庭から金木犀のにおいがする。
以前、 星野富弘さんの詩集で
----金木犀が咲くと 子供のころ 運動会にきてくれた
母親の着物の樟脳のにおいを
思い出す。
大事にしまっておいた着物を着て
母親は見に来てくれた。----といった内容の詩があった。
そうか、 金木犀は 秋なのか と改めて思った。
(庭の金木犀、 しゅうめいぎく、 むらさきしきぶ)
物のない時代 今からそんなに前でもないような気がする。
富弘さんの詩集を読むと
なぜか 胸の奥がツンと痛くなる。
物はなくても 心は豊かだったからなのか。
皆が 必至に生きていたからなのか。