児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

1学期の活動 続きの4

2024-06-08 14:01:31 | 学校での活動について
 4月、5月の活動について触れてきましたが、いよいよ6月、今月の活動について触れてみたいと思います。
6月は、生徒にとっては、何かと微妙な部分もある時期かと思われます。個々の生徒によって適応状態の違いが表れやすくなりますし、不登校関係では、登校しぶりの状態から本格的な不登校に移りやすい時期でもあります。専門的な相談機関でも、一年で1から2位の状態で相談の申し込みが多くなる時期です。
学校では、このことに対する指導や支援も必要になりやすいときですので、いろいろな点に目を向けながら、以下に示したような部分を意識して活動を行っていくのが良いと思われます。

各学年ごとに記してみます。

1年生
 中・高校で、新入学や進級から一定の時間が経ちました。定期テストも経験しましたので、その結果も出て、いろいろな思いを持つ場合があると思われます。一定の成果を得て安心している場合や、思わぬ結果になって心配や不安、挫折感まで感じている生徒もあるかもしれません。適応の差が出やすいので、教員の方から積極的に声かけをして、心の内面を確認することが必要です。
これまでの中で、できたことやできていることを認めてやることで肯定感を持てるようにします。プラスイメージを持てることが自信につながります。不登校も出やすいので、学級内の人間関係を確認して、孤立や孤独の生徒がいないかどうか確認します。人間関係づくりを、再びあるいはさらに行うために、SGE(構成的グループエンカウンター)をできる範囲でも加えてやってみるとか、友だち関係を進めるために、SSTを行うとか、学年を対象にしてワイド相談を行ってみるとかの工夫が必要かと思われます。生徒を学校・学級の生活に乗せるという考え方で可能なことを着実に行うことが大切と考えられます。
※SGEは、ワークやエクササイズと呼ばれる集団活動を行うことによって、心理的な交流を行わせ、学級内等での相互の人間関係の構築や改善を行おうとする活動です。実践例もたくさんありますので、検索してみてください。このブログでも機会があれば実施法等について説明してみたいと思っています。
※SSTは、ソーシャルスキルトレーニングの略で、生活上に必要な技術を、練習によって身につけて生活への適応状態の改善を図ろうとする、心理的な活動の一つです。例も多いので検索してみてください。またSGE同様に、ここでも取り上げてみたいと思っています。
※ワイド相談 相談と言うと、個別な例を想像すると思われますが、年齢の近い生徒たちの持ちがちな悩みや不安は似ているので、そのような点について、集団を対象として相談活動を行おうとするもので、文献はすでに絶版となり資料がないのですが、実践例はあると思いますので検索してみてください。投稿主も中学・高校でたくさん実施してその有効性については確信しています。後に触れる機会を見つけて詳述してみたいと思います。

2年生
 中学校でも高校でも、本格的な学校生活の時期になります。さらに高いレベルの人間関係も求められるようになります。自己表現力をさらに高めることや、他者の表現をきちんと聴く能力の向上が課題になってきます。自己を適切に表現することと、他者との表現をきちんと冷静に聴きとって、協調的な関係をつくることを生徒に自覚させる活動を行います。集団の一員である自分を理解できるように支援します。
他の学年とも同じですが、日常の活動を認め自己有用感、自己効力感を育てます。教員は、必要と考えた場合には、時には生徒ときちんと対峙して自己開示を行い、生徒に深く考えさせる機会を与えることも行います。

3年生
 3年生の1学期は、将来の展望が持てていない生徒にとってはとても悩ましい時期ですので、特に、学習習慣が確立できているか、各生徒の状況を確認する活動を行います。アンケートや面接が必要になると思います。不十分と思われる生徒には個別での指導も必要になると思われます。学習は、それぞれの生徒の人生目標にまでつなが面を持っています。短・中・長期の目標まで持てている生徒は少ないと思いますので、それぞれの生徒の実態に応じて、短期あるいは中期程度の目標まで持てるように支援して明確化を図ります。
但し、これは継続的に行う活動ですので、あまりにこだわることなく、学習そのものについて、生活リズムの整え方、整える必要性の理解、時間やスケジュールの設定と具体的な行動の仕方、学習したその内容や時間の記録と評価、意欲が保てない時の対応法、集中できない時の方策等、少し細かな点まで具体的に支援する必要があると思われます。そして、できなかったことではなく、わずかなことでもできたことに着目するように伝え、継続的に取り組むことができるように支援します。
ワイド相談等で、生徒の焦りや不安を軽減すするための方策を考え実践します。いつも同じことではありますが、常に生徒の身近にいるようにして、大きすぎる不安を抱え込まないように支援します。地道で着実な活動が基本と思われます。







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