籠って弾くピアノ … の続き。
透明の波板とかでできている小屋
こういう小屋がよく田舎の家には後付けで連結して造られていて、そこに農具や生活道具や洗濯機
などが置いてあります。友達の家に遊びに行った時にそういう小屋で遊んだ記憶のせいか、とても
好きです。特に、川や用水路のそばにこれがあってそこがちょうど陽当たりのいい南側だからそこで
洗濯や物干しがなされてるような空間っていいです。サンテラスと言ったらお洒落過ぎるけど。
そこに、時計や鏡やお土産の壁掛け飾り、珈琲カップにスプーン、年季の入ったテーブルと椅子
などが置かれていて、ただ作業をするだけでなくそこで憩う空間にもなっていたりして。
冬にはストーブがあって。そういう場所で楽しんだ記憶があります。今でも無性に魅かれます。
波板は経年で劣化して破損したりするから、その補修には色つきの波板を使うのもいいと
思います。例えば青とか黄色、緑、オレンジ、ピンクなど。
子どもは喜ぶし大人も喜ぶ。
ステンドグラスのような空間演出ができる。ステンドグラスは高いし割れやすくて
扱いにくいけど、色つきポリカーボネート波板なら神経質になる必要はない。
学生の頃、アイスクリーム工場で夏のバイトをしたことがあるのですが、その敷地には大小
様々な工程の工場棟があって、メインの工場は冷凍庫状態ですが、他の付随的な工場は常温でした。
ある小さめの老朽化した工場は、上の方の一連のポリカーボネート波板群が透明黄色でしたので、
とても不思議な建物となっていました。特に、昼下がりになると太陽の位置との関係で、
黄色が室内に投影されて美しかったです。普段冷凍庫の中にいるから甘美さもひとしおでした。
多分、インテリアとか考えていないけどたまたまそうなったのでしょう。
労働者の心の憩いの為にそうしたのではないことは確かです。
そういえば、ディズニーランドに出荷するミッキーの形のクッキーでサンドした高級アイスで
少しでも耳が欠けたりヒビ線が入るなどしたものを、毎日ドラム缶いっぱいに棄ててあった…
缶から溢れ出ている廃棄アイスの上から缶蓋を、もはや何とも思ってない様子で強い力で
圧迫して閉める職員を横で見て、「食べたい食べたい食べたい」と心の中で言ってました。
今日貰える当番を順番に決めればいいのにと思っていました。
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ある筈のない所に、装飾的なものや潤いあるものや精神的なものがあると、とても魅かれませんか。
例えば稼働中の工場あるいは工場廃墟に音のいいピアノと美しい楽譜があったり、農具小屋の隅に
吊るされた電気がシャンデリアだったり。橋の建設現場のプレハブ小屋の棚に哲学書が数冊あったり。
※イメージ
さっき、ある筈のない場所にと書いたけど、本当はあるにふさわしい場所なんです。
それで燃えるんだと思います。
物置き小屋の片隅にピアノを置きたいんです。前から書いてるけど。ピアノ業者や調律師は
勿論、劣悪な場所にピアノを置いてはダメだと言います。でも私にとってはそこがピアノを
弾くにふさわしい場所だから、捨てられそうなピアノや邪魔だと思われているピアノを置いて
弾きたいんです。
そこで1人で籠って弾くのは勿論のこと、バイオリンやチェロやフルート等と二重奏・三重奏を
するのはどんなにいいだろうと思います。考えただけでも血が騒ぎます。