ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

73MHzテスト

2013-05-16 05:51:22 | マテリアル
現在国内で販売されているプロポの周波数は、どのメーカーも
2.4GHzが大勢を占めている。

因って現在では・・・混信が少ないとの理由から、ホビーユースであれ、
産業用途であれ、多くのユーザーが多用している現状がある・・・と言うか、
選択肢もないので仕方なく使用している側面もある。


処がこの2.4GHzプロポ・・・国内の電波法上、送信出力が極めて
低い事をご存じ無い方が意外と多い様だ。

その上、電波の特性から直進性が強く障害物等の影響を受けやすい
事の他に、都市部では無線ランの影響を無視できないので、
特に注意が必要なのである。

幾ら空いている周波数を探すと言っても、空いている周波数が無ければ・・・
当然送受信不能となる。


この事は、通常専用の飛行場で運用する模型ユースでは問題が
発生する事は少ないと思われるが、こと産業用途で使用する場合には、
特に注意する必要がある事は間違いは無い。


兎に角・・・産業用途で使用する場合には、2.4GHzと言う周波数帯の
プロポを過信する事だけは避けたいのである。


そこで今回・・・産業用の周波数として認可されている73MHz帯のプロポを
使用して、実証試験を行った。



このプロポは・・・送信出力が500mwあって、2.4GHz帯のプロポと
比較して、通信距離も確実に確保できるのである。

事実・・・今回のテストでも、良好な操縦性を示した。

ヤハリ・・・産業機には、産業用の周波数のプロポを使用したい。


しかし・・・現在この73MHzの周波数を使用出来るプロポは1種類のみで、
その上受注生産となっていて、入手する為には時間と費用が掛るのが
ネックとなっている。


その内・・・この貴重なプロポも、流通量が少ない為に販売中止になって
しまうのではないか?と、少し心配している今日この頃である。


スワッシュコントロール系の改善

2013-05-15 15:29:28 | マテリアル
今回のVoyager/GS系のフレーム改造大作戦では、フレームの剛性UPをメインの目標として
作業を行って来た訳だが、その他にも産業機として使用する為に、色々な個所の強度を向上させるべく、
適宜改善を行なっている。


その内の一つに・・・スワッシュコントロールアームのピポット部分の強度UPがある。



上記の写真を見て頂ければ一目瞭然・・・見た目だけでも、その違いを実感して頂けるのではないだろうか。


通常このピポット部分は、樹脂製のユニバーサルリンクで支持されていて、それは僅か2.3mmのネジロッド
でスワッシュコントロールアームに固定されている。

勿論、通常は模型ユースで曲技飛行を行っても何の問題も発生しないし、そのまま産業ユースに
コンバートしたとしても、短時間の使用であれば然程問題となる事も少ない。

しかし弊社では、一度機体を製作すれば最低6年程度は使用するのである。

因って、CCPMのコントロール系の機体を使用して、産業用途で長期に渡って使用するには、
この部分・・・少々心許ないのである。


因みに・・・弊社の使用状況からすると、通常は機体の他に5kgものペイロードを掛けて
常用しているので、流石に心配になるのである。



もしも・・・コントロール系がCCPM場合には、この部分のユニバーサルリンクが破損すると・・・
重大事故に発展する事は誰でも容易に想像出来るだろうと思う。


元々この部分は、通常であれば然程強度を必要としないのだが・・・このユニバーサルリンク・・・
長期間使用した場合には水分が抜けて、かなり脆くなる事を確認している。

しかし・・・その状態は外見からは判断できないので、特に注意する必要があると思われる事から、
より安全性を向上させる為に、今回同時にその対策を施した。


勿論これまでも、それらのユニバーサルリンクを頻繁に交換して万全を期していたのだが、その都度
スワッシュ周りの微調整が必要となる事から、繁忙期にはそれらの交換作業が少々憂鬱でもある。

そんな訳で・・・今回ピポット部分金属製に変更する事で、その強度と剛性をUPさせながら、
更にその部分をメンテナンスフリーとするべく、その対策を施したと言う訳だ。


今回のフレーム改造大作戦では、実施した全ての改善点に於いて、剛性UP及び高耐久となる様に、
上記で述べた様なスタンスで細かな検討が加えられている。

次回へと・・・続く。

フレーム改造大作戦で、機体重量はどう変化した?

2013-05-10 05:37:31 | マテリアル
ここ数か月取り組んで来たフレーム改造大作戦だったが、遂に完成して、
昨日、無事初飛行を終えた。

気になるその結果は・・・非常に良好で、それは今までの苦労が報われた一瞬でもあったし、
現在のままの状態を維持して、大きなトラブルが発生しなければ、数か月後には
実践配備しようと考えている。


そして、今回のフレーム開発では、材質の変更も含めその形状を一から見直した事で、
大幅にその剛性を向上させる事に成功した訳だが、その結果機体重量がどの様に変化したのか?
ここでそれを検証してみたいと思う。


先ず・・・今回ベースとなったVoyagerGSR260の全備重量を
調べて見ると・・・6,600gと取説には書いてある。

この数値には、メインローターが含まれているのか?は定かではないが・・・。


そこで・・・正確を期する為に実測して見る事にした。


と言っても・・・ノーマルのVoyagerGSR260など所有していないので、
全備重量を実測しようもない。

そこで、今回開発した機体とほぼ同仕様の、260Zの全備重量を実際に
測ってみたので、下記の写真を見て欲しい。




その結果、所有しているノーマルのZ260の全備重量の実測値は、7200gであった。
勿論、メインローターも含んだ数値である。


方や・・・今回開発した機体はと言うと・・・




秤の針は・・・7,900gを示していた。

この数値・・・秤に機体を巧く乗せる事が出来なかったので、1kgの木製の板を使用して計測している。
因って、機体だけの数値は6,900gと言う事になるが、この状態ではキャビンが装着されていない。
装着予定である300gのキャビンを含めれば、奇しくもZ260と全く同じ重量の機体となった。

但し・・・今回開発したフレームには、AceOneを搭載する為のマウントが既に標準で装備されているので、
Z260に搭載する時の様に、新たなマウントを追加する必要が無い訳だから、Z260と比較した場合でも、
最終的には今回開発した機体の方が、実は軽く仕上がっているのかも知れないと考えている。

もっとも・・・今回開発した機体には、テールボディーなどを装着していないので、もう少し検証する必要が
あるだろうとは考えるが、いずれにしてもそれらの重量差は微々たるモノと言えるだろう。


以上の結果から、同系列の材料を使用した場合には、たとえフレームレイアウトが違ったとしても、
大した軽量化には繋がらないと言う事が明らかとなったのである。

勿論・・・このことはフレームを開発する段階で判ってはいたが、その段階では推測の域を出ない事と、
強度を確保した上で何処まで軽量化できるか・・・と言う事にも、今回はチャレンジした訳だ。


何でも実際にやって見て、自ら検証する事が大事なのであって、その事は弊社のポリシーでもあり、
今迄もその時々のスキルが弊社の財産になっているし、今後も弊社の財産になって行く事は
間違いないと考えている。



今回の検証で、Z260も今回開発した機体も、どちらも然程機体の全備重量に違いが無い事が確認出来た。


その結果から、当然・・・更なる機体の軽量化に取り組む事になる。


じゃあ~・・・機体を更に軽量化するにはどうすれば良いのか?・・・いつやればいいのか・・・?

今でしょ・・・ナンチャッテ。


また・・・新たなチャレンジへと・・・続く。




フレーム改造大作戦も、遂にファイナルへ突入

2013-05-09 13:29:58 | マテリアル
Voyager/GS用の耐久性と組み付け精度を向上させるべく、フレーム改造大作戦と題して、
投稿を開始したのが、遡る事今年の2月20日の事であった。


この間・・・撮影業務の合間を縫いながら、2種類の新しいロアーフレームを4機分と、
アッパーフレームを2機分試作した。

この試作は全て弊社で行っており、フレームを1枚ずつトラディッショナルな
フライスを駆使しながら製作している。


時間の掛る事この上ない作業ではあるが、この様な試作を人任せになど出来る訳が無いのだから、
気の遠くなる様な機械加工を延々と続けた。


この様に試作されたロアーフレーム2機分は、既に懇意にして頂いている空撮業者に嫁に出した。

その内の1機は既に業務に投入されていて、調子も上々の様だ。


そちらを優先させたので、弊社の試作機の開発が後回しになっていたのは言うまでも無い。



当初の予定では、この連休中にロールアウトさせる心算で有ったが、思う様に作業が進捗せずに
連休も終わってしまった。

しかし・・・その様にして長らく取り組んで来たフレーム改造大作戦も、
そろそろファイナルに近づいてきた。


やっとの感があったが、本日・・・メデタク初飛行を終了したので、ご報告したいと思う。



工場からロールアウトした直後の、テストフィールドにて佇む試作機・・・この後、初飛行に臨んだ。


世間一般的に、初飛行に望む際には・・・果たして巧く飛行してくれるだろうか・・・?等と
心配するのが常だとは思うのだが、今回の開発に限って言えば、その様に考える事はあまり無かった。

何故なら・・・ベースとなる機体のウイークポイントを払拭する為に開発している訳だから、
初飛行時の興味は全てその改善1点のみに注がれていて、そこには緊張や一抹の不安などと言う
言葉は存在しないのである。

要は・・・飛んで当たり前・・・即ちベースの機体以上に飛ぶか如何か?と、言う事なのだ。

もし飛ばなかったら・・・それは失敗を意味するのであるが・・・。


かくして、何事も無かった様に・・・無事初飛行は成功した。



思惑通り・・・ファーストフライト時には僅かトラッキング調整を行っただけで、難なく初飛行は終了した。


そのファーストフライト時には、既に8割程の仕上がを見せていて、多少微振動が有るもモノの、
燃料タンクの泡立ちもなく申し分ない機体に仕上がった様だ。

フレームの剛性UPと、丹念にオバーホールをした甲斐あって、エンジンも実に気持ち良く回っている。


後は、僅かな微振動を取り去ってから、実際にペイロードを掛けて機体の挙動変化を見ると共に、
暫くは耐久テストを行なう事になるだろう。


フレーム改造大作戦・・・続編2

2013-05-03 17:09:25 | マテリアル
現在・・・フレーム改造大作戦を続行中であるが、細かなパーツの製作や組み付けで、
作業がなかなか進捗しないでいる。

この機体・・・様々な新機軸にトライしている。

今回の開発コンセプトの内の1つに、テール駆動がある。

テール駆動自体は普通のベルトドライブなので特段珍しくもないのだが、
その耐久性を大幅に向上させるべく、少し変な細工を施している。

その変な細工の効果により、ベルトテンションがかなりいい感じになった。

即ち、ベルトが踊らないのである。


その機構自体は珍しいモノではないが、この様なサイズの機体では他に
装着例の無い機構で、新しいトライなのである。

そんな事をしたり何だかんだ言いながら、何とかここまでは組み上がった。



しかしこの段階では・・・まだエンジンも搭載出来ていない。

この機体には使用済みのエンジンを使用する心算なので、エンジンの搭載は、
先ずエンジンのオーバーホールをしてからと言う事になる。

因って・・・まだ完成までの道のりは遠い。

こんな事で、果たして・・・連休中に初フライトとする事が出来るのか・・・???