ウロコナイ釣行

ウロコのナイ釣行記。
バイク釣行。

沖0号で釣ってみた

2021-10-22 11:38:35 | タコ
2021.10.16(土)

大洗 大栄丸


東京湾でのうっぷんを晴らすため、タコを求め、大洗までやって来ました。


集合は4:30。

早く着くとバイクでは寒いです。
ギリギリを狙って行くと、最後に余っていた席は左舷2番でした。

先日、東京湾でボウズくらったときと同じ席です。ははははは。

  
左舷は7人。
後ろの4人はグループさんでした。
遅くなった日本の夜明けぜよ。
出港しても、まっ暗け。
もう秋ですね。


「バイクで来たの?寒いっしょ?」とお声がけくださった、気さくな常連Sさんは地元の方で、左どなりの3番です。

背もたれが無い2番ではなく、
背もたれが有る3番に入ったそうです。
さすがは常連ですね、慣れていらっしゃいます。



北東の風が強く、うねりもかなりあり、のろのろ進みます。
ドッタン、ドッタン。上から横から、海水がバッシャバッシャ。
ひょえぇぇ。


スタートフィッシングです。

本日チョイスした竿は半田丸の万能竿、沖0号です。
今日の海のタコにはちょうど良かったかも。


半田丸釣具を初めて訪れた際、店主の伴さんに勧められて購入した、思い入れのある竿です。
2.1mワンピースです。


「中深場用のキンメ竿を探していますが、こちらにちょうどいい竿は有りますか?」

という私の問いに、伴さんの言葉は次のようなかんじでした。


「魚の種類ごとに竿を揃えていたら、メーカーの思うツボです。この竿一本で、60号から350号オモリまで使えます。」

「メーカー表示の、オモリ負荷なんて、デタラメです。」

「150号負荷の竿は、150号以上の負荷をかけると、折れる竿という意味では、目安にはなりますが。」


私に竿を持たせて、
350号オモリをぶら下げ、伴さん、グイグイと下に引っ張ります。
 

「糸と一直線になった竿先は、糸の一部と考えてください。オモリの重さ、魚の重さで、竿の曲がるところが変わり、そこが竿の働きをします。」


「まだまだ曲がります。はい、キンメ、1枚付きました。はい、2枚、3枚、4枚、5枚。」


かなり強くぐいぐい引っ張られ、よろけました。


「ちゃんと持っていてください。この竿は、まだまだ余裕があります。」

「メーカーは、わざと折れる竿を作ります。なぜだか分かりますか?」

「折れれば新しい竿を買ってもらえるからです。」

「毎年、色を変えただけで、新開発と偽り、売りさばくのが、この業界です。」
 
「釣り具業界の会合で、『どうしてそんなインチキな竿を作るのだ?』と言ったら、干されて、嫌がらせを受け、仕入れが出来なくなりました。」

「しょうがないので、材料から研究し、仕入れルートを作り、竿の型を作り、絶対に折れない竿を作ったんです。干されたから、この竿が誕生したんです。」




初対面の私を相手に話しはまだまだ続きました。


漁師だった頃のエピソードや、


釣り雑誌や広辞苑から頼まれて、釣り用語の監修をしている話しや、


現在、誤用されている釣り用語を憂いている話し。


漫画『美味しんぼ』の間違いを指摘したら、漫画ファンとの間で論争に発展した話し。


超ビッグな客とのエピソードなど。


すっかり、私の方が釣り上げられてしまいました。


このあと、


新しい釣りがしたくなるたびに訪れ、相談し、

「すでにお持ちの竿で十分です。買う必要ありません。」

とか言われて、買わないことの方が多かったです。

計6本買いました。


廃業されたのが残念でなりません。
息子さんに漆塗りを修行させていると言ってましたので、

継ぐものだとばかり思っていました。


話しがそれました。



そうそう、なんで半田丸沖0号にしたかというくだりでした。



釣行前日、茨城のエギタコ釣りの動画を見ていました。

外海での釣りなので、うねりが高く、ザッブンザッブンした中で釣っている動画でした。


ハッとしました。
 
1.5mのイカ竿を玄関に出し、準備OKでしたが、

1.5mの、こん棒のように硬い竿ではきびしくないだろうか?


海底からエギを離しちゃダメな釣りなのに…

外海はうねり、キツイんだぜ。

ていうか明日、海が悪そうなんだけど…


イカ竿→半田丸沖0号にチェンジしました。長めの2.1mですし、胴から良くしなり、

うねりを吸収するはず。



小突きより海底キープを重視するぞ。



はい。

予想どおり、いや、それ以上に、うねりがありました。


海底からエギが離れぬよう、大きく竿を上下させました。

忙しく上下させているので、小突けるタイミングは短いです。


小突くにしても竿が柔らかいので、ブンブン、グワングワン、大きめに揺すらないと、エギが動かない気がします。


また、


少し離れたところのタコにも気付いて欲しいので、

空合わせするときは大きく竿を持ち上げることを心掛けました。



横流しするので、水深30mですが、60m位はすぐに糸が出ていきます。


空合わせするたびにクラッチを切って糸を送り続けるかんじです。


立ってられないレベルの揺れですから、疲れます。

そして果たして、こんなんで釣れるのかいな?

ぬーん。

1杯目。

おチビちゃんが釣れました。つい先日、ボウズだったので、チビでも嬉しい。


豚肉を巻きましたが、
ビロビロとズレるので、すぐに撤収しました。不器用な男です。


残りの豚肉は、ギャラリーのカモメさん達に投げました。

どうぞ食べてください。 



な、なんと、


左舷では私だけが釣れています。
しかも、3連荘で釣れました。

他はまだ誰も釣っていません。



1人だけ3連荘は、さすがに、ただの偶然とは思えません。



海底をしっかりキープできているからかな。

エギをしっかり動かせているからかな。

よし。今日は手が合っているぞ。


エギの針は大きい針に取り替えています。


東京湾ではまったく効果のほどが知れませんでしたが、改造エギ、ばっちりgoodでした。


なぜかって、


1回も巻きバレしなかったからです。

1回もですよ。


周りは2~3回に1回位は巻きバレしていたようですから。


それと、


電動リールも巻きバレ防止に役立った気がします。

テンション緩めず、
速攻で上げられますので。




もう、今日は幸せ。
 

左どなりの常連Sさんが絡んできて、笑わせてくれます。


曰く、

「もうそれ以上、釣らないで。追いつけなくなる。」

寝てていいから、休んでて。」

タコ、居なくなるから、もうやめて。」



まるで、旧知の友と釣りしている気分です。

あぁ楽し。笑いながら釣りしたのは久しぶりでした。



ところで、Sさんは独特な釣り方をします。

基本は手釣り。
竿も使います。

「エギ手釣り釣法」とでも言えばいいのかな。

 
小突きがタコに止められるまでは手釣り。

タコに止められたら、竿に持ち替え、たるんだPEラインを勢いよくリールで巻いて、


PEラインのたるみが無くなったら、下から上に、竿で豪快な合わせ。カッコいい。

いや〜器用ですよ。
楽しそう。


大栄丸でもう1人、同じ釣り方をする常連さんがいるそうです。


手だとタコのシグナルが、良く伝わるのかも知れませんね。


私なんて、シグナルなんて知ったこっちゃありません。空合わせするばかりですから。
 
だんだん疲れてきました。

クラッチを切ったり戻したり、
竿を上げたり下ろしたり。

うねる海で立ち続けるのはスクワットし続けるのとおなじ。すでに太ももプルプル。

まぁ釣れたし、余裕こいちゃいますか。

座ったまんま、クラッチ切ったまんま糸を送り出し、親指で止めてからの空合わせ。

編み出した、横着釣法です。

ですが、この横着釣法では1杯も釣れませんでした。

なんでだろ。

朝イチは調子の良かった私ですが、どんどん失速していきました。

頭の中はクエスチョンマークだらけでした。

が、しばらくして後、

釣れていた時の、朝の釣り方に戻してみました。

立ち上がって、クラッチ、カチャカチャ。竿は大きく上げ下げします。

さて、

スクワット釣法にした途端、すぐにタコが乗りました。

乗りましたというより、
乗りやがりました。

そうですか、そうですか、
休むなっていうことか。

思うに、

立っていた方が、空合わせする時、下から上まで大きく竿を振れる分、アピール効果が高いのか。

座って、クラッチ切ったまんまだと、エギは同じ場所に置きっぱなし。

広くタコのテリトリー探しが出来ていなかったのか。

立って空合わせすれば、エギは飛び上がりつつ、大きく移動するのでしょう。

さて、
 
船内状況はというと、左舷後ろの4人組が特に苦戦しているようです。

後半に入ろうかという頃にまだ、4人で2杯くらいでした。

Sさんがトイレがてら、船内を調べてきました。

釣れているのは前の方だけ。
現在、私がトップ。

右のミヨシ氏が1杯差で、2位につけているそうです。

むむむ。

普段はしない、緊張をしました。
どうせなら、竿頭で逃げ切りたいぞ。

どうなったかと言うと、

14杯で並ばれたあと、
15杯目を釣って逃げ切りに成功しました。
 
最後の15杯目は、今日の最大サイズで、重かったです。

電動リールが頑張っているあいだ、竿を支えているのがやっと。

タモ取りしてもらいました。

暴れるデカタコ、怖っ。
貼り付きまくります。

腕に、

太ももに、

バケツに、

そしてまた腕に、貼り付きます。力、ハンパないっす。

はっきり言って、怖い。

首根っこ引っ張っても無理。足、1本ずつなら剥がせますので、ベリベリ、ベリベリベリベリのくり返し。

悪戦苦闘の末、やっとこ洗濯ネットに収まった頃、終了の笛の音(大栄丸は体育教師みたいな笛を吹きます。)

タコが怖かったのと、剥がすのに疲れたのとで、腕も身体も震えてました。我ながら、ひ弱すぎる。

最後のタコの写真を撮る勇気なんてありません。洗濯ネットごと、パチリです。開けるもんかっ。
 
次、チャック開けるのは、氷で凍え死んで頂いた後です。

船長に念を押されました。

「15杯ね。今日トップだから。オレ忘れちゃうから、後でうちのカアちゃんに、15杯っていうのと、名前、言ってね。」

わーい。竿頭認定されました。

大洗港のちょいと沖に、ドドーンと長い沖堤防があります。なんとなく眺めていましたら、タイミング良く、Sさんが解説してくれました。

「ここ、良く釣れるんだよ。伊勢エビが釣れるよ。でも、震災後は渡船やってないんだよね。」

10年以上経ちましたが、津波を恐れ、客が来ないのか。または、釣り禁止になったのか。理由まではSさんも知らないそうです。

「大洗、けっこう、被害大きかったんですよね。」と、会話をつなぐ私。

「大栄丸は震災のとき、船長どこかに出かけていて、沖に船を出せなくて、テトラの間に突き刺さっていたんだよ。後で、引き抜いたけど。」

「えっ、この船ですか?」

「そう。となりの大洗丸は堤防に打ち上げられて、ゴロンと横になっていたよ。」

「えっ…」

「ここらの船は沖で3日間、避難したんだよ。1日1回、1隻が沖から全速力で港に戻って、全員分のおにぎり取って、また、全速力で沖に逃げたんだ。」

「…」

怖かっただろうな…

帰港し、カアちゃんこと、奥さまに15杯ってことと、名前を伝えました。

ところが釣果欄は、

竿頭18杯、2番16杯、3番15杯。
全体で、7~18杯。

オイオイ。盛ってるじゃん。

竿頭が18ってのもアレですが、スソが7ってのはいくらなんでもな。

ま、なんていうか、なんだかな。
ま、いいや。

今日の仕掛け。

仕掛けのロストは無しでした。
根がかりすらしませんでした。

後半、調子に乗ってスッテを1本追加し、4本付けにしました。

道具のおかげでたくさん釣れて、となりにも恵まれ楽しい釣りができました。