●方法俳句407・同質回帰27・阿部筲人1・2018-11-29(木)
○「山茶花の散るや己の影の中」阿部筲人1)
○季語(山茶花・初冬)(→「大井恒行の日日彼是」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:山茶花の咲いている地上には、ほぼ確実散った花弁がある。「己の影」とは山茶花の垣根の影でもあるが、山茶花そのものの実存の陰影かも知れない。東京都千代田区神田明神に句碑。
●阿部筲人(あべしょうじん)(1900~1968)
○好きな一句「枯並木蒼天の北何もあらぬ」2
○季語(枯並木・三冬)(→「増殖する俳句歳時記」より引用)
【Profile】:東京都出身。1927年京大経済学部卒。三省堂に勤め、後に製作部長、東京書籍役員などをつとめる。そのかたわら「初雁」に加わり、また「俳苑叢刊」を企画。戦後は新俳句人連盟に参加し、1952年「好日」を創刊して主宰し、1957年「戦前戦後」を刊行。
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■Pickup「同質回帰・因果」と「己」6句(20181129)
01「己が火を逃れんとして螢飛ぶ」(山田みづえ)(『手甲』1982)(螢・仲夏)(方法俳句44同質因果3)
02「冬の川己にひびき流れをり」(辻恵美子)(冬の川・三冬)(『鵜の唄』1996)(方法俳句62同質回帰5)
03「行く水におのが影追ふ蜻蛉かな」(加賀千代女)(蜻蛉・三秋)(『千代尼句集』)(方法俳句191同質因果18)
04「みづからの花影のうちを枝垂れけり」(島谷征良)(花・晩春)(方法俳句222同質因22)
05「水仙たえず己れにかえる影の上」(宇井十間)(水仙・初冬)(方法俳句253同質回帰27)
06「山茶花の散るや己の影の中」(阿部筲人)↑
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