では提唱している訳で、買ってきたモノをただ使ったり、人の作ったモノを
安易に信用して、そのまま使用する事だけは無き様、お願いしたいのである。



それから、昨日普通に飛行したからと言って、今日普通に飛行出来るとは
必ずしも限らないのである。

そんな事からもプリフライトチェックもアフターフライトチェックも、両方共欠かせない作業である事を
常に念頭に置いて、安全な作業をお願いしたいと思っている。



以上の危険個所には、その後対策を施してテストフライトに臨んだ。


勿論、その後のテスト飛行を行なう際にも、プリフライトチェックを念入りにして欲しいと
・・・お願いした事も言うまでも無い。



整備が行き届いた機体は、その後恰も何事も無かったように・・・機体は、無事大空へ向かって
軽やかに飛翔した。



この日搭載していたカメラは・・・EOS5D Mark3である。

このカメラのライブビューモードを使用して、被写体のモニタリング試験も同時に行った。



このユーザー・・・それまでは他社のビデオ送受信システムを使用していたそうだが、映像が乱れる事から
大分苦労をされていたらしく、弊社のビデオ送受信システムの高性能ぶりにも満足して頂いた様だった。


そのユーザーから納品した翌日連絡が入り・・・お蔭様で全てがとても快調で、スムーズに作業が行えたとの
連絡を頂いた。

そのユーザーから、翌日撮影がある事は聞いていたので・・・巧く作業が終了したのだろうか?と、
丁度少し心配していた処だったので、その連絡は流石に嬉しかったし、これからも皆さんのお役に立てる様な
マテリアルの構築を推進したいと思った次第である。




GPSの不具合?・・・に付いて

2013-04-01 00:00:01 | マテリアル
最近、あるHPを覗いて見たら・・・GPSに付いての、面白い情報?・・・が載っていた。


計測機器の技術者や測量従事者であれば、それが間違いだと言う事が、誰でも直ぐに判るのだが・・・
それらに対する知識の欠如故、その様に考えてしまったのだろうと思われる。


兎角Web上には、信憑性が乏しい情報が溢れかえっている昨今である。

特に、マルチコプター関連の情報には、首を傾げたくなる様な情報が多く存在している。


そんな訳で・・・少なくとも、このブログをご覧頂いた方には、正しい知識を身に着けて
頂きたいと言う想いから、それらの方には失礼を承知で、敢えて正しい情報をお知らせしたいと思う。

そこには、他意や悪気はないので、もしも、お心当たりの方がいたとすれば、
申し訳なく思っているのでご容赦頂きたいと思っているし、また、このブログで
投稿した内容を確認・再検証して頂きたいとも思っている。



少し前置きが長くなったが、その情報とは・・・我々が、ラジヘリを空撮等で使用する時の
機体制御機器として、数年前から盛んに使用されている、DJI社製の制御系に付いてである。


具体的には・・・その制御系に装着されるGPSユニットの取り付けに付いて記述している様だった。


その興味深い内容とは何ぞや、と言う事だが・・・GPSユニットを左に偏芯させて固定しないと、
機体が真っ直ぐに飛行しないのだと言う。

その事は・・・WooKong M等の取説にも立派に記述があるし、
それはいたって正常で、理にかなっていると思うのだが・・・?

また・・・現在水稲防除等で使用されている、幾つかの産業用無人ヘリコプタでも、
同様の調整を行っていて、コンパスの調整法としては常識的に確立された調整法でもある。



Web上で言及していた、その原因とは・・・GPS自体の性能が悪いか?或いは、電子パーツの
レイアウトに起因する実装不良ではないかと言う事だったが・・・その人たちは・・・多分、
少し前にGPSユニットが変更になって、それらの初期不良も実際に発生していた事から、
その様に考えてしまったのではないかと思われる。


しかしそれは、感覚でモノを言っているに過ぎず、結果的に自分で墓穴を掘ってしまった。

良かれと思ってやった事が、結果的に知識の無さを自ら露呈してしまった事は悲しい事だし、
誰でも陥り易いミスでもあるから注意が必要だ。

確かに、アシスタントソフトウエアーなども不具合の為か?僅か数日~数週間で更新された事も
あったし、高度な制御機器故の、訳が解らない動作不良なども実際に発生する事もある。


この様な際のメーカーとしての対応もにも、疑問が残るし、実際にトラブルに陥った時の原因に
付いても全く説明がない・・・など、数々の問題がある事も事実だが・・・だからと言って、
味噌糞一緒にしてはならないのではないだろうか?


その気持ちも解らないでは無いが・・・そこは、しっかりとした見識を見に付けた上で、
慎重に物事を判断する事が必要であろう。


この事からも、自分の知識や技術的に確立されていない事柄や分野に於いて、解らなければ
言及しない方が良いし、身の為でもある事を、私自身再認識した次第である。


因って・・・これを他山の石とし、DJI取扱い技術者に認定されている立場に於いても、
更なる研鑽を続けたいと考えている。



それに・・・余り訳の判らない事を、無暗に騒ぎ立てると・・・メーカーも黙ってはいないだろうから、
そんな観点からも、それらの発言には注意が必要であろう。


それから、これらの制御系を初心者が使用するケースが急増しているが、初心者が操縦技術を補う為だけの
目的で、理屈も解らないままにこれらDJIの制御機器を安易に使用しないで頂きたい。


従って、これらの制御機器を使用する場合の条件は、少なくても3年から5年程度のキャリアを積んだ上で、
その理論が有る程度理解できるオペレーターが、マニュアル飛行下で危険なく対面や簡単な曲技飛行を
行なえるだけの操縦技量を有している事が必須である。


もし、そうで無ければ、制御系のトラブルに遭遇した時には、その発見が遅れる事は必至。


その様な状況下では、そもそもオペレーター自身に正常な判断力が無い訳だから、適切にその対応を
講じる事も無くパニックになったり、どうすれば良いのか解らないまま、ただ傍観した挙句に機体が
何処かに飛んで行ってしまって見付からない・・・などと言う、最悪の事態も実際に発生しているので、
それらの制御系を使用して飛行を行う前に、ご自分の操縦技量を今一度検証してみる事が必要だ。



また、脱線したので話を元に戻そう・・・(失礼)。

では何故・・・GPSユニットを左に偏芯させて固定しないと、機体が真っ直ぐに飛行しないのだろうか?


このブログをご覧頂いている方の中にも、もしかしたら『北』の定義が2通りある事を、ご存知ない方も
いらっしゃるかも知れないと思うので、少しここで説明をしたいと思う。


ここで重要な事は・・・ただ単に『北』と言っても、実際には真北と磁北の2通り存在すると言う事だ。



一般的な『北』とは北極点の位置を示している事が多く・・・正式には、これを真北と言う。
因って通常、我々が無意識の内に『北』と言っているのは・・・真北の事なのである。


方や・・・『磁北』は、その方向に非ず・・・現在の北半球では、左方向に変針しているのである。


ここで我々が、制御系を扱う上で注視しなければならない事は『磁北』に付いてであって、
現在は北極点よりも左方向に変針している点に付いてである


従って・・・北半球では以上の原因から、一般的にGPSユニットを左に偏心させて、取り付ける
必要が生じるのであって、方位センサーやGPSの精度はともかく、別にGPSユニットが壊れている訳では無い。



この事をご存知ない方や、そんな馬鹿な?と思われる方は、後学の為にもっと詳しく調べてみると良いと思う。

国土地理院のHP上で真北・磁北・偏角(真北とのズレ角) に付いて説明しているので、覗いてみるのも良いだろう。

国土地理院URL:vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/menu_01/


因みにこの『偏角』は・・・日本の中でも、その場所に因って異なり、大凡3 °~9°のズレが
あると言われていて、一般的には、北海道の札幌で9.2°関東は東京で7°沖縄の那覇で4.1°と
なっており、最低でもコンパスが内臓されているGPSユニットを、その位は偏心させる必要が
あると言う事だ。


その上、パーツ実装時のバラ付きや、パーツそのモノの個体差等を当然考慮する必要があるので、
実際にはもっと偏心させる必要もあり得るだろう。


と言う事は・・・取りも直さず北海道と沖縄では、GPSユニットの偏心度合いも、
違って当然と言う事なのだが・・・お解り頂けただろうか?


例えば、北海道の空撮業者がしっかりと調整された機体を持参して、沖縄で出張撮影した場合には、
当然エレベーター操作だけでは、真っ直ぐにはフライトしなくなる・・・と言う事を意味している訳だ。

まあ・・その位の機首のズレは、熟練したオペレーターならば、多分無意識の内にエルロン操作を行って、
技術的に真っ直ぐ飛ばしてしまって、自分が操舵した事すら気が付かない事も多々あるだろうから、
特段騒ぎ立てる事もない。

実際に飛行中のラジコン飛翔体に限って言えば、飛行中の操舵に於いては外乱の影響が常にあり、
それらをキャンセルする為に複合操作を行うのが常であるから、それぞれの舵を単独で操舵する事など
そもそも有り得無いのである。



以上の事から・・・もしも南半球でフライトさせたらどうなるのだろう?と、疑問を持たれた方も
いる事と思うが、その件に付いては、後学の為に各自考えて見るのも良いだろうし、答えが解った方には
解らない方の為に書き込みをお願いしたい。


誤解されるとマズイので少し補足しよう・・・そもそもこの磁北、GPSで測っていると思い込んでいる人も
いる様だが、実際はGPSユニットの中に(ケースの中)、GPSアンテナ等と一緒に組み込まれている、
コンパス(方位センサー)が測っているのであって、GPSで測っているのでは無い。

GPSの精度に言及すれば、勿論安価なGPSを使用しているので、測量用や高額なGPSと比較するべくも
無いのは事実だが・・・実は方位を測っているのはGPSでは無くて、コンパスで測っている事を知っておいて欲しい。

GPSの役割は・・・高度(Z)・XY座標の位置と速度の計測を司っているので、念の為申し添える。

因みに・・・高度については、GPSの計測値はファジーなので、気圧センサーでも測っていて、
ハイブリットで制御を行っているのが普通である。




それから少し話が逸れるが・・・皆さんは、ポールシフトと言う言葉を聞いた事が有るだろうか?

この言葉の意味する処は・・・磁北は常に一定では無くて、経年変化を伴っている・・・と言う事なのだ。


数年前にも、世界中のその筋の専門家が、ポールシフトの可能性に付いて警告したとの事で、
世間を賑わせた事があった。


何でも聞くところに因ると・・・この北極と南極方向の磁極が入れ替わるポールシフトと言う現象は、
これまで7600万年の間に171回もあったそうで、今も毎年ズレ続けていて、
年々ズレ幅が拡大していると言う。

今後もそのズレが拡大する確率が高いとの事で、注意が必要だと言う事だが・・・・実際には、
注意のしようも無いのが現実か?



もしも実際にそれが発生した場合には、我々の車のナビや、航空機・船舶に代表される様な、
コンパスを使用している乗り物が、その原因によりトラブルに巻き込まれたり、大きな地殻変動や
オゾン層の更なる拡大もあり得ると言う事を意味している。

と言う事は・・・飛行中のラジヘリも・・・突然機首を変針する事もあり得る・・・かな???

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奇しくも、今日は4月1日・・・・・このブログの真偽の程は如何に?・・・皆さんの検証が必要である事は
間違いない。