永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合(カルテル)ブレーンストーミング(その5)

2012-06-05 | 談合
前回『経審』で一回談合(カルテル)論を休みました。今日は続きですが、以下のニュースが入ってきたので一言。

段ボールカルテル疑い、公取委が立ち入り(読売新聞) - goo ニュース

欧米の司法当局が独占禁止法違反で、日系企業から何百億円もの課徴金を取っている一方、日本の公正取引委員会が取り締まっているのは国内の中堅中小企業ばかり。2009年10月にブラウン管カルテルでパナソニックなどと一緒にサムスンに排除措置命令を出したことはあるが、あとはただの一社も外国企業を取り締まっていない超内弁慶の国家権力である。
まさか、日本企業だけが世界中で談合をやっていると勘違いする馬シカさんはいないと思うが、尖閣諸島での中国漁船衝突事件でもわかったように、日本の政府当局は、外国の犯罪者には実に寛大である。

弊社も私が社長のときに公取の立ち入り調査を受けたことがある。その時、調査官に超内弁慶の話をしたら、「若手は外国企業も取り締まろうと言っているが、幹部たちが『そんなことをしたら政治マター、国際マターになる』と言って腰が引けている」と苦々しく語っていた。これが、警察力も軍事力もない日本国民しか裁けない日本の当局の実態なのだ。


さて、
自由経済理論の最大の問題は『市場の外部性』だった。
では、どのようにしてこの問題を解決したらよいだろうか。

解答の一つは小学校の図形問題と同じ。市場の枠をどんどん広げて、外部を内部に取り込んでしまえばよい。
市場内部に取り込まれたものは、すべて価格が付され、需要と供給によって売買が成立する。

1980年代イギリスのサッチャリズム、アメリカのレーガノミクスに代表される民営化政策がそれである。市場の外側にあった公的機関をどんどん内部に取り込み、徹底した競争と合理化を行った。
日本でも電電公社や国鉄が民営化された。ここまでは大成功だったと思う。
そして1990年代になると、実体経済だけでなく、マネー経済まで枠の内側に入ってきた。

金融ビッグバンと呼ばれた金融自由化以降、企業が一商品と同じように売買されるようになり、以前はごく一部の専門家にしか許されていなかった金融商品の売買が、一般消費者にも開放された(もっとも一般的なのは外貨預金)。
談合(カルテル)ブレーンストーミング(その3)で指摘した『市場への参入・退出の自由』を思い出してほしい。
株式市場はもちろん、為替市場、国債市場、先物市場にまで素人が参入、そしてほとんどが大損して退出していった。

今日はここで終わります。おやすみなさ。

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