ペロティヌス作曲
「地上のすべての国々は」
Viderunt omunes
作曲者のペロティヌス
(12世紀後半~13世紀初め頃)
はペロタンとも呼ばれていて、
パリ・ノートルダム大聖堂
参事会員のピエールさん
(苗字不明)だったかも
しれないと言われています。
― で、
どういう曲なのかというと、
男性が四声部で歌う、
「アカペラ」のジャンルに
入るのでしょうが、
聴いたCDでは、
低音部を補うために
オルガン伴奏が
入っていました。
この曲が属している
12世紀後半〜13世紀に
かけて栄えたパリ・
ノートルダム楽派は
全般的にそうなのですが、
聴く人によっては
現代曲にも聴こえる
かもしれないような、
何とも言えない
摩訶不思議さを
醸しています。
これが1198年
(日本では鎌倉時代初期) の
クリスマスに
ノートルダム大聖堂で
響き渡ったのでしょう。
聴くのはいいとしても、
歌うとなると
かなり大変な曲で、
歌詞は全部ラテン語なのですが、
何しろ、一語一語をすごーく
長く引き伸ばして歌うので、
歌う方はともかく、
聴く方は何て歌っているのかが
分るのかどうか?
ーーって程
長く伸ばしまくるのです。
前半は解説集にも
ありましたが、
歌い出しの Viderunt という語を、
Viの部分だけで50秒間も
引き伸ばしているし、
それに続く omunes を合わせたら
4分くらいかかるのでは
ないかと思います。
間にグレゴリオ聖歌の
歌唱法でユニゾンの
合唱が入り、
少し速度を上げて
後半を歌い切って、
最後にまたグレゴリオ聖歌の
歌い方が入って
全部で12分くらい。
何か、
小学生の縄跳び大会で、
3分間跳び切った時のような
疲労感がするのでした。
日本語で
「見た」だけを
1分30秒もかかって
歌っていると考えると、
ふざけ半分の前衛曲
みたいな感じが
しないでも無いですが、
この曲は大変に真面目。
当時の実用的な
宗教曲なのでした。
う~ん、でも多分
モーツァルトさんが
同じ歌詞で作曲したら、
半分くらいの長さで
できてしまうと思う…。