福井地震から復活の電車補修完了 震災記念日控え内部を公開(福井新聞 2015年6月16日)
昨年5月に福井市で計画が上がった「震災電車」福井鉄道160形モハ161-2の修復作業ですが、先週に車体塗装や案内板取り替えなどが終了したそうです。以前はワイパーやライト部・ガラス窓の破壊・損傷や落書きなどがあり状態が悪かったですが、すっかりきれいに修復されたようです。
福井鉄道160型電車(福鉄ねっと(以前の車両の様子))
また、6月28日の福井震災の日に合わせ、6月27日(土)に160形車内が公開されるそうです。(午前10時から午後4時まで、入場無料とのこと。)いまでは珍しい木製の床や少し昔の福武線路線図、そしてなによりもこじんまりとした小さい車体が懐かしさを感じさせられると思います。
【6/27】福井鉄道160形の内部を公開します(福井鉄道模型愛好会(福模会))
・電車が保存されている下馬中央公園(福井市美術館となり)へは、福井駅からのフレンドリーバスが便利です。(公園へのルートについては当ブログの記事でも紹介しています。)
160形電車は前身の60形(福井市内電車)時代の1948年6月28日に、福井駅前(現在の電車通り)にて被災し、火災によって車体が焼失しました。しかしモータや台車はかろうじて残り、現在保存されている車体に交換のうえ、もう1両(161-1号(越前市内で保存))との2両編成となって「160形」として福武線・鯖浦線(せいほせん)で運行されました。
福井震災で被災しながらも車体を変えて「復活」したという経歴から、福井市の復興を象徴する「震災電車」として知られていますが、そのほかにも鯖浦線での運行や鯖浦線廃線時のさよなら電車として使用されるなど、鯖江市とも縁のある電車といえます。
福井市は3年ほどの短い期間に空襲と震災を経験しており、そのために震災を今に伝える建物などがあまり残っていないそうです。また、福井鉄道の電車としては、10年前の小型電車導入をきっかけとしてそれまでの大型車両が少なくなっており、かつての福鉄を知るうえでも貴重になっています。
福井の震災を、昔の福鉄電車を伝える資料として、これからも大切に保存されることを願います。