徒然にっき'18

OCNブログから引っ越してきました。
文華の日常を綴った、プライベート日記です。

温かい声援に包まれた鼓笛パレード

2012-05-16 22:16:00 | 教育
「福島市鼓笛パレード」が、2年ぶりに開催された。
3~6年生にとっては2年ぶり、1・2年生にとっては初めての参加である。
全員がこの日を心待ちにしていた。
高学年の人数が去年よりも減ってしまい、ちびっこ達の負担が増になって、練習はものすごーく大変だったけれどね。
あまりの酷さに、
「こんなんでは、へたくそすぎて、お客さんに聴かせられない~~!!!」
と、叱咤激励しながら練習する日々だった。


さて、今日は1番目のグループで演奏だったため、いつもより1時間早く出勤。
楽器をワゴン車にのせ、子ども達とともにバスで移動した。
現地に近づく度、子ども達の緊張は高まる。
沿道で演奏順を待つ頃には、もう
「わーーー、どうしようーーーー(>_

演奏開始してすぐに、キーボードの音色が違うのにずっこける。
リーダー格の子が、待っている間にいつもと違うところを押してしまったのであろう。
自分は先頭に立って歩いていたのだが、すぐさま後方へ行って直してあげた。
この辺りが、やはり3年生クオリティ。
主指揮の後ろでフラッグを振る1年生は、とっても不器用でリズム感もない。
気がつくと主指揮にぴったりくっついて、フラッグがぶつかるので、そのたびに、手でストップをかけて直してあげた。
こんなことも初めてである。
小太鼓を任せた3年生も、リズムはとっても上手なのだが、前に行きすぎてフラッグの子と並列してしまうので、終始ひやひやしていた。


そんなこんなで、精神的にどっと疲れた鼓笛パレード。
でも、沿道からは、
「かわいいーーー☆☆」
という声援が耐えなかった。
多くの学校は高学年が中心だからね。
かわいさで得する子ども達、鍵盤のタッチミスが多かったけれど、それもご愛敬ってことで、温かく見守ってもらえた。
あと、「ありがとう(いきものがかり)」「Monster(嵐)」「キセキ(GReeeen)」などの近代的なJ-POP選曲が増えている中、うちの学校が選んだのは「宇宙戦艦ヤマト」。
(去年に引き続き2年目。)
幅広い世代になじみのある曲だからか、曲に合わせて手拍子を打っている姿が多数見られた。(おじいちゃん、おばあちゃんも)
あまりの曲の難しさに、3年でローテーションの自由曲を来年は変えようかと悩んでいたけれど、こうやって応援してもらえるなら、来年もがんばってやらせたいと思う。


距離が短くなったせいか、演奏はあっという間だった。
行きはバスの中で比較的おとなしかった子ども達、帰りはほっとしたのか、わいわいがやがやと、五月蠅いぐらいにおしゃべりをしながら帰校した。

次は、20日に運動会を控えている。
こちらも2年ぶりの屋外開催と言うことで、全力でがんばりたいと思う。




さて、ここからは余談的な話(主に愚痴)


ネット上で散々物議を醸していた「鼓笛パレード」開催。
主催者の教育委員会には、きっとたくさんの苦情が来たに違いない。
(仕事の遅さやごだごだぶりから、大変さが想像できる。)
Twitter上でも、
「土砂降りの雨がふればいいのに。」
「安全アピールに子どもを利用するな。」
「被曝させるのか。」
などなど、開催に反対するTweet&RTが多数見られた。


でもね、参加した子ども達のほとんどは、そんなことは思っていない。
「鼓笛パレードの日は、晴れて欲しいなあ。」
「放射線は心配だけど、2年ぶりに出られてうれしいなぁ。」
「練習は大変だけど、がんばろう。」
そういう気持ちで、この日を迎えたのだ。


去年、どれだけ福島の子ども達が「今まで行っていた行事」が通常通り出来ずに1年間我慢し続けたことか。
ネットの向こうであーだこーだ言っている人たちは、本当に子ども達の心労が分かっているのだろうか。
子ども達がやりたいことをやるのは、いけないことなの?
まずはニュースに上がっている動画で、子ども達の生き生きとした姿を確認して欲しい。
(NHKとフジテレビは、今日のニュースでWeb上に動画をうpしている。)


まあ、どこまで安全かって言われると、正直分からない。
前例が少ないのだから、断言のしようがない。
実は、パレードコースの線量が気になったので、エステーの「エアーカウンター(2号)」をウエストポーチに入れて計測した。
パレードが終わったとき、確認した線量は「0.66μSV/h」だった。
ちょっとどきっとした。
だけど、ちょっとの時間の高線量にドキドキしていたら、正直ここで生活していけない。
さっさと遠くへ避難しろである。


「将来ある子どもの命を大事にする。」
これは、もちろんのことである。
でも、そのために、大人になるまでの過程がすべて「できるだけ被曝しないために活動を制限する。」人生だとしたら、心、体、脳の育成に大きな障害が生じ、「長生きする」どころではない気がするんだよね…。
一番むかつくのは、被害を受けた我々がいろいろ頭を悩ませているのに対し、とーでんや国が「電力不足解消」のことしか頭にないこと。
電力なんて、足りないなら足りないでなんとかせーよ。
今までできていたことができないことの方が、よっぽどストレスだし、長期に渡るたび深刻さを増すんだよ!!
仮設に住んでいる人の未来は、どうなるんだよ…。


パレード出発点まで行く途中、沿道に大勢のお客さんが並んでいて、子ども達が一生懸命演奏していて…ていう姿を見ただけで、何故か泣きたい気分になった自分。
今、ふくしまが求めているは「普通の日常」。
泣きたくなるくらい、普通に飢えているのだ。
「鼓笛パレードを開催するふくしまは馬鹿!終わっている!!」
っていう人たちには、何をどう訴えても通じないと思うので、せめてここだけでも、声を大にして叫びたいと思う。