金魚cafe

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家康江戸を建てる

2018-12-31 14:16:11 | 読んだ本


今書店で文庫本も出版され帯に蔵之介さんの写真もあるのですが図書館で予約していたのでまっ、いいかと。

ドラマ化されるとなったら急に貸出のリクエストが増えるのですごいなあと。

4Kだと明日放送ですが私は2日に観ます。

ストーリーは放送されるのであんまり書くのもと思いましたので感想は歴史に興味がある方、ブラタモリをご覧になってる方は面白いと思うのではないかと思います。前にブラタモリでどのように水を引いてきたかを地層を説明されていたからです。

登場するのは戦で功をたてた人はドラマにしやすいですがその人たちが活躍するために縁の下から支えてきた人にスポットをあてたそんな話かなと。

家康が豊かな土地の尾張を秀吉に上手いこと言われてとられちゃって代わりに関東の江戸を与えられた。

当時の江戸は水が海水が混ざって飲み水の確保も大変、大きな川の洪水にも悩まされとそれを私たちが歴史の授業で習ったあの江戸にしちゃったのですから家康という人はやっぱり天下を取れる人だったんだと。

下からの意見に耳を傾けてお江戸にするための人事に適材適所に配置できるというのはできそうでできませんものね。

ドラマも楽しみですが原作は歴史をいろんな面から描かれたほぉ~そんなことがあったのかと面白かったです。

テーラー伊三郎

2018-09-09 13:47:39 | 読んだ本
川瀬七緒著 角川書店

川瀬七緒センセーの作品はあるジャンルを深く掘り下げていて登場人物が世間でそれで評価されるよりも好きなことを続けることを大事としてる人が多いなあと思います。

昆虫(特にウジ)だったり高齢の方からのその人たちの暮らしてきた記憶を集める民俗学の研究者だったりと。

今回舞台は震災後の福島県のとあるさびれた商店街で紳士服の仕立てを生業とするテーラー鈴木伊三郎80歳。
そして成人指定の18禁漫画を描いている母と2人暮らしの津田海色(アクアマリン)17歳高校生。

海色と書いてアクアマリンと読ますなんてキラキラネーム過ぎる~~と思いつつ彼の年代はもっとすごいキラキラネームもあったから驚きはいたしませんが、シャッター通りになってしまった小さな町ではかなり目立つかなと。


なので彼はできるだけ目立たず無難な人生を送ろうと17歳で達観してしまったようです。

アクアはある朝、通学途中にシャッター通りを通ると閉まっていたテーラー伊三郎に中世ヨーロッパの貴族が身につけるようなレースをふんだんにつかった洗練されたコルセットショーウインドーに飾ってありました。

町内で伊三郎さんとうとう認知症が出た~~など大騒ぎになりますが、母の漫画の手伝いをしているアクアは中世ヨーロッパの衣服の知識があり、これは認知症になった人間ではこのようなクオリティの高いものは作れないと興味をもちます。

お互いにシンパシーを感じた二人にアクアの同級生でスチームパンクに身を包んだ明日香とともにこのコルセットをちゃんと販売し広げていこうではないかと結束します。

ところが小さな町閉鎖的な考えをもつ人もいてなかなかきびしいものがあります。

この3人がなぜお互いシンパシーを感じたのか、それはお互い活動するのにあれだめ、これだめと制約が多くてそれにうんざりしているからではないかと思いました。

伊三郎さんはオトナなのに高齢でもう年なんだからとか認知症起こしたんじゃないかとかアクアと明日香は高校生なので校則というものに縛られています。

そんなあれだめ、これだめ言われたもの同士がなんかやってやろうではないかと思うのは当然なのかもしれません。

前に川瀬七緒センセーの「フォークロアの鍵」というのを読ませていただきました。

こちらも高齢者がどうすれば自分らしく生きていけるかという問題を投げかけておられました。

それはお互いの話をよく聞いてあ~~そうなんだだからそうなのねと気持ちを共有することから始めていければいいのかなと思いました。

なんでこんなに服に関して詳しいのかと川瀬七緒センセーのプロフィールを拝見しますと服飾関係のお仕事をされていたそうです。

中世ヨーロッパのことに興味ある方は面白いと思われるかもしれません。




検察側の罪人

2018-07-19 08:05:47 | 読んだ本
雫井脩介著 文藝春秋。

暑い日が続いております。

こんな日は外に出ずに図書館で借りてきた本を読もうと。

8月に映画が上映されますが、読んでから映画を観ても大丈夫!かなと思ったのが感想です。



犯人を探すというよりも人間の内面を描く小説だなと思ったからです。

司法修習を終えた沖田は正義感溢れる検事という仕事で公明正大に法を執行するのだと前途有望な検事になりたての人です。

彼が尊敬し彼のような検事になりたいと目標にされる最上。

検察では花形の場所というのが汚職事件などを扱う公安部。

最上はそれよりも正義が法のもと正しく行われるようにと刑事部で粛々と行っています。

そんな彼らのところに老夫婦が刺殺され現金が奪われた事件がまわってきます。
容疑者松倉はこの被害者にギャンブル好きで借金があり、以前もお金を借りるときに説教されたなどの動機、アリバイが証明されないことなどから一番疑わしいと。

そして調べていくうちに時効となった23年前の女子中学生殺人事件の容疑者とあがっていたことから一気に犯人ではないかとそちらに傾いていきます。

ここで容疑者に対する沖田と最上の考え方が分かれてきます。

最上が修習生だった沖田たちに言った「検察は法律という抜群に切れる剣を持っている。」と語るシーンがありまして正義のために働いているのに目指す正義は同じなのにどこから違ってしまったのだろうか。

自分の正義を信じて真相を究明する関係者たち。

親しき友とも争うことも。

それでも最上、沖田と彼らの同期たちは進む道は違っても友のことを心配する強く結ばれた友情は素晴らしい。

もう一人キーマンとなる闇の世界に住み一目置かれている諏訪野という人が魅力的でした。

映画では松重さんが諏訪野役だそうです。
ピタッとハマっていると思います。

映画も骨太な感じになるのではないでしょうか。

観に行けるかな?楽しみです。(^^)

三鬼 三島屋変調百物語四之続

2018-05-22 23:49:43 | 読んだ本
宮部みゆき著 日本経済新聞出版社。

これは図書館で一年前から予約してやっとこちらに本が回ってきました。

地元の図書館の貸し出しリクエストの1位でしたのでかなり待ちますよと司書さんに言われたのですがまさか1年待ったとは。

忘れた頃に予約本が来ましたよと連絡。

1年待ったのに読むとなったら565ページあってかなりの厚さなのにサクサクと読んでしまいました。

これは宮部センセーの文章がテンポが良いということなんでしょうね。

江戸の袋物問屋三島屋は繁盛しているだけでなく、黒白の間という部屋を持っていてそこで百物語を聞くという変わったことをしていました。

話を聞くのは主の姪で看板娘のおちかさん。

彼女は川崎の旅籠の娘で何不自由ない暮らしをしていたのですが悲しい出来事があり生きる気力を失い。
江戸に来て働くことで以前のおちかさんに戻れるようにとこの百物語聞き役をつとめているのです。

でこのシリーズも4冊目となりおちかさんも最初は私は生きていていいのだろうか、幸せになってもいいのだろうかと悩んでいたのですがだんだんと日常を取り戻してきたような感じがしました。

この「三鬼」では4人の語りべが登場します。

老若男女、身分も皆バラバラ。

普通の幽霊だお化けがとかそういうありふれた話ではなく何十人と話を聞いてきたおちかさんも聞いたことがない不思議なことばかり。

最初の「迷いの旅籠」はこっちの世界とあっちの世界とを行き来ができるのか?それは良いことなのか?
活躍するのは13歳の少女。
じっちゃんと子供が活躍するところが宮部センセーらしさが出ていました。

「食客ひだる神」ひだる神とは旅の途中で行き倒れて死んだ人のことで餓鬼ともいうそうです。
憑りつかれるとお腹が空いて体が動けなくなるそうです。
そんなとき一口でも食べ物を口にするとひだる神はいなくなるのですが。

旅の途中でひだる神に憑りつかれてしまった男の人の話で災難かと思えばほのぼのとした話でした。

「三鬼」題名ともなった話は初老の武士が黒白の間を訪れ自身の若いころの体験しことを語るのですが「荒神」を思いださせるところもあってあやかしは人の中の黒い気持ちが生み出すのだろうかと。

「おくらさま」一番不思議で悲しい話でした。家のために犠牲になるのはいつも弱い立場の人。
人間真っ当に働かないで栄えるとそれはしっぺ返しがくるのだと。
この最後の「おくらさま」ではおちかさんの運命をガラッと変えてしまう出来事があり、もう新刊が出ているのでどうなっているのかわかりませんが悲しいけれどおちかさんは川崎の旅籠で起こった悲しい出来事からふっきれたのだなあと。

team申で朗読劇を何回か公演がありました。

そこで選ばれたのが宮部センセーの小説でした。

「食客ひだる神」はページ数も丁度良く、ユーモラスなところもあり朗読してくださらないかしらと思ってしまいました。




GWに読んだ本(3)

2018-05-07 00:00:25 | 読んだ本
もうGW終わってしまうのですね~~。

私の地元ものんびりとしたところで何もないのですが、公園は雨の日もありましたがお天気の日は駐車場が満杯で皆広場で」バドミントンやキャッチボールして楽しまれてました。

どこへお出かけしても人が多いのでこういうときはインドア生活にかぎると読んだ本の3冊目が「上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ」です。

高殿円著 光文社。

前に読んだ「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ2です。

今回は主人公の鮫島静緒の後輩の桝修平のお家事情がからんできます。

この2人は神戸の老舗富久丸百貨店の外商部に勤務しています。

外商部を利用できる顧客になろうとしたら年間1000万ぐらいは買わなければなりません。

外商部の静緒、桝たちの月の営業のノルマが1500万なので普通のお金持ちではないのです。

そんなセレブたちとお近づきになるためにはあの芦屋というところに住んでその雰囲気をつかむのも勉強ということなのですが、芦屋でお家を探すといっても手軽な値段のところがなくて先輩の外商葉鳥さんのお世話で後輩の桝とルームシェアとすることになりました。

一緒に住んでも静緒は桝に対して恋愛感情はないし、桝自身の事情、実家の事情があって支障はなく互いに干渉せずで上手くいっていたのですが、今回桝の実家のことでこのルームシェアの危機が訪れます。

私が前回のを読んだのが2年前だったでしょうか。

その間に百貨店を取り巻く事情が変わってきたようです。

今まで高額なものをお買い物をしてくださったお得意様は高齢化して資金は豊富なのだけどこれといって欲しいものがない。

そのお得意様の子供たちの代はといいますと、ネットでポチする世代なのでわざわざ外商を利用しない。


前回も書きましたが百貨店の大きな売り上げがこの外商なのです。

買っていただけなくなるとピンチです。

なんとか打開しなければと百貨店の外商部は戦略をたてますが、なかなかいいアイデアが浮かばない。

一番辛い立場なのがアルバイトからのたたき上げで外商部に配属された静緒。

上手くいかなければまたバイトに格下げになるかもというピンチ。

自分のお得意様の問題もクリアしながら外商の売り上げを回復できるのか。

ゆりかごから墓場までのなんでもありの外商部。

絶対お目にかかることはないと思うので私たちの知らないところで高級車一台買えるぐらいの高級時計や宝石をジュラルミンケースに詰め込んで回っているのだろうなあと。

百貨店で北海道フェアやってる九州物産展やってると聞けばスイーツや名物を楽しみに出かけようかなと思うのでやっぱり魅力はあると思うのです。