私は、看護師。
優しいだけじゃない。
命の現場。
時には厳しい時もある。
それは、患者さんの為でもあるし、事故を防ぐ為でもある。
ある日の午後・・・。
小学高学年の子がお母様と一緒に診察に来た。
上まぶたの上にできもの。
いわゆる「ものもらい」
ちなみに・・・。
「ものもらい」と「はやりめ」を混同してる方が多く見られますが、
「ものもらい」はまぶたに起こる細菌感染。
人には感染しません。
「はやりめ」は俗に言う「結膜炎」のひどいものと言えば解りやすいかな?
(まぁ、結膜炎と言っても、アレルギー性のものとか色々ありますが・・・。)で感染性があるもの。
こちらは感染します。目脂が出るうちは、ご家族共々、手洗いはマメに、タオルも別にした方がいいでしょう。
で、この子が、切開する事になりました。
小学生とは言え、なかなかしっかりしてる子でしたので、処置室の看護師もきちんと説明をしました。
麻酔が痛いけれど、後は痛くないから、お顔を動かさないようにしてればすぐ終わるからね。
とね。
私もそうですが、基本、子供にはウソをつきません。
眼科の先生は注射はよほどの事が無い限りしないですし、しかも、眼科の場合は目に注射しますから、子供の場合はほとんど皆無に等しいです。
痛い事は痛い。染みるお薬は染みると、きちんと説明します。
ですから、切開の時も・・・。
「最初の麻酔は痛いよ。でも、これを我慢すれば後は痛くないからね。
色んな器械を使うから、泣いてもいいけど、顔は動かさないで。そうしてれば、すぐ終わるから」
すると、ちゃんと理解して、勿論泣きますが、頑張って顔は動かさないようにと子供さんなりに頑張ってくれます。
さて・・・。
いよいよ切開になりました・・・。
高学年ですし、処置室の看護師が言うには、説明もきちんと聞いていたようです。
が・・・。
麻酔をした途端に・・・。
「ウワ~ッツ!!」
と暴れだしました・・・。
ここで止めるわけにもいきませんので、押さえ込みます。
「うんうん、痛いね、今だけ我慢してね」
何て優しく言っても、本人も必死ですので暴れまくります。
この子は優しく言ってはダメなんだな。
と判断した私・・・。
次に出た言葉が・・・。
「はい!ちゃんとして!!動くと危ないから!!」
って、字に書くと、あまり怖くないですけど。
傍から聞くと、かなり怖かったらしい・・・。
それが証拠に・・・。
なぜか・・・。
院長が・・・。
「あっ、ハイ!」
と言って、恐縮してしまいました・・・。
どうも、院長は自分が言われたと思ったらしく・・・。
その後も、かなり遠慮がち・・・。
本日も・・・。
薬の変更をしたものの、その薬は指示された規格が無いという事が判明。
ちうど私が業者とそのやりとりをしてる所に内線・・・。
「あの薬って、この規格は無いよね、この規格の薬はこっちだよね・・・どうもすみません・・・」
と言ったあとに・・・。
給料の明細を渡す時も改めて・・・。
「さっきは、どうもすみませんでした」
と丁重に謝られてしまいした・・・。
今日は私が処置室にいたせいか、いつもは処置室にまわす処置も、診察室で自分でやってました(笑)。
やればできるんじゃん!
って言うか、確かに、最近人任せなんだよねぇ・・・。
何でも全部言わなくても通じると思って・・・。
確かに、みんな長い人ばかりになっちゃったから、ツー・カーのところもあるけどさ。
「あれ」「それ」「これ」で解っちゃうからねぇ・・・。
仕事もしやすいんだろうけど、そういう慣れが一番怖い。
プロは慣れちゃダメなんだよ。