権力者の権力壟断は、良くも悪くも当たり前だ。 一番腹立たしいのは、マスコミが権力者の発表を鵜呑みにして自主調査による談合報道をほとんどやらず、権力者に加担して弱小業者を袋叩きにしてきたことだ。 そして、業者=悪(犯罪者)、発注者=善(被害者)という刷り込みを世間にしてしまった。
弊社が公正取引委員会の調査を受けたときも、業者の言い分は基本的に紙面に載らなかった。 もし載せるとしても、実名でなければだめ。 ゴルフ場であいさつを失念しただけで、5年以上も指名から外される。 実名で発注者を批判したら、会社倒産そして一家心中だろう。 『匿名だとウソを言うかもしれない』と知り合いの記者は言うが、嘘か本当か、裏を取るのが報道機関の仕事ではないか。 役所発表を記事にすることに慣れすぎて、本当に日本のマスコミは堕落してしまった。
役所発表を記事にするのは、非常に楽だ。 裏を取る必要がないし、もし間違っていても責任転嫁できる。 中には電子データーで渡してくれる所もあるというから、コピペだけで記事が書けてしまう。 一方、自主調査報道は、コストもリスクも半端じゃない。 すべて裏を取らなければならない。 責任転嫁もできない。 使い物にならないネタだったら、かけた経費がすべてパーだ。 しかも、当局や広告主が気に入らないネタなら、記者クラブから出入り禁止、広告をストップされるリスクまである。 コストもリスクも、役所発表報道の数百倍もしかしたら数万倍にもなるかもしれない。
もっとも、日本の大手メディアは、いざとなったら情報提供者に責任転嫁する。
半月ほど前だが、名誉棄損で訴えられた日経新聞社が、情報源を裁判で開示したニュースがあった。 このときは検察官という当局だったが、情報源の秘匿はジャーナリズムの基本中の基本である。 いみじくも官報仲良しクラブが証明された結果になったが、当局の圧力で情報提供者を白状するようでは、誰も権力の腐敗を告発できない。 日本にジャーナリズムは存在しないといわれるのも当然だな。
戦前、朝日新聞を筆頭にマスコミが軍部に協力して戦争をあおった話は有名だが、権力迎合は今も全く変わっていない。 再販制と電波許可制という当局公認のカルテルに守られた新聞社とテレビ局は、遅かれ早かれ淘汰されると思う。
今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。
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