我社では、大きな地震が発生すると、全ての職員は、自らの
安否状況を登録するという安否情報登録システムを導入している。
宮城県内に震度5弱以上の地震が発生した場合、システム
から携帯電話にメールが届く.そのメールに返信し「怪我の有無」
「出勤可能か否か」等の安否状況を登録するという仕組みだ。
ただ、30分経ってもシステムからのメールが届かない場合は、
自らシステムの電話番号を呼び出し音声による案内に従って
安否状況を登録しなければならない。
自ら登録する場合のみID番号とパスワードが必要になってくる。
導入されてまだ日が浅いせいもあってか、登録する側の不慣さは
否めない。
先月8月30日午前4時5分、宮城県沖を震源とする震度5の地震が
発生した。あまりの大きな揺れに3.11の再来かと驚いて飛び起きた。
暫くして揺れは止んだが、大きな揺れに動転していたのか、寝ぼけ
ていたのか定かではないがシステムからのメールが届く前に安否
状況を登録しようとしてしまった。
「IDとパスワードを入力して下さい」システムから流れてくる音声案内
に、先程記述した状況からかパスワードがなかなか思い出せない。
パスワードを間違う度に「パスワードが認識出来ません」が繰り返される。
何度も何度も間違えているうちに、音声案内の口調が徐々に荒々さを
増してきて、終いには「いい加減にして下さい」とでも言われそうに思え
たのは、気のせいであったろうか。
暫くして、システムのID番号とパスワードをメモしていた事に気が付き、
事無く安否状況の登録は完了したもの、時すでに30分を経過していた。
今回、30分経ってもシステムからのメールが届かなかったため、自ら
システムに安否状況を登録しなければならなかった訳だが、四苦八苦
した過程がどうあれ、30分経っての安否状況登録完了の行動は、率先
垂範に値する行動だったと自負する。
ホラー映画のワンシーンのように、薄暗い寝床の上で携帯電話を両手に
持ち、パスワードに四苦八苦している私の安否を気遣うかのように、
妻は携帯を覗きこみ、耳元でささやく、「それは生年月日」、「それは氏名
コード」、「そしてそれはキャッシュカードの暗証番号」
に思わずギャーッ!!何で知っているのだろう。
個人情報が漏れている。一瞬うろたえてしまった。