ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

園部町に風穴が現存

2021-02-03 | 奇岩
~宍人の『風穴』に街道人はホッと~

-園部町宍人-

本梅川に沿って園部町宍人(ししうど)の集落を訪ねた…。ここに語り継がれてきた『宍人の風穴(ふうけつ・かざあな)』が現存します。
その昔、「旧本梅街道」が本梅川に沿って通り、宍人集落は街道沿いに建っている。街道を行きかう人々は岩の間から、ひんやり涼しい風が流れてくる『宍人の風穴』にホッと一息つけたのでしょう…。
園部町の最西端に胎金寺山(たいこんじやま)があります。その北麓に鎮座する「摩気神社(まけじんじゃ)」(郷十一ヶ村の氏神)は、白河天皇も行幸され延喜式に列せられる社を持つ。
その『摩気神社から天然の涼風が吹き込み、胎金寺山の下をくねくねと曲がり自然のトンネルとなり宍人へと…『冷気は一年を通じて一定の温度を保ち真夏でもひんやりしています』と、地元の古老(二人)は話してくれました。地元では´かざあな´と呼んでいる(確認のため地域の区長宅を訪ねる)。

今、その風穴は本梅川の護岸工事の際、口をふさがずに開口されている。町・地域(区)は大切な文化財の保存を後世へ繫いでいます。川の対岸より確認できますが、直接冷気の体感は…難しい?(写真参照)
風穴の大きさは約タテ1.5m、ヨコ1mの護岸壁で頑丈に造られています。場所は宍人橋より下流100mほどの左、ガードレールの下、四角い穴が開口しています。


(本梅川に架かる宍人橋)


(宍人の集落(区)と胎金山(中央)、田園のどかな風景が一望)

船岡鉱山跡 孔雀石

2020-11-20 | 奇岩
~船岡鉱山跡を訪ねて~
園部町の中世の山城を巡っている途中に寄り道をした。
京都府下唯一の海底火山噴気鉱床が、園部町船岡大和谷に見られます。
中生・古生代の海底火山活動によって形成られたと云われている。
大和谷の源頭付近には江戸時代から明治、大正初期にかけ二次鉱物等を採掘されていたようです。特に明治から大正期は繁栄していた鉱山歴史が残る

さて、大和谷沿いを歩くと…「青緑色(孔雀石)」の石や岩石、「赤白珪石(岩)」等が目につく。
また鉱石を精錬した後に出る金糞・鉱滓(製錬のカス)も見られ、一部、この大和谷で精錬していたことがわかります。
谷を登りきると大小の坑口がポッカリとあいている。ズリ場には孔雀石など鉱物採集可です。地元の小学校では地域を知る授業として鉱物採集もしているようですね。
間歩の上は落葉の雑木林で開けています。

<坑口が五か所あり。前は鉱石のズリ場となっている。…>


<坑道内は危険なため、調査せず。横2メートル、高さ1メートルの坑口、入口には赤白珪石や青緑色(孔雀石)が…>


<珍客に…突然、坑道内からタヌキが姿をだす。坑内で棲みついているようですね>


<孔雀石>


<金糞・鉱滓(製錬のカス)


<赤白珪石、鉄分を多く含んだチャートと、白い石英とが混ざっている珪石。耐火煉瓦の原料に使われます。酸化鉱物の仲間>

大堰川の枕状溶岩

2020-10-28 | 奇岩
大堰川の『緑色岩…枕状溶岩』探し…
園部町船岡に流れる大堰川の川底に露出する岩石を見たく河原に降りる。目的は枕状溶岩の「緑色岩」(変成岩の一種)の写真を撮る為、 以下、地層・岩石を少し紹介しましょう。俗に枕状溶岩と呼ばれ、約三億三五百万年前頃、古生代石炭紀に形成されたものと言われています。
現在の亀岡市や園部町辺りは70万~80万年前は、湖・沼地であった(新修 亀岡市史より)。その後、丹波高地では火山活動が活発になり、山地は隆起する。約40万年以前には大堰川(おおいがわ)は殿田(日吉)から胡麻(日吉)を経て由良川に合流し北流(日本海)していた歴史を持つ。その後、地殻変動が繰り返され分水界(水分・みずわかれ)の争奪が起こり、大堰川や園部川の河川が合流し、桂川と川名を変え南流(太平洋)淀川に合流…そして大阪湾へ流れ込む。

園部盆地・亀岡盆地は、第四紀更新世頃(約260万年前から約1万年前までの期間)に湖・沼に堆積した泥や砂礫層から植物化石が見つかっている。枕状溶岩団塊は、径30~50cmの大きさで発泡するのが特徴です(写真参照)。
緑色岩の枕状溶岩自体はそう珍しいものではないが、きれいな枕状に出会えるのは…少ない。地質、岩石に興味の方にはおすすめポイントです。

<船岡駅前に観光案内地図>
<枕状溶岩の「緑色岩」>
<日吉ダム下流、殿田の河床より上流、枕状溶岩が確認>

篠山街道の奇岩

2018-02-22 | 奇岩

雨乞い水岩

大河内の雨乞い神事
幾日も日照りが続くと谷川も小川も水が枯れてしまいます。田に水を引くことが出来なくなってしまいます。特に「穂孕(ほばらみ)」の時期にみずがなくなると、秋の収穫に大きな打撃を受けます。「困った時の神田頼み」大正13年に神様に慈雨をお願いして「雨乞い」と言う神事を行った。村一番高い天狗岩(700m)の広い頂で、大きな焚火をして慈雨を祈った。
当日は全戸各一人、草刈鎌・鋸等を持ち山仕事の格好で、瑠璃系の鳴瀑に集合した。近くに祀られているお地蔵様の頭を固く縛り、雨を降らせてほしいと願い「叶えてくだされば元にお返します」と唱えながら淵に沈める。そして一行は天狗岩を目差して登る。山頂一帯を広く草を刈り、柴を1000束ほど作る。防火を万全にし、点火をする。天を焦がす勢いで燃え上がる。回りを囲む人たちは「雨をふらしたまわれ」と連呼する。不思議なことに雨乞いの後には、ほどよい雨が降ったという。
*穂孕(ほばらみ):稲などの穂が出る前に,穂を包んでいる茎の部分がふくらむことです。

 ※過去、能勢町の三草山、豊能町の青貝山・鴻応山・高岡山なども雨乞い神事が行われた。