公演中止のお知らせにもう慣れてしまって落胆しなくなりました。
今回は通知が届くのが早かったです。
楽団では、オケ編成や座席数を縮小して、7月に特別公演を検討しているらしいですが、モーツァルトなら、編成が少なくてできるかもしれません。
実現するとよいですね。
コンサートに飢えている状況で時々思い出すのは、昨年(2019年)6月の読響名曲コンサート。この公演はブログを始める前だったので投稿していませんでしたが、ちょっとだけ。
この時の指揮者は小林研一郎 (コバケン)氏。
曲目は、ビゼーの歌劇「カルメン」第1組曲、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、フランクの交響曲ニ短調でした。
ヴァイオリン協奏曲のソリストは、韓国出身のキム・ボムソリさん。
キム・ボムソリは、読響とは2度目の共演だったらしいのですが、私の記憶では初めて聴くヴァイオリニストでした。ソウル大学を経て米国ジュリアード音楽院で学び、ミュンヘン国際コンクール最高位、ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位、モントリオール国際音楽コンクール第2位等、と輝かしい受賞歴を持っています。
黒地に金の装飾の入ったドレスで現われ、後ろに束ねた長いポニーテールが揺れて可愛らしいという印象でした。
印象からは想像できませんが、彼女の演奏は、鍛え上げた演奏技術、豊かな表現力、力強さを持っています。
ボムソリさんの第2楽章の演奏中に思い出したことですが、
以前ウィーンフィルのコンマスで、後に読響のコンマスを何年か務めたダニエル・ゲーデ氏が、NHKの「奇跡のレッスン」という番組で、千葉県の小学校の弦楽部の生徒たちに指導している時に発した言葉です。
”ヴァイオリンは相手に語りかけるように弾くもの”
第2楽章のアダージョの時は、ボムソリさん、客席ではなく、指揮者コバケンの方を向きながら、まさに語りかけるようにヴァイオリンを奏でていました。
第3楽章のアレグロ・エネルジコはこの曲の見せ場ですが、リズム感があり、コバケンとオケ、ボムソリ、息のピッタリ合った演奏でした。
アンコールは、確かイザイのヴァイオリン無伴奏だったと思います。
ところで、読響とは関係ないですが、ボムソリさんが今年初めにアップしたリサイタル動画を掲載します。曲は、サン=サーンスのロンド・カプリチオーゾ。