ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

11/24 読響 名曲コンサート/村治佳織のロドリーゴと鈴木優人のベートーヴェン

2020-11-27 | クラシック音楽
東京は先週後半に感染者数が500名を超え、コンサートがキャンセルにならないか心配しましたが、特に通知もなかったので、11月24日、サントリーホールへ行ってきました。
今月はギタリストの村治佳織さんの演奏が予定されていたので、去年から楽しみにしていたのですが、当初予定されていたアルゼンチンの指揮者アレホ・ペレス氏がコロナで来日できなくなったため、鈴木優人氏に変更しての開催となりました。

先々週にNHKの朝イチに村治さんが生出演して、コロナでコンサートの中止が続いたこと、秋になって演奏活動を再開できるようになった等触れていましたが、ギターのための管弦楽曲というのはそれほど多いわけではありませんし、楽団の年間計画上、ギター曲が選ばれ、ギタリストが交響楽団と共演することができる機会は恐らく年に1回か2回または0ということもあるでしょうし、今年、このコロナ禍で読響とギターの共演を聴けたのは貴重だと思います。

ブログラム:
1.ベートーヴェン序曲<レオノーレ>第3番
2.ホアキン・ロドリーゴ「ある貴紳のための幻想曲」
3.ベートーヴェン交響曲第5番「運命」
指揮:鈴木 優人
ギター:村治 佳織
コンサートマスター:小森谷 巧

今年の12月16日頃にベートーヴェン生誕250周年を迎えるので、それを意識したプログラム構成だと思われますが、選曲は指揮者アレホ・ペレス(Arejo Pérez)氏によるものでしょう。ベートーヴェン2曲の間にロドリーゴのギター曲、この組み合わせ、時代も違うし音楽の世界観から異質ではないかと思った人がいるのではないでしょうか。然し、ぺレス氏の中に関連付けるヒントが浮かんだのかもしれません。ロドリーゴの誕生日は11月22日と公演日に近く、来年のその日で生誕120周年となります。
また、1番目のオペラ曲<レオノーレ>のストーリーを改めて読んでみると、レオノーレという女性が、男装してフィデリオという名を称し、政治犯として投獄された彼女の夫フロレスタンを助け出すという話になっていますが、この投獄された刑務所の舞台になっている所がスペイン・セビージャなのです。このことから、私の中では、ベートーヴェン~スペイン~ロドリーゴの選曲の関連性が結び付きました。

2番目の曲は、17世紀のスペインのバロックギターの名手ガスパル・サンスの教則本の曲の一部をリメイクして、20世紀のクラシックギターの巨匠アンドレス・セゴビアのためにロドリーゴが作曲したもので、スペインの民謡や踊りの要素を組み入れて4楽章で構成されています。
聴いた人の印象は様々ですが、第1楽章のメロディーがオケで始まり、続いてギターの演奏が始まると、ホールの空気が一変し、いつもの読響がルネッサンスの楽団であるかのように感じました。
そう感じさせたのは、村治さんが奏でるギターの音色。😍 
クラシックギターは、音色は少し悲し気ですが、上品で落ち着いていて、何か懐かしさを感じさせてくれる魅力的な楽器です。
村治さんの衣装は、エメラルドグリーンのラメ入りのトレーンドレス。
ロドリーゴを得意とする彼女がとても楽しそうに演奏していたのが印象的です。
アンコール曲はターレガの「アルハンブラの思い出」。ギターならではのトレモロ奏法、美しいです。

後半のベートーヴェン第5番「運命」ですが、
鈴木優人氏の第1楽章はアップテンポで、出だしのジャジャジャジャーンが、尻尾のジャーンがジャンと短かったことで、第1楽章を聴いている間、何か欲求不満か消化不良になったようなイライラ感が続きました。楽譜上そこはフェルマータでジャーンと2倍の4拍くらい伸ばし、歴代の有名指揮者の中にはそれ以上伸ばす人もいたくらいで、せめて2倍伸ばしを期待していたのですが…
聞くところによると、短くするのが現代風らしいです。
「運命」は指揮者によって変えられるということですね。
鈴木氏は白髪頭で(髪の量が多い)、一見して熟練指揮者に見えるのですが、1981年オランダ生まれの39歳。
鈴木流のベートーヴェンは、スピード感あり、躍動感あり、アグレッシブでした。
感染予防のため読響の編成人数は50名ほど。ヴァイオリンの数が通常より少ないということもあって、アップテンポでボリューム感のある鈴木流ベートーヴェンについていくために、コンマスを始め一人一人激しく頑張っていました。😊 


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レッスン: バッハのドッペル 一人で暴走

2020-11-20 | ヴァイオリン
先月末、ボームの「無窮動」がアッという間に終わってしまったので、遂に、スズキの第4巻の最後の曲、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調(スズキの生徒間では、通称ドッペル)の第1楽章(第2ヴァイオリン)に入りました。

レッスン1日目:大抵次の曲を予習しておくのが常なのですが、前々曲のヴィヴァルディの練習が結構大変だったので、ドッペルは最後まで譜読みする余裕もなく、然もこの曲の後半は難しい。結局、その日は弾けるところまでで終わりました。

レッスン2回目:譜読みです。一度通しで弾いてみて、次に、音の間違い、弓の向き等をチェックして直した後、また通しで弾いて行きます。
この曲は、所々、ダウン、ダウン、アップ、アップと、ダウン、アップの弓の動きの複合技を駆使しながら、左手の指を動かして行くのですが、弓は動いていても、左の指が動いていない。左の方を動かしていると、弓の動きが逆さま…なんて現象が起こります。その上、16分音符に3音スラーも所々入ってきて、ヴィヴァルディでは2音スラーばかりやっていたので、3音スラーがなかなか頭にインプットできませんでした。
ヴィヴァルディの曲は、緊張する山場とそうでないところの繰り返しなので、ホッとできる瞬間ができるのですが、ドッペルは、動きが細かくて最初から最後まで気が抜けません。

レッスン3回目: 先週でした。前回から毎日練習し、3音スラーも慣れてきて何とか全部通して弾けるようになりましたが、何回やっても躓く所は同じところ。気持ちとしては、まだ練習量が足りないから年内に完成できればと思っているのですが、この日は、試しに第1ヴァイオリンと合わせて弾いてみましょう、ということになりまして…
そうですよね。この曲はドッペルだから、ヴァイオリン2台で合わせられなければ意味がありません。ドッペルとはドイツ語でDoppel(英語でDouble)、2つという意味。
まだ完成していないのに3回目のレッスンで合奏はハードルが高すぎる、と思いながら、ヴァイオリンを構えます。第1ヴァイオリンの楽譜は見たことがなかったので、どっちが先に始めるのかもわからない始末。第2ヴァイオリンが先だから、私から、でした。

冒頭の5小節目から先生の第1ヴァイオリンが、追いかけるように入ってきます。先生の音量、大きい。それが普通の音量なのかもしれません。つられないように必死で譜面を追って弾いているのですが、自分のメロディーがよく聴こえてきません。私、ちゃんと弾いてる? そのうち、二つのメロディーが不協和音のように聴こえてきます。ん? 私、ズレてるのかも。先生はどこの小節を弾いているの?、と思っているうちに、私が先に終わっていました。あれ?

どこで速くなるのかわかってるんです。16分音符の小節です。ヴィヴァルディでも暴走していました!

この曲は、複数のメロディーを独立性を保ちつつ互いに調和して重ね合わせる対位法という技法が取り入れられていて、2つのヴァイオリンと他の弦楽器とで、「音の織物を編み上げるように」構成されているのだそうです。
「音の織物」、「調和」、なるほどー…
レッスン後、メトロノームを使って練習し、一定のテンポで弾けるようになってきましたが、
You Tubeに投稿されているドッペルカラオケで、何度合わせても、1小節先に行ってしまうのは、なぜでしょう?
練習がんばろう…😅 

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