埼玉のかあちゃん社長奮闘記_サステナブルな毎日

起業して20年超。藍染めを傍らに太陽や風、星や花の声を聴きつつ埼玉とみなかみを行き来する埼玉のかあちゃん社長奮闘記です。

株が上がる

2006-01-19 10:06:54 | ライフ&ワーク
ライブドアショック。昨日から、私の頭の中で二つのことがもやもやと。ひとつは私が平成14年秋から取り組んでいる子どもたちへの経済教育について。事業を起こしてから「人材難」に直面した私。なぜ仕事ができる良い人材がいないのか、そこから私の取り組みが始まる。事業者が求める人材とは。企画力・コミュニケーション能力・失敗を乗り越える力、継続する力などなど、具体的に求める力を挙げていく。さまざまな文献をあたる。そうした取り組みから、子どもたちにとって必要なものは経済合理性を考えた社会教育であることにたどり着いた。それを表す良い言葉が見つからず私は自分の取り組みを「起業家教育」と呼び、これまでにいくつもの事業に関わってきた。

ところが平成16年ごろから流れが変わる。子どもたちへの経済教育が、アメリカから入ってきた株のトレーディングゲームのようなものになっていったのだ。ゲームは面白い。視点は「売買」「損得」。この頃から「デイトレーダー」が急増。インターネットを使って株の売買をし、一瞬で何億ものお金を手にする一般投資家が話題となる。「楽して儲ける」ことがステータスのようになり、若い「セレブ」がもてはやされる。その一方で、汗水たらしてまじめに働くことは「カッコ悪い」ことになっていく。

「汗水たらしてまじめに事業を営むカッコ悪い」私のような事業者は相変わらず人材難。優秀な技術を引き継げる後継者が育たない。人材不足から事業を継続できない。仕事はあっても人がいないので仕事が回らず、いつまでたっても利益が上がらない。働きもせず、学びもしない「ニート」が急増。地に足着いた優秀な事業者が、「楽して儲けたい」風潮の中でどんどんと消えていく。この国は、このような52万人の若者にどんなメッセージを送るのか。

ライブドアショック。
取引所も投資家も、このようなことが起こりうることは想像できたろうから、ま、しかたないねー。それよりも、たまたま購入した家が欠陥住宅で出て行けといわれて二重に家賃を支払っている人たち。この人たちに「自己責任」といえるかい?この欠陥住宅の価値を認めてお金を貸した銀行の責任は問われないのかい?あ、話しがそれた。 とまあ、そんなことを考えた。

もうひとつ「株」について。

平成15年夏から2年ほどの間に、私は100名以上の社長を取材して「わたしの起業ばなし」というテーマで記事を書いてきた。事業内容、起業した経緯、夢などを聞きまとめたものだ。
また、30件以上の事業者向けセミナーを取材して報告を上げた。そうした仕事の中で「ここの株が欲しい」と思った会社がある。2003年秋、わたしは日高屋ラーメンのチェーン展開を手がけるハイディ日高の神田社長のお話を聞く。社長の仕事に対する考え方、そして夢に共感した。当時、まだ上場をしていなかった社長は、「山手線のすべての駅、マクドナルドの隣に『日高屋』を出したい。近いうちに必ず上場したい」そう語った。お話しから、ご自身が仕事をすることが本当に好きなのだということ、そんな神田社長を応援したいという方々がたくさんいらっしゃることが見て取れた。「楽して儲けよう」そんな考えは微塵も感じなかった。そうして2年、社長は夢を叶えてしまう。

わたしが「この会社の株が欲しい」と思ったのは、そんな社長の夢を一緒に追いたいと思ったからだ。この会社のあり方が好きで、社長の人柄に惚れた。自分がこの会社と関われるとすると「株主」という形だろうと考えた。「株が上がる」のは、そうして会社の評判や人気が上がるからなのだと思った。残念ながら、上場時、株を買うだけの資金がなく未だに株主になれずにいる。けれど今でもわたしはこの会社の株主になりたいと思っている。そういう私、残念ながらライブドアの株主になりたいとは思わない。

さ、仕事をしよう。自分の好きなことを仕事にして、汗水たらして働くのは本当に楽しいことです。
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