剪定作業していますと、怪訝な顔を
しながら通り過ぎていく人達がいる。
老若男女。
色んな意味を考えがちなのが現代人で
すが、植木屋をしてあらためて認識で
きることがあります。
「自然の木々の方が余程に良い」
ということですが、わざわざ狭い庭に
自分の思惑を持ち込んで、枝が伸びた
と言って愚痴ったり、伝統的な剪定技
術だと言って枝先をチマチマ弄ったり、
大きな庭木や高価な庭木を誇ったり。
まあ、紅葉も終わりましたが、古刹な
んかを訪ねると手付かずのモミジとか
雄大なイチョウとか立派なクスノキと
か惚れ惚れしますが、色とりどりの落
ち葉でさえ楽しくなってくる。
ところで、先日伐採依頼ということで
出向きますと、何の木かと思えば月桂
樹で、近所迷惑にもかかわらず狭苦し
い所に植えられたもの。
作業始めると様子見に出て来た隣のお
ばさんに、月桂樹の葉=ローリエいり
ますか?と聞いてみたら「上等な料理
作らんので要らんわ」だと。笑
月桂樹の葉は、甘い独特の香りがする。
肉料理の臭みを消すために煮込みスー
プなどに使われますが、街中じゃ意外
と月桂樹を剪定してたら、葉っぱ頂戴
と言ってくる人は少なくないので、知
ってる人は知っている。
さて、庭木の剪定の依頼者の多くは老
人だ。「庭はもう懲り懲り」という声
も聞きますが、その年になるまで気が
付かない方がどうかしてる訳ですが、
庭木なんてものは家を飾るもので、欲
に駆られてあげく意地を張ると碌なこ
とになりません。
西洋趣味で画面一杯のべた塗りの様な
庭にしてはいけない。
何度も言いますが、庭木は考えて植え
ないといけません。
心持ち次第で犬や猫より金も時間もか
からない。家を飾り日を遮り小鳥が寄
り季節季節で変化があります。
ではでは。