tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

マクドナルドへの愛憎入り混じる思い

2012-11-15 17:39:11 | 物申す
マクドナルド経常益16%減 1~9月、客単価低下

日本マクドナルドホールディングスは1日、2012年1~9月期連結経常利益が前年同期比16%減の178億円になったと発表した。1~9月期の経常減益は7期ぶり。高単価の商品が振るわず、客単価が想定以上に落ちた。通期業績は計画を下回る公算が大きく、来期に110店舗を追加閉店するなど収益改革に乗り出す。

売上高は1%減の2207億円だった。既存店売上高が2.2%減り、24億円の経常減益の要因となった。

4月からコーヒーの値下げや100円メニューの充実など低価格攻勢で客数は伸びた。ただ、新開発した高単価メニューの購入につながらず、客単価は落ちた。新商品の投入に伴う販売促進費も膨らんだ。

12年12月期で3%増の284億円を見込んでいる経常利益の達成は難しい状況だ。会見した原田泳幸会長兼社長は「震災で消費志向が変わり、今までのやり方は通用しない」と話した。

収益性の低い店舗を例年、年間100店舗ほど閉めているのを、来期は閉店数を200店舗超に増やす。ビッグマックなど看板商品の値下げキャンペーンもやめるほか、新商品も絞り込む。勝ち組だったマクドナルドだが、成長に向け正念場を迎えている。(日本経済新聞)


マクドナルドは月2、3回は使っているだろうか。
丼もの、そば・うどんなど、数あるファーストフード店の中ではいちばん行く店だ。
実は今日の昼食もマクドナルド。
クオーターパウンダーチーズ・ポテトM・ジュースのセットにチキンクリスプ、
クーポンを使って全部で590円。
食欲があまりない時でもマックなら食べられると思う。
でも、マックに走ってしまった時にはなぜか「負けた」感があるんだよな。

食事を典型的ジャンクフードで妥協してしまったことの後ろめたさ。
妙に落ち着きのないレジ空間に並んで列を作ることのきまり悪さ。
無味乾燥な店内で1食を食むことの寒々しさ。

だから、「閉店数200店舗超」と聞くと、正直ほっとする。
ああ、これで安直にマクドナルドを選択する機会も少しは減るだろう、と。
家の近くにも勤務先の近くにもマクドナルドはある。あちこちにあり過ぎる。

マクドナルドと言えば、
「レジカウンター上からメニューをなくした」というのがひところ話題になった。

原田会長は、「スピード・オブ・サービス」という言葉を用い、
「前のお客様が(カウンターで)じっとメニュー表を見ているのを、
その後ろで待っているというのはフラストレーションを感じると思います」、
要するに「メニューは並んでいる間に決めておけ」という理屈を持ち出したが、
だからといって、並んでいる間にメニューを吟味できる環境の変化
(わかりやすいメニュー一覧が動線上に見やすく掲示されるようになった、とか)
があったわけでもない。そもそもこの理屈なら、
行列のできない時間帯にもカウンター上からメニューを撤去する理由はない。

これはやはり、安価な単品をより目立たなくして選びにくくさせ、
利益率の高いセットメニューに誘導するための施策というほかないだろう。

だいたい、「スピード・オブ・サービス」を追求するほどの「合理性」があるならば、
マクドナルドのレジ回りには腑に落ちないことが多い。
実にゴチャゴチャと錯綜しているのだ。

まず、ほとんどの店が、いわゆる「フォーク並び」
(複数ある所に列を作って並ぶ際、列を1つにし、あいた所に先頭の人が入る方式)
をさせるようになっていない。列をバラバラに作る。

商品受け渡しの場所も整理されていない。
会計を済ませて、どこどこで待つように、と言われてその場所で待っていると、
カウンターのあらぬ場所から呼ばれたりする。(たいてい会計係と商品係は別の人だ)
会計の列もゴチャゴチャなら、商品受取待ちの人の塊もゴチャゴチャ。

さらに、商品受け渡しで最も愚かだと思うのは、「商品名の連呼」で客を呼ぶことだ。
「クオーターパウンダーチーズセット、コーラのお客様!」
ゴチャゴチャと人がざわつく店内で、語尾の「…コーラのお客様!」だけ聞こえて、
多分自分のだろう、と持っていく人がいるのは容易に想像できる。
そうして「商品の取り違え」が起きる。自分には何度か経験がある。
レジに取りに行った時に確認する手順もないのだから当たり前だ。
これを防ぐのは簡単なことだ。長々と商品名を叫ぶのではなくて、
レシートに整理番号を振って、その番号で呼べばいい。
商品を渡す際にちらっとでもレシートを提示させれば、
それだけでくだらない取り違えはなくなる。

…まあ要するに、
「スピード・オブ・サービス」などと題目を唱える経営トップが
現場の店舗の実態をどれだけ把握しているのか知らないが、
“普通のユーザー”が、商品を手にするまでの一連の流れを観察しているだけでも、
サービスの、そして、システムのアラが目についちゃうということだ。

「月2、3回」の結構なユーザーでありながら、
マクドナルドが「勝ち組」の座から転落するのを歓迎する…。

愛憎半ばする複雑な気持ちが、マクドナルドに対してはある。

<追記>
ところで、「マックカード」は以前は金券ショップによく売られていたのに、
このところ全く見かけなくなってしまった。
額面500円が470円くらいで売られていて、釣りも出ることから、
極端な話、「ハンバーガー1個だけを実質70円で買う」こともできたわけだが、
品薄になったのか、あっという間に「495円」などと値上がりし、
「5円程度のトクじゃわざわざ買わないな…」と思っていたら、ついにどこにもなくなってしまった。
なぜ今までは金券ショップに溢れていたのか、そしてなぜ姿を消してしまったのかは謎だが、
「マクドナルドでしか使えない」券なわけだから、それが財布に入っていなければ、
マクドナルドへ行く理由がまたひとつ消えた、とも言える。

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