この昔ながらの蛇口、最近の住宅の水回りではあまり使われなくなりました。インダストリアル系。// 物は言いよう。これならではのよさもあります。
あまり居ることのなかったこの部屋に最近いり浸るようになったのですが、
ポチャン ポヨン ピシャン ポヨン ピチャン …… と聴こえてきた
神秘的で生しい音。シンクに置いている水の入った洗い桶に、雫が滴り落ちる音です。
久しぶりに聴いた、この音。強くしっかり閉めないと、この音がしてきます。
※イメージ
昔あって今なくなっている音ってありますね…。
生活様式が進化して、物が変わって。快適便利になった陰で、なくなってしまったもの。
蛍光灯をつける時の、あの ……チラチラ チャラチラ… テン という音も。私はあの音は寂しい
イメージがありますが。ラムネの瓶もプラスチックになったりしていて、音が違う。
それからコーラなどの炭酸飲料は、昔の方が炭酸強かったと言ってる大工さんがいました。
私もそう感じます。お盆と正月に子どもが飲む瓶入りスプライトやコーラの強度の炭酸の思い出。
(うちでは母が食への意識が高かったので普段冷蔵庫で冷えていることはなかったです。)
それは刺激に対して慣性のない子どもの感受性の高さのせいなのかと思っていましたが、
実際に炭酸弱くなってるってその大工さんが言ってました。
家でかつて使っていた鳩時計の音。それから昔の大きな振り子時計のボーン、ボーンという音。
祖父母の家がこれで、夜怖くて堪らず家に帰りたくなってました。子どもにとってああいう音は
心臓に直に響いて、鋭敏な想像力が働きます。
私には馴染みがなくても、高齢の方にはもっとたくさん失われた音や匂いがあるでしょう。
ぜんまいを回す音、井戸の水を汲み上げる手押しポンプの音、風車の音、氷屋が通る音、
紙芝居屋の音、ポン菓子の破裂音、サーカスが来る音、馬が路地を歩く音、ぼっちょん便所の音…
こんなの、ありましたね…
水鉄砲みたいなので流すやつとか。そういえば久しく汲み取り車が来た匂いを嗅がないですね…
いつの間にか汲み取り車はもう一切来なくなったのかもしれない。
なくなって本当によかったと思う音もあるんですが。それが何か、思い出せないけど。