私は曽野綾子の小説をほとんど読んでない
(どの作家のも殆ど読んでないが)
で、テレビドラマで「天上の青」をやったので、原作を読みたくなり
文庫本を買って読んだ
話の粗筋はネットでも読めるけど、ごく簡単に
(もう頚椎が痛くなってきた)
実話に基づいた小説で、過去の殺人事件の話
大久保清という男が、若い女性8人を短期間の間に殺害し
逮捕され、死刑になったという話を基に書かれている
何故曽野綾子がこの題材を選んだかというと、
大久保清は死刑判決が下りた後「控訴をしなかった」と知り、
何故控訴をしなかったのか、
殺人鬼にも良心とでもいうものがあったのだろうか?と?
その辺りがこの小説を書こうとした動機だという
で、小説には、実在しない「雪子」というクリスチャンの独身女性を配し
その女性が、というか、その女性との関わりによって、
犯人は控訴しなかった、というストーリーになっている
雪子という女性は縫い物をしながら生計を立てて、ひっそりと生活している女性で
その雪子が庭に植えていた「ヘブンリーブルー」という空色朝顔に目を止めた
殺人犯との交流、愛が描かれている
最後捕まった男が獄中から手紙を出す
「愛していると言ってくれたら、控訴はしない」
つまり、男の生き死にを雪子が決定するかのような内容になっている
考え、苦しみぬいた雪子は「深く愛しました」と書き送り
男は控訴せず、死刑は執行される
愛と言っても、しかと愛し合ったという形ではない
淡々と会い、淡々と話し、そこには静かな時間だけが流れている
言ってみれば、魂の交流とでもいうようなものが二人の間には流れていた
妙に正義感?のある男
時に優しく、時に残酷な行動をする
そして、彼なりの勝手な正義は人の命を奪っていく
実際の大久保清は、性的異常者のような人間であったのかもしれない
しかし、小説ではそのような描写は少なく
あたかも、激情タイプの人間の犯した殺人であるかのように書かれている
読んでいるこちらは、知らず男に同情ではないが、多少の共感を持ち
捜査が身辺に及んでくると、捕まらないで欲しい?みたいな
思ってはいけない心境にならされる
雪子の取った行動は、自分の犯した罪に対し、苦しんで欲しい、というものだったように思う
そして、初めて男は少しでもましな人間になれるかもしれない、という事だろうか?
このドラマを見た視聴者の、何がこのドラマに惹かれるか、という事だが
ネットで検索すると、多くの人達がこのドラマを見て
忘れられないものとして記憶している事だ
何故か、どこが?
私にもわからない
ただ、淡々と静かに生きている山口果林扮する「波多雪子」という女性と
殺人犯である役の、白竜扮する「宇野富士男」の、
本音で語る、浮世と離れた世界に見える真摯な言葉のやり取り
この空間に惹きつけられるのに違いない、とか思うのだけど
ストイックな、自分のポリシーを持って、自分に誠実にあろうと生きる雪子
それに対して、残虐性を見せず、雪子との間に作られた愛とも、何とも言えない感情
時に親に対するかのような面を見せる男
愛には二種類あるという、エロスとアガペ
その後者のような愛情が流れているのではないかと思わせる描写である
そして、そこに現れる空色朝顔(日本名は空色朝顔というヘブンリーブルー)
最後に清められた男の魂が?
この空色朝顔と共に、天上に上っていくのだろうか?
そんな気さえするラストのシーンだけれど
雪子は、こう言ったそうな
>どんな悲しみも怖さもほんとうにしみ通らない人、
他の人のブログを読むと、フーンと思う
自分では全く気づかない事を他の人は感じている(←私はバカかも
>反省もしない富士男を変えようともせず、そのまま受け入れている
んだそうです
蜘蛛の糸なんだそうです、雪子さんは
糸を垂らすだけで、引っ張り上げようとはしない
そして、糸を切らなかったんだそうです
つまり、富士男は天上に上ったんでしょうか?
それを天国とは言いませんが
(どの作家のも殆ど読んでないが)
で、テレビドラマで「天上の青」をやったので、原作を読みたくなり
文庫本を買って読んだ
話の粗筋はネットでも読めるけど、ごく簡単に
(もう頚椎が痛くなってきた)
実話に基づいた小説で、過去の殺人事件の話
大久保清という男が、若い女性8人を短期間の間に殺害し
逮捕され、死刑になったという話を基に書かれている
何故曽野綾子がこの題材を選んだかというと、
大久保清は死刑判決が下りた後「控訴をしなかった」と知り、
何故控訴をしなかったのか、
殺人鬼にも良心とでもいうものがあったのだろうか?と?
その辺りがこの小説を書こうとした動機だという
で、小説には、実在しない「雪子」というクリスチャンの独身女性を配し
その女性が、というか、その女性との関わりによって、
犯人は控訴しなかった、というストーリーになっている
雪子という女性は縫い物をしながら生計を立てて、ひっそりと生活している女性で
その雪子が庭に植えていた「ヘブンリーブルー」という空色朝顔に目を止めた
殺人犯との交流、愛が描かれている
最後捕まった男が獄中から手紙を出す
「愛していると言ってくれたら、控訴はしない」
つまり、男の生き死にを雪子が決定するかのような内容になっている
考え、苦しみぬいた雪子は「深く愛しました」と書き送り
男は控訴せず、死刑は執行される
愛と言っても、しかと愛し合ったという形ではない
淡々と会い、淡々と話し、そこには静かな時間だけが流れている
言ってみれば、魂の交流とでもいうようなものが二人の間には流れていた
妙に正義感?のある男
時に優しく、時に残酷な行動をする
そして、彼なりの勝手な正義は人の命を奪っていく
実際の大久保清は、性的異常者のような人間であったのかもしれない
しかし、小説ではそのような描写は少なく
あたかも、激情タイプの人間の犯した殺人であるかのように書かれている
読んでいるこちらは、知らず男に同情ではないが、多少の共感を持ち
捜査が身辺に及んでくると、捕まらないで欲しい?みたいな
思ってはいけない心境にならされる
雪子の取った行動は、自分の犯した罪に対し、苦しんで欲しい、というものだったように思う
そして、初めて男は少しでもましな人間になれるかもしれない、という事だろうか?
このドラマを見た視聴者の、何がこのドラマに惹かれるか、という事だが
ネットで検索すると、多くの人達がこのドラマを見て
忘れられないものとして記憶している事だ
何故か、どこが?
私にもわからない
ただ、淡々と静かに生きている山口果林扮する「波多雪子」という女性と
殺人犯である役の、白竜扮する「宇野富士男」の、
本音で語る、浮世と離れた世界に見える真摯な言葉のやり取り
この空間に惹きつけられるのに違いない、とか思うのだけど
ストイックな、自分のポリシーを持って、自分に誠実にあろうと生きる雪子
それに対して、残虐性を見せず、雪子との間に作られた愛とも、何とも言えない感情
時に親に対するかのような面を見せる男
愛には二種類あるという、エロスとアガペ
その後者のような愛情が流れているのではないかと思わせる描写である
そして、そこに現れる空色朝顔(日本名は空色朝顔というヘブンリーブルー)
最後に清められた男の魂が?
この空色朝顔と共に、天上に上っていくのだろうか?
そんな気さえするラストのシーンだけれど
雪子は、こう言ったそうな
>どんな悲しみも怖さもほんとうにしみ通らない人、
他の人のブログを読むと、フーンと思う
自分では全く気づかない事を他の人は感じている(←私はバカかも
>反省もしない富士男を変えようともせず、そのまま受け入れている
んだそうです
蜘蛛の糸なんだそうです、雪子さんは
糸を垂らすだけで、引っ張り上げようとはしない
そして、糸を切らなかったんだそうです
つまり、富士男は天上に上ったんでしょうか?
それを天国とは言いませんが