ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

2023.6.28 読響X反田恭平 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

2023-07-21 | ピアノ
2023.6.28

今年度の読響名曲シリーズ、4月、5月は行けなかったので、久しぶりのサントリーホールでした。
今年はラフマニノフ生誕150年。
反田恭平さんのラフマニノフはどんな演奏なのか楽しみにしていました。

指揮者:アレクサンダー・ソディ
ピアノ:反田恭平
曲目:
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
チャイコフスキー 交響曲第4番へ短調Op.36

指揮者はオックスフォード生まれの英国人指揮者。読響で指揮を振るのは初めてです。
指揮者の良し悪しまたは好き嫌いは交響曲でわかるそうです。私はチャイコフスキーは好きなので後半も残って聴く予定でしたが、前半の反田さんのラフマニノフの演奏に衝撃を受けて、交響曲を聴かずに帰りました。

反田さんのラフマニノフ第3番は、とにかく最初から凄かった。音が重なり合うように共鳴し、波打つように大きく響く。叩きつけるような弾き方をしているわけではなく、その奏法により轟音に聞こえる。圧力と迫力のある演奏でした。パワフルな演奏が2楽章も続き、最後には精魂を尽き果たしてしまうのではと思いました。今の反田さんには体力がありますが、あの迫力の演奏は10年後20年後は聴けないかもしれません。
一方で、反田さんの指揮者的な表現力や圧力にオケが引っ張られて、日本の読売交響楽団では物足りない。ヨーロッパで鍛えられたピアニストのクオリティの高さを感じた演奏でした。

演奏終了後、拍手までに一瞬の間があり、観客の殆どが圧倒されたのがわかりました。
あの一瞬の間は、感動だったのか驚愕だったのか、肯定的反応か否定的反応か、一体どちらだったのでしょう。
そう考えさせられる演奏でした。





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ブログに復帰 / プレイエルのピアノ

2023-07-04 | ピアノ
早いものでもう7月ですね。
2月に投稿して以来、多忙でずっとブログの更新ができませんでした。
私のブログをフォローして頂いている方々の中には、ご心配されていた方もいらして、大変申し訳ないことをしました。
昨年のように病気や事故があったとかそんなことはなく、とにかく忙しくてブログを開ける余裕がありませんでした。
フリーでいくつか仕事をしておりますが、今年は仕事の関係で外出が増え、加えて実家の処分等が同時進行するなど、毎日疲れていました。

2月に書きかけのブログを4月に少し書き加え、それ以降放置したままでしたが、今やっと腰を据えて続きを書いています。
今年前半に予定していたコンサートを2-3回キャンセルしてしまい、あまり行っていないのですが、そのうち幾つかを書くつもりです。
先ずは過去のコンサートの投稿です。

2022.12.22

昭和音楽大学に所蔵されている「プレイエル・ピアノ」という19世紀に製作されたピアノが演奏されるということで聴きに行きました。
場所は同大学のホール。演奏会は、このピアノと同じく19世紀製作のクラリネットとチェロとの三重奏、其々のソロ演奏、という構成になっていました。

ピアノ:川口成彦さん、
クラリネット:満江菜穂子さん、
チェロ:島根朋史さん

ピアニストの川口さんは、2018年にポーランドで開催された「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」で第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位を受賞した方で、古楽器ピアノが専門分野のピアニスト。
クラリネット奏者の満江さんはこの大学の助教だった方で、留学後現在は同大学の講師。古楽器研究が専門分野。
チェリストの島根さんは、弦楽器の起源に近いヴィオラ・ダ・ガンバの数少ない演奏者でもあります。

古楽器とは、
中世~ルネッサンス~バロックの作曲家が生きた時代に使用されていた楽器のことですが、現在は古典派・ロマン派音楽の時代の楽器も加えられているようです。

演奏会プログラムの中の川口さんの記述によると、ピアノの誕生は1700年頃にイタリアのクリストフォリという方に発明されました。それ以前はチェンバロが一般的でしたが、強弱をコントロールできないのが難点でした。
クリストフォリのピアノの発明を原点に、ピアノは時代による変遷を繰り返していきます。

プレイエル・ピアノ:
1800年代、パリにプレイエル社というピアノメーカーが設立され、プレイエル・ピアノは、後にパリに渡ったショパンの作曲活動に重要な存在となります。
ピアノの詩人と呼ばれるショパンは、自身の心模様を素直に音楽に託した作曲家であり、プレイエルの音色はそのようなショパンの音楽の語りを繊細に音にしてくれる楽器だと川口さんは感じています。
ショパンの言葉に「気分の優れない時はエラール(当時のフランスの他のピアノメーカー)を弾く。なぜなら、すぐに完成された音が出るからだ」とあり、プレイエルは万全の状態でなければ、弾きこなせないほどデリケートでコントロールが難しく、一方で、音色、表現、ニュアンスに限りなく拘ることができる楽器であることを示唆していると解釈しています。
エラールは、現代のピアノに近いものであったそうです。

写真は、実際に演奏に使われたプレイエルのピアノ。
19世紀に製作されたものです。このような時代の古楽器をコンサートホールで弾けるようにメンテナンスされている方が存在することも驚きです。

木目がくっきり現れたとても美しいピアノです。
現代のピアノのようなボリュームはあまり出ませんが、フォルテで弾いても音色は柔らかい。
当時は、室内の家具に合わせて、このような木調のピアノが一般的だったようです。


子供の頃、初めて買ってもらったアップライトピアノが黒ではなく、濃茶系の木目の入った、知らないメーカーのピアノでした。私はヤマハの黒いピアノでなくがっかりした記憶がありますが、きっと家具調のピアノが両親の好みだったのかもしれません。
もうそのピアノはありませんが、このブログを書いていて両親の好みに気づきました。

コメント (4)
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