ありすcafeのうつわにはいくつかなまえがついているものがあります。
『片想いのお皿』とか
『とり』とか
『ひつじ』とか・・・。
なぜこのなまえ?と思われる方もいらっしゃると思うのですが、実はひとつひとつにエピソードがあるのです。
たとえば『ひつじ』は、
このうつわを見た友人が
「4本脚。羊みたい。誰も見ていない時、歩いていそう(笑)。」
と言ったのでこのなまえになりました。
今月の営業日にも登場するこちらは
『フランスパン』というなまえです。
以前仕事をしていた陶芸体験工房に、ご両親と一緒に4才から通って来てくれていた男の子がいました。
工房の利用者の最年少でしたが、ある日彼のお母さんが笑いながら話してくれました。
家族で温泉旅館に泊まりに行ったら、ごはんの時、彼が「ん~、これは・・・。」とつぶやきながら、旅館のうつわの高台(裏側)を真剣に見ていたと(笑)。
そしてまた別のある日。
私がイベント用に作っていたこのうつわを見た彼が照れくさそうに笑いながら、
「フランスパンみたいだね。」
と言って去って行ったのでした。
それ以来、このかたちのうつわのなまえは「フランスパン」になりました。
使い勝手のいい、お料理がおいしく見えるうつわを作るために日々努力を重ねる私ですが、「フランスパン」の命名者の彼が4才か5才の時に作った作品たち(当時の工房で撮らせてもらった写真です)には勝てないなって思っています。
こんないい顔したカメさんやゾウさん、
作れないもの~(笑)。
せめて、せっせとフランスパン、作ります。
がんばります。