永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合は、必要悪-悪=必要だ (その10)

2012-09-07 | 談合

京セラの稲盛会長が言われるように、人間は性善、性悪どちらでもない。 性弱である。 善が発現する環境であれば性善説の面が顕われ、逆の時には、性悪説の部分が出てしまう、弱い生き物である。 だから、悪が引っ込み、善が出るような制度、ルールを経営者は作らなければならない。

ところが、今の建設業界は、悪を使い、善をひっこめた方が、儲けやすい制度になっている。 まさに、正直者が馬鹿を見る。

数日前から、二つの官製談合が全国紙をにぎわしている。 ひとつは、防衛省のヘリ納入。 もうひとつは、高知県の国土交通省発注工事。 どちらも、国の機関が発注しているので、予定価格などの重要情報は非公表だ。 事前公表するよう、さっさと法律を変えるべきだろう。 情報秘匿は権限のよりどころだから、手放したくないのもわかるが、不正を防ぐには公開が原則である。 

指名入札も権力の源泉だったが、国の機関では現在、ほとんどが一般入札になっている。 しかし、総合評価方式(以下、総合)というもっと発注者の裁量が入りやすい入札になってしまった。

とくに注目したいのは高知県の方。 総合を使っているからだ(防衛省の入札形態は、今のところニュースからはわからない)。

総合とは、価格以外の要素(大体は技術力)も評価して、落札者を決定するやり方。 以前は、指名でも一般でも、価格だけの競争だった。 しかし、談合が(ほとんど)なくなると、低価格競争(ダンピング)が横行するようになる。 対策として、価格以外の要素も加味して落札者を決定しよう、ということで始まった。

総合は、指名・一般どちらの入札とでも、組み合わせることができる。 入札参加者の決定ではなく、落札者の決定に関するものだから。

以前の金額だけの競争は単純明快、一円でも安い価格を提示したものが落札した。 ところが、総合は違う。 まず、発注者が、入札参加者の技術提案書などを金額に換算する。 そして、提示価格からそれを控除して、入札金額とする。 たとえば、A社の技術提案書は150万円と評価され、提示価格は850万円だった。 すると、入札金額は700万円となる。

素人でも、客観的な方法などあり得ないことはすぐにわかる。 客観的な方法がもし仮にあるなら、その分はじめから値引きして、最初から700万円と書けば済む話だ。

うーん!不正行為のにおいがプンプンしますが、今日はここまでにします。

今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。

 

 

 

 

 


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