○次元俳句001・背後01(空間)・尾崎放哉
○「墓のうらに廻る」(『大空』1926)(尾崎放哉01)
○季語(無季)
【鑑賞】:有名な自由律の俳人の句です。墓の表に参ったのでしょうが、何かの理由で作者は墓の裏へ廻ったのです。死者を葬っている墓は、表よりもむしろ裏のほうが濃くこの世に面しているのかも知れません。作者が墓を見た「次元」こそが、この作者のものを見る「次元」につながっているような気がします。
○尾崎放哉(おざきほうさい)(1885~1926)
○好きな一句:「咳をしても一人」(『大空』1926)02
○季語(無季)
【Profile】:自由律俳人。鳥取県生まれ。一高から東大法科へ。東洋生命保険会社入社、契約課長、朝鮮火災海上保険会社創立にあたり支配人となって赴任、在職1年で辞職。満州を転々とし病気で帰国。晩年寺男をしながら、短律の俳句に独自の句境を生む。小豆島南郷庵で病死。句集に「大空」がある。
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尾崎放哉掲載句
03障子あけて置く海も暮れきる(無季)〈次元16・日暮れ1(時間)〉 2010/11/7
04爪切つたゆびが十本ある(『大空』1926)(無季)〈五体30・指2〉 2011/2/15
05こんなよい月を一人で見て寝る(『大空』1926)(月・三秋)〈技法60・自由律6〉2011/11/4
06足のうら洗へばしろくなる(『大空』1926)(無季)〈五体146・足裏3〉2013/10/29
07海がよく凪いで居る村の呉服屋(『大空』1926)(無季)〈特集656・商店俳句2-10呉服屋〉2024/7/12
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