徳川慶喜log~徳川と宮家と私~

徳川慶喜家に生まれた母久美子の生涯、そして私の人生。

私・井手純〜大学から帝国ホテル時代③〜

2019-05-30 05:00:00 | 日記
ホテル時代、仕事も一生懸命やったが遊ぶ方でも、それこそ寝る暇を惜しんで頑張った。
飲む・打つ・買う何でも頑張った。
しかし、飲む方は体質にあまり会わずほどほどであった。
ある時色々付き合っていたが体に変調をきたした。

トイレに行くとたまらない痛みを感じたのである。
「やばい、淋病?」そう思うと流石に親父に言えず、新橋の雑居ビルにあった性病科に飛び込んだ。
先生に相談すると「覚えがあるんなら間違いないね。」と簡単に言われて尿を取らされた。
たいして検査もせずに薬を出され、「3日ほど飲んだらまた来なさい」と言われた。

「実は父が泌尿器科の開業医で高輪にいるんですが流石に言えなくて」と言うと、先生は突然言葉遣いまで変わり「ちょっと待って・・・こっちの方がいいかな?」と言い「これを1週間飲めば大丈夫ですから。」と別の薬に替えられた。
数年後、父にその話をすると「そんなもんだ」と少し怖い声で「医者にも色々いるからな・・」と言った。
それ以来何かあると、何でも相談出来るようになった。
後にカナダに行くときも向こうで女遊びをした時の注意点を教えてくれた。
親父との距離が近づいたなと感じた。

徳川おてんば姫(東京キララ社)