●方法俳句005・音の物質化01・中村草田男
目に見えない抽象物を、俳句はときどき物質化したりします。俳句は「眼前」の具象物を好む文芸ですが、「光」や「音」や「声」なども、あえて物質化したりします。それが「物質化」という方法です。ほとほと俳句とはおそろしいものです。ひぐらしの鳴き声さえ、鋭利な突起物として林立させてしまうのです。
○「会へば兄弟(はらから)ひぐらしの声林立す」(→中村草田男03)
季語(ひぐらし・秋)
遠い所にいる兄も、久しぶりに会えば兄弟にもどります。おりしも蜩の声が聞こえてきます。
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