徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

父・井手次郎〜高輪での開業〜

2019-05-17 05:00:00 | 日記
高輪での半世紀以上の開業中には本当に色々な事があった。
ここでは外科の看板は出さず皮膚科の専門医としてやっていた。

治療の助手には殆ど母が手伝っていた。
とは言え母は特別資格を持っていたわけでは無かった。
あくまでも、包帯交換や器具の洗浄をやっていた。
当時は包帯の使いまわしや注射針の煮沸消毒後の再利用は当たり前のことであった。
庭には洗った包帯が毎日50本位干してあったのをよく覚えている。

父は昔から手先が器用で、外科の特に細かい手術は本当に得意であった。
皮膚科の専門医としては付帯医療として泌尿器科、性病科がつく。
と言う事で、淋病、梅毒、パイプカット等々の患者が多く訪れることになる。
勿論、火傷、アトピー性皮膚炎と分野は広かった。
私の勤務先のホテルでの同僚も、結構父に世話になっていた。

父は腕も良かったが、医者としての感も大変恵まれていた。

徳川おてんば姫(東京キララ社)