今放映されている、NHK朝の連ドラ「カーネーション」の
セッティングが、昔を懐かしく想い出させてくれる。
私は会津の小さな町で、ディラー呉服店(洋服仕立て屋)の
二男として生まれ、一姫二太郎という理想的な家族構成の
中で育った。父が一代で築いた店は、姉が嫁ぎ、兄と
私はサラリーマンの道を選び、今はもう無い。
大きなテーブルと足踏みのミシンが、仕事場を占領し、
ドラマのような賑やかさはなかったものの、そこそこの
家内経営だったことが子供心に想い出される。
そんな環境の中で育った私は、親の血をひいたのだろう
手の器用さも備わって、物つくりが楽しくてたまらない。
先日、クリクラのカバーを作ってみた。裁ちばさみで
生地を裁断し、仮縫をしてから、ミシンで仕上げた。
もうひとつ、同じ生地を使って小物入れを作ってみた。
紐を通す穴は、ミシンの「ボタン穴かがり」機能を
駆使してみた。どちらも、妻ではなく私が作ったこと
信じてもらえるだろうか。
秘伝、柿の切り方を伝授したいと思う。
その前に、私の出身地が福島の会津であることを
申し添えておきたい。
会津は、身しらず柿で有名である。
身しらず柿の名の由来は、身の程知らずに沢山の
実をつけるため、我が身の重さに耐えかねて折れて
しまうところからくると、昔から言い伝えられている。
なんと哀愁漂う名であろうか。
身しらず柿は本来渋柿だが、焼酎でさわし渋を抜くと、
とても甘くて美味しくなる。
酒処会津に相応しい先人の知恵である。
また、子供の頃、樹の上で完熟した柿を、竹竿の先を
割き、枝にからめて採って食べたものだが、これも
また甘くて美味しい。
それでは、秘伝、柿の切り方について始めたい。
①柿の皮を剥く。
②剥いた柿を皿の上に乗せる。
③包丁を柿の真上に垂直に構える。
④柿の芯を挟んで縦縦と切る。
⑤包丁を横にし、柿の真上に垂直に構える。
⑥柿の芯を挟んで横横と切る。
⑦芯を残して食べる。
⑧見事に芯だけが残る。
秘伝、縦縦横横は、柿の芯を残すための業である。
どうだろう。