児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

一学期の活動 続きの2

2024-06-06 13:30:05 | 学校の活動
今日2度目ですが、少し追加をしてみたいと思います。

今は6月ですが、少し遡りですが、4月の活動について、概略を記したいと思います。
1年間を見通した活動の実践について触れます。投稿主の影響で、カウンセリングや教育相談の視点での活動が中心になってしまいますが、他の視点からでも十分に役立つかとも思っています。趣旨を読み取っていただいて工夫をしていただきながら使っていただけますと使えるかと思います。

また、内容は高校でのことが多くなっていますが、中学校でも、あるいは小学校でもその趣旨を使っていただければありがたいです。また、教育相談の用語やカウンセリングの用語等につきましては可能な限りですが注釈を記したいと思います。不明な部分等はコメント等でお知らせいただいたり、ネットでの検索等をお願いします。ご質問にも可能な限り答えさせていただきます。
それでは、4月の活動について学年ごとに分けて記してみます。

1年生(中学・高校中心)
 適応指導として人間関係づくりを最優先に行う。声かけを多く行ったり、可能であれば短時間でも早期に面接が行われると、いろいろな面で役立つと思われます。人間関係や信頼関係をつくり、生徒の情緒の安定にも役立つと考えられます。
 教育相談の一つの技術である、構成的グループエンカウンターのミニエクササイズ(SGEと略記)を行ったり、SCT(文章完成法テスト)などやり易いものができれば役立ちます。
自分の成長の過程である「自分史」を書いてもらうことも、生徒理解に役立ちますのでよいかと思います。
一年生の生徒に「これからの生活で心配なこと・不安なこと」などを書かせて、それに上級生からアドバイスの活動を行うと、生徒の状態が安定します。各学校の特性と実態に応じて行うとよいと思います。
また、教員も生徒の記述したものを見ると、心情や実態がわかりますので、生徒理解が進みやすいと思われます。

※構成的グループエンカウンターについては、文献がたくさん出ていて、実践事例も多く紹介されていますので検索してみてください、
※SCTは文章完成法テストという心理検査の一種です。説明資料や文献もありますので検索してみてください。

2年生
 進級に伴い新しい学級になることが多いと思われます。人間関係をつくる点は1年生と同じです。1年間学校で過ごしていて事情は分かっていると思いますので、新しい学級に早く慣れるようにすることを目指します。
教員は、学級運営の基本方針や担任の思いを明確に伝えることが大切と思います。共に作り上げる感覚を持てるようにして、組織作りを進めます。年間の予定や進行についての説明をきちんと行い、生徒が目標を具体的に持てるように指導や支援を行います。新しいスタートであるという気持ちを持てるとよいと思われます。
1年生と同様に、SGEのすぐにできる小さいエクササイズ(活動)等を行うと馴染むと思います。面接も有効性があると思われます。

3年生
 2年生と同様ですが、学級の組織作りをきちんと行います。面接も可能であれば実施します。生徒間の人間関係づくりで、情緒の安定を図りながら、相互に助け合い、励ましあう学級の雰囲気を作ります。
年間のスケジュールの紹介と確認を行い、一年間の中での短期、中期、長期の目標、特に学習目標を明確化します。自己の進路目標をなるべく早期に明確にするように促すとともに、必要に応じて、個別支援も含めて着実に行います。

4月は出会いの季節ですので、生徒間、生徒と教員の間でよい出会いができるように心がけて活動することが大切と思われます。

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一学期の活動 続き

2024-06-06 07:44:32 | 学校での活動について
 続きですが、一学期の活動について、より具体的にしていきましょう。
一学期のポイントは、生徒を学級や学年、学校になじませることが基本的なこととしました。そのために、まずは、教員の方から生徒に近づいていく必要があると考えました。
言葉かけを多くして、固有名詞もきちんと呼んで、人間関係をつくること、そしてさらに維持して、深めることが大切と思います。教員の方から生徒に近づいていくと、生徒間でもそれに倣ってたがいに近づこうとするようになると思います。生徒間のよい交流が生まれ始めれば、それでよい交流の方向に向かい始めると思います。但し高校などでは、学校の特性がいろいろと違っていて、先生の思うように進まない場合もあるかもしれませんが、落ち着いて冷静に、求める方向を明確に意識して一歩ずつでもよいと思いますので着実に進むことだと思います。
 
このように、関係づくりをしながら、各生徒の特性を把握する活動も行います。クラスや学年の中には、気になる生徒も見受けられるかと思いますので、場合によっては対象の生徒を決めて、視点や観察のポイントも明らかにして、継続的に観察を行います。
観察のポイントは、けっこう細かい点にあると思われますので、細かい点まで見ることが必要と思われます。表面的に見られることも大切ですが、心の中の状態を見ることはさらに大切と思われますので、生徒の全体的な様子や姿勢、行動までをていねいに見ていくことが必要と思われます。自分なりの味方のポイントができるといいなと思います。
観察を基に、能力や良い点、伸ばせそうな点、改善が必要かなと思われる点について整理して明らかにして、各生徒や集団への指導・援助に役立てます。指導・支援の狙いや方針を明らかにしておくことも大切です。
生徒を観察するときに、大切なポイントは、マイナスの部分を見過ぎないことです。発達の過程にある生徒は、必ずしも良い点ばかりを持っているとは限りません。教員はともすると、マイナスと思われる点に気づきすぎる傾向があると思われますが、もっと大切なことは、「伸ばせそうなポイント」「その子の独自な良さ」の方に目をみけて観察することが必要です。良さを発見しようとしていると、教員の生徒に対する視点が肯定的なものになります。マイナスばかり見ていると、否定的な見方が強くなる危険性があります。
教員の視点に対する生徒の感覚は鋭いですので、先生に対する生徒からの見方もマイナスが多くなりがちです。そうすると、人間関係も作られにくくなりますし、以後の指導や支援もしにくくなる可能性がありますので、注意が必要な点と思います。
教育活動の一つのポイントは、生徒のよさを伸ばすことにあると思われます。自己肯定感の低いと思われる生徒に、マイナス発見型のかかわりをすると、さらに肯定感を低めることにもなりかねませんので、そこは留意が必要と思われます。
教員の生徒へのかかわりは迎合等をすることではありませんので、そこの判断はきちんとしておくべきです。

日常的な一学期の生徒とのかかわりでは、観察の結果を、それは一時的なものであるにせよ、ある程度の整理を行って記憶、記録をしておくと、後々役に立つと思われます。生徒の変化は大きいですので、観察の結果も一時的なものですので、随時変化した様子をまた、記録するとよいと思われます。変容の過程をとどめておくと、指導・支援の適切さ等も自然に明らかになると思われます。
このように考えながら、一学期を一年間のスタートとして、一年間を通して生徒を伸ばす活動をすることが教育の活動と思われます。

具体的な4月、5月の活動まで至りませんでしたが、今はここまでにして、また後に続けます。

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