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【日本の疲弊-49】 2022-9-19時点の為替レートは1$143円 18か月経過して155円---円安加速の理由は?

2021年04月11日 | 日本の経済

【2024-5-7追記】

図-1に於いて円安(1$=143円@2022-9月)の理由は日米の金利差と言った。それから約1年半後の現在(2024-5月)は1$=154円である(図-A参照)。

この理由について多くの評論家は以下述べている 
  ・予想していなかった 
  ・理由が分からない 
  ・日本の国力低下だろう(貿易収支赤字)

しかしながら図-Cからは貿易収支赤字が円安の原因だとは言えないことがわかる。図-Bの日米金利差の推移を見ると、明らかに円安は金利差の広がりであると言える。 
  ・日本の金利は低い(ゼロ金利) 
  ・アメリカの金利は高い($建定期預金金利は5%超)
    ⇒アメリカの債務残高(財政赤字)は365兆円@2022:日本は50兆円 
    ⇒これは景気過熱を意味する(インフレ率8%)⇒日本の高度経済成長時期と同じ
    ⇒FRB(連邦準備制度理事会:米の中央銀行)は利上げ
  ・従って円売り、ドル買い 
  ・ゆえに円安が進行する 
   
  ・アメリカの物価は上昇してインフレだ!というが給料も見なくてはいけない 
    大卒平均年収中央値は606万円:日本の約2.5倍 
    平均年収1300万円      :日本の約3.0倍
    ⇒米は著しく成長している 

日銀植田総裁の弁(対策)
  ・金利を大幅に引き上げると談話 :2016年のマイナス金利政策の緩和

鈴木財務大臣の弁(対策)
  ・為替介入@金融対策決定会合
   ⇒外国為替売買のことを意味する
   ⇒円安防止のために円を買うことであるが、アメリカの承認が必要
   ⇒アメリカはこれを嫌う---承認しない
 
素人でも判断できる対策
  ・日米金利差を最小にすることが必要
   ⇒その為にはアメリカを見習って、景気が悪い時は赤字国債出動を行う(米:300兆/年 日本:50兆/年)
   ⇒そして可処分所得を増やす(使える金を増やす) 
   ⇒景気が良くなれば物価は上昇する(給料も同時に上がる)
   ⇒そのためには金融資本主義(配当金のみが上昇する)は見直す必要がある
   ⇒海外金融資本が日本に介入するのを制限する法律必要
  ・現在の日本は上記の逆政策を行っている
   ⇒増税      (消費税、復興税、国防費税、ガソリン税・・・) 
   ⇒緊縮財政    (プライマリーバランス黒字化、設備・人・物への投資削減)
   ⇒海外金融資本歓迎(法改正で海外優遇)
   ⇒財政破綻論   (財務省は借金による破綻を吹聴)
   

2024-5-7 $為替レートの推移(5年表示)

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2023-1-13 $為替レート

ユーロもポンドも円とほぼ同じ傾向

2022-11以降は円高

 

図-2 からわかるように世界の金利は上昇している。つまり成長(アメリカの場合は3%)している。ところが日本は金利上昇無し。一方、 図-1 によると1年前は1$=110円程度であったが、現在は143円となっている(円安)これは輸出企業にとっては大きなメリット。しかし外国人にとっては日本の株式はお買い得(→日経平均株価上昇)。

図-1と図-2には明らかに相関関係がある。つまり、円安143円の原因は、アメリカの成長(3%)と日本の成長(0.2%)の金利差によるもの。アメリカの金利が上昇したのは財政拡大を行ったからである。日本はデフレ脱却のための財政拡大をしないので(緊縮政策)利上げできない。 

一方、コストプッシュ型インフレによる輸入物価上昇により国民の所得は実質上減。これの対策は消費税廃止、ガソリン税廃止なでにより国民の可処分所得の低下を防ぐことにある(短期財政政策)。ところが、一部の経済学者はコロナ給付金等で財政出動し過ぎたから、円安になっている・・・と言う。緊縮財政派の学者であるが、言ってることが間違い。何故なら日本とは桁違いに財政出動したアメリカは経済成長してドル高なのである。こんな簡単な矛盾に気づかないのである。

以上のことよりも問題であるのは、緊縮財政が継続されて利上げがなされた場合のことにある。益々国民は貧困化し、ファンド(ゴールドマンサックスのような外国資本)だけが儲かるという結果となる。これはまさに日本が外国に食い荒らされることに他ならない。

 

図-1 最近1年間の為替レートの変化

 

図-2 最近1年間の長期金利の変化

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