友達づくりのコツ

1週間前のこと。私はとても大変なことに気がついた。それは、今までの私の生き方が根底から覆されるようなショックだった。友達との人間関係をうまく築けない自分の「態度」について。

「とんさんと親しくなろうと思っても、その先に踏み込めない壁がある」
ずっと前に、そんなことを言われたことがあった。何を言っているんだろう、その時は気にも留めなかった。「そんなことないわよ～。ウェルカム！」なんて調子で。特にさみしくもないし・・・。

しかし、違ったのだ。
私には、親しくなればなるほど相手を遠ざけようとする「壁」があったのだと気がついた。

これまで、いつでも「大丈夫！」と自分に気合を入れて（？）がんばってきた。人に頼らなくても生きていける、そんな強さを持ちたいと思いながら。それは、12歳の時に母が経営していた会社が倒産し、母は逃げ、子どもだけで暮らした経験や、母の愛人による暴力から逃げての家出、貧困などさまざまな苦難を乗り越えた経験が影響していると思う。そんな幼い頃の私は、大人に頼るしかなく、大人に振り回されて苦しんだ。自分が大人になり、自分の力で生活ができるようになった時、「もう人に振り回されないんだ」「自分の人生は自分で切り開くんだ」そんな風に思ったのだ。

そうして、今までがんばって生きてきちゃった。
そんな私は、結婚してからも、同じようにがんばっていたんだ。
そして、起業してからも、離婚してからも。

ここのところ、こんな自分の態度にハッとするきっかけがあった。
何のことはない。些細なきっかけ。テレビ番組「オーラの泉」を観ていた時のこと。「離婚の可能性は？」と質問した山田邦子さんに江原さんが「あなたは、いつでも一人で生きていけるし、外国にでも行けばいいし、なんて思っているでしょ。女性としての生き方を考えてみて」というようなアドバイスをした。その時の山田邦子さんの「何言ってんのよ」というような顔が、私はとても嫌だった。その前の日、飲み潰れた私を「大丈夫？」といって支えてくれた友達がいた。「大丈夫、大丈夫！」と私は答えたけれど、ちっとも大丈夫じゃない自分がいた。

あれ、何で私、大丈夫！って言っちゃうんだろう・・・。
そういえば私はいつも「大丈夫！」と言ってきた。「自分でできる」。もしうまくいかなかったら、別のことを考えればいいし。ここで暮らさなくてもいい。私は外国でもどこでも暮らせるし。

あの番組の山田邦子さんと同じ顔をしている自分に気がついた。
今まで、私は、私を支えようとしてくれた人たちを、こうやって振り切ってきたんだ。私にとってそれは、友人への思いやりのつもりだった。「私は大丈夫だから、心配しないでね！」。だけど、本当は支えた手を放されるのが怖いので、その存在を受け入れることができなかったんだ。もしかして全てに対して私はこうだった？！そう考えたらいろいろな友人たちの顔が浮かび、仕事でお世話になった人たちの顔が浮かんだ。私、人を信じることができなかったんだ。

それから、人の気持ちを受け入れられなかった自分をめっちゃめちゃ後悔した。2日半、寝ているとき以外は泣いていた。あまりに苦しいので、早起きしてジョギングした。心が苦しいより、走っている苦しさの方が楽だったから。そのくらい、今までの自分を後悔した。「そんなことで？」と思われるかもしれないけれど、私にとっては自分の価値観が覆されるくらい大変なことだったの。

そんな私を見ていた娘。
「また泣いてんの？」とあきれ顔。
「だって、ママ、今までお友達がママを助けてくれようとしてもさ『大丈夫、大丈夫』とか言って強がっちゃってさ、お友達の気持ちを受け入れなかったんだよ。だから、お友達いないんだよ～。だけど、どうしたらいいかわからないの。ずっと『大丈夫』って言ってきちゃったから。」

娘に、人生相談。
すると彼女、「ママ、思い出したよ。お友達をつくるコツ」
「何？どうしたらいいか教えて。」
「それはね、『ありがとう』って言うんだよ。それから『お願い』って言うんだよ」

なんて的を得たアドバイス・・・。
まだまだ、なかなかうまくいかないけど、でもこれから「ありがとう」や「お願い」を上手に言えるようにがんばる。一人でできないことはできないって言うようにする。まだまだ人生これからだから、今から生き方を少し変えてみるね。

【今日の名言】
『希望とは　目覚めている夢なり』　アリストテレス

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