○色彩俳句007・金01・加藤楸邨
○「かなしめば鵙金色の日を負ひ来」(加藤楸邨01)
○季語(鵙・秋)金 Gold FFD700●■▲
【鑑賞】:とりあげる色彩は「金」。金色から光沢を除けば黄色や山吹色に近くなるということです。一文字で「きん」。「金色」との表記では「きんいろ」か「こんじき」。このあたり、日本語は難解です。あることに悲しんでいると、鵙(百舌鳥)が淡い褐色を帯びながら飛んできて木にとまりました。キーイッ、キーイッと過ぎ去った金色の日々を背負っているように鋭い声で鳴いています。
○加藤楸邨(かとうしゅうそん)(1905~1993)
○好きな一句「鰯雲ひとに告ぐべきことならず」02
○季語(鰯雲・秋)
【Profile】:1931年、→水原秋櫻子の「馬酔木」に投句。1939年、第1句集「寒雷」を刊行。翌年俳誌「寒雷」創刊、主宰となる。第9句集「まぼろしの鹿」で第2回蛇笏賞、第11句集「怒濤」で第2回詩歌文学館賞。ほかに第1回現代俳句大賞、紫綬褒章、朝日賞受賞。「加藤楸邨全集」(全14巻)がある。
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加藤楸邨掲載句
03顔いたきまで悴みて鉄を打つ(悴む・冬)〈五感・痛覚〉2010/11/29
04さえざえと雪後の天の怒濤かな(雪・冬)〈次元・天〉2011/2/20
05隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな(木の芽・春)〈次元・周囲〉2011/4/17
06何かわが急ぎゐたりき顔さむく(寒い・冬)〈方法・不明〉2011/12/29
07十二月八日の霜の屋根幾万(十二月・冬)〈特集・家屋・屋根〉2012/12/7
08靴の中に幾万の足秋の暮(秋の暮れ)〈五体・足〉2013/11/12
09掌に重く有明色の春の鮒(春の鮒)〈五体・掌〉2017/2/7
10原爆忌ごぼりごぼりと泉の穂(原爆忌・初秋)〈方法・オノマトペ〉2018/8/9
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