私は6年前に、歯肉癌(口腔癌)を患いました。
幸い早期発見で、放射線と抗がん剤での治療により完治して、定期検診も6ヶ月に一度となり、癌という言葉も忘れそうになるくらいになりました。
当時、自分が癌に気づくきっかけとなったのは、ある方の体験記を綴ったホームページを見て自分の症状と酷似していることに気がついたからでした。
そのことを思い出して、自分の体験も誰かのためにならないかなと思い、発見当時の写真と、当時のメモを紹介したいと思います。
--歯肉癌を診断されるまで--
【誤った診断で半年間の放置】
2004.04頃
右奥の上親知らずの横に血の塊みたいなものに気がついた。
気がついたと言うより、その時は、かなりの大きさになっていたから、もっと以前に発生していたのに、痛みもなかったせいで「何かな~?」ぐらいに感じていたのを、急に気になりだした時だと思う。
2004.05
毎月歯の掃除をお願いしている行きつけの歯医者で(知り合いが務めている関係で少し遠いが家族全員でかかっている。)奥歯と親知らずの間に炎症があり、そのための出血が固まっていると診断された。
2004.06.12
前回から1ヶ月後の診察、レントゲンを撮った。
診断は相変わらず歯肉炎による出血だった。
⇒血の塊は腐ってよけい炎症を起すから歯ブラシを強く当てて血を出してその後に歯周病の薬を塗りこんでおくよう指導された。
今まで以上に強く当てて、塊を潰す勢いで歯ブラシを当て続けた。
⇒結果的にはとんでもないことをやっていたのである。癌を刺激し続け、増大する手助けをしていた ことが一番悔やまれる。
2004.07.29
人間ドックに行った。
歯医者の検診もあったので、気になっているところを見てもらった。
危険なものではないと思うが、潰瘍のようなものだからレントゲン、組織検査を行きつけの歯医者さんで実施してもらうよう指導された。(この頃から急に大きくなってきたと思う)
2004.08.04
行きつけの歯医者さんで人間ドックで言われたことを伝えて診察を受けた。
急に大きくなったことを告げたが、レントゲンを撮ったが以前と変わらない状態であり、表面がきれいだし悪いものではない。
やはり、炎症により毛細血管が過敏になって増大しているように見える。炎症を抑える薬を注射して様子を見ると診断 2週間後に再度診察の予約をした。 以前と同じ歯周病の塗り薬をくれた。
少し歯医者の診断に不安を覚えたが、悪いものでないことに関しては、自分もそう思いたいこともあって思いなおしたり、不安に襲われたりの繰り返しの日々であった。
2004.08.05
仕事中に、口の中を舌で触ったとこを大きくなった感じがあり、突然不安に襲われた。
2004.08.09
扁桃腺炎もあって、のどを何回も見ていて、やはり不安になってインターネットで「肉腫」をキーに検索をしてみた。
一覧の中に「口腔癌の体験記」のタイトルが目に入った。早速そのサイトに行くと看護婦さんでもあり、口腔癌の体験者でもある方の闘病記録が掲載されていた。
「奥歯の親知らずの付近」「表面がきれいだから良性と思った」その二つの記述で一瞬、目の前が真っ暗となり、「きっとこれだ!」と動揺に手が震えた。
いてもたっても居られなくなりパソコンから離れ部屋をうろついて考えた。「どうしよう!」
考えていても仕方がないので、とにかくちゃんとした所で診てもらおうと気持ちを落ち着かせ大学病院の口腔外科へ行くことにした。
2004.08.10
大学病院で診察を受けた。
「腫瘍ですね」「但し悪性か良性は組織を採取して病理検査をしてみないと判らないので検査をしましょう」とのことだった。
2日前に高熱を出したことと現在が風邪薬をのんでいることを告げたところ。麻酔をしたりするので、今日はやめときましょうということになり13日(金)に検査のための予約をした。
2004.08.13
腫瘍の組織採取をした。麻酔の注射をした後、組織を採取し、採ったものを私に見せてくれた。
結果は1週間かかるから、1週間後の8月20日に結果を聞くための予約
採取した後は血がほんの少しづつだけどなかなかとまらなかった。
2004.08.18
年老いた母から着替えの手助けをするよう頼まれたため、手伝おうとかがみかけた瞬間に腰に電気が走って、痛みで起き上がれない状態となってしまった。
ぎっくり腰というやつだ(心も体もぼろぼろだ)
【更に追い討ちの出来事】
近くの整形外科でレントゲンを撮ったところ、先生が「エレキバン」か何か貼っています?」 ・・・?
なんと、おなかあたりに大豆ぐらい影が幾つか写っていた。
整形外科の先生は、何か石のようなものだと言ってくれたが、私はもうだめだと思ってしまった。
・・・・・・「転移している!」
・・・・・「多分、腸に転移してしまったんだ~」
初めて死を強く意識した。
(後に検査の結果、影はなくなっていて、結局原因がよくわからない影ということになってしまった。 考えられる原因としては、2週間前の人間ドックでのバリュウムが残っていた?・・・・)
2004.08.20・・・・運命の日
組織検査の結果は残念ながら、「悪性」という宣告だった。
1週間の不安な毎日が現実のものとなって私に襲い掛かってきた。
転移の検査をすることになり、私としては一刻でも早く対処をしたいので、その旨をお願いした。
結果的にはMRIの予約が一杯で26日(木)に入院することになった。
腰のレントゲン写真の影について聞いてみたが、癌の影ではないだろうと言われた。
転移は最初首の「リンパ腺」に行ってその後「肺」へ転移するとのことで「早期だと思いますよ」と慰められたが、不安が少なくなるわけでもなかった。
妻には携帯メールで知らせた。たまたま今日は仕事で近くにいたので途中退席で病院へ来てくれた。当然、凄いショックだったようだ。
2004.08.22
転移の不安に慄きながらいる。 昨日の昼ごろからあくびをすると首のリンパ腺が少し痛い。
転移は間違いなさそうだ。痛みは少しづつ増してきている気がする。
26日を待っていられない気になってきた、腫瘍も大きくなってきている、進行がものすごく早いように思えて、不安で眠れない。(結果的に必要以上に心配しすぎただけである)
2004.08.24
かなり大きくなってきているのが良くわかるようになって来た。 心配だったので電話で「とりあえずの治療はできないのですか?」と伝えたところ、今日来てください抗がん剤を投与しましょう
と言ってくれたので、早速、病院へ行って、抗がん剤を点滴で受けた。
(先生は動揺している私を落ち着かせるために、副作用の少ない抗がん剤を、とりあえず投与してくれたんだと思う。)
幸い早期発見で、放射線と抗がん剤での治療により完治して、定期検診も6ヶ月に一度となり、癌という言葉も忘れそうになるくらいになりました。
当時、自分が癌に気づくきっかけとなったのは、ある方の体験記を綴ったホームページを見て自分の症状と酷似していることに気がついたからでした。
そのことを思い出して、自分の体験も誰かのためにならないかなと思い、発見当時の写真と、当時のメモを紹介したいと思います。
--歯肉癌を診断されるまで--
【誤った診断で半年間の放置】
2004.04頃
右奥の上親知らずの横に血の塊みたいなものに気がついた。
気がついたと言うより、その時は、かなりの大きさになっていたから、もっと以前に発生していたのに、痛みもなかったせいで「何かな~?」ぐらいに感じていたのを、急に気になりだした時だと思う。
2004.05
毎月歯の掃除をお願いしている行きつけの歯医者で(知り合いが務めている関係で少し遠いが家族全員でかかっている。)奥歯と親知らずの間に炎症があり、そのための出血が固まっていると診断された。
2004.06.12
前回から1ヶ月後の診察、レントゲンを撮った。
診断は相変わらず歯肉炎による出血だった。
⇒血の塊は腐ってよけい炎症を起すから歯ブラシを強く当てて血を出してその後に歯周病の薬を塗りこんでおくよう指導された。
今まで以上に強く当てて、塊を潰す勢いで歯ブラシを当て続けた。
⇒結果的にはとんでもないことをやっていたのである。癌を刺激し続け、増大する手助けをしていた ことが一番悔やまれる。
2004.07.29
人間ドックに行った。
歯医者の検診もあったので、気になっているところを見てもらった。
危険なものではないと思うが、潰瘍のようなものだからレントゲン、組織検査を行きつけの歯医者さんで実施してもらうよう指導された。(この頃から急に大きくなってきたと思う)
2004.08.04
行きつけの歯医者さんで人間ドックで言われたことを伝えて診察を受けた。
急に大きくなったことを告げたが、レントゲンを撮ったが以前と変わらない状態であり、表面がきれいだし悪いものではない。
やはり、炎症により毛細血管が過敏になって増大しているように見える。炎症を抑える薬を注射して様子を見ると診断 2週間後に再度診察の予約をした。 以前と同じ歯周病の塗り薬をくれた。
少し歯医者の診断に不安を覚えたが、悪いものでないことに関しては、自分もそう思いたいこともあって思いなおしたり、不安に襲われたりの繰り返しの日々であった。
2004.08.05
仕事中に、口の中を舌で触ったとこを大きくなった感じがあり、突然不安に襲われた。
2004.08.09
扁桃腺炎もあって、のどを何回も見ていて、やはり不安になってインターネットで「肉腫」をキーに検索をしてみた。
一覧の中に「口腔癌の体験記」のタイトルが目に入った。早速そのサイトに行くと看護婦さんでもあり、口腔癌の体験者でもある方の闘病記録が掲載されていた。
「奥歯の親知らずの付近」「表面がきれいだから良性と思った」その二つの記述で一瞬、目の前が真っ暗となり、「きっとこれだ!」と動揺に手が震えた。
いてもたっても居られなくなりパソコンから離れ部屋をうろついて考えた。「どうしよう!」
考えていても仕方がないので、とにかくちゃんとした所で診てもらおうと気持ちを落ち着かせ大学病院の口腔外科へ行くことにした。
2004.08.10
大学病院で診察を受けた。
「腫瘍ですね」「但し悪性か良性は組織を採取して病理検査をしてみないと判らないので検査をしましょう」とのことだった。
2日前に高熱を出したことと現在が風邪薬をのんでいることを告げたところ。麻酔をしたりするので、今日はやめときましょうということになり13日(金)に検査のための予約をした。
2004.08.13
腫瘍の組織採取をした。麻酔の注射をした後、組織を採取し、採ったものを私に見せてくれた。
結果は1週間かかるから、1週間後の8月20日に結果を聞くための予約
採取した後は血がほんの少しづつだけどなかなかとまらなかった。
2004.08.18
年老いた母から着替えの手助けをするよう頼まれたため、手伝おうとかがみかけた瞬間に腰に電気が走って、痛みで起き上がれない状態となってしまった。
ぎっくり腰というやつだ(心も体もぼろぼろだ)
【更に追い討ちの出来事】
近くの整形外科でレントゲンを撮ったところ、先生が「エレキバン」か何か貼っています?」 ・・・?
なんと、おなかあたりに大豆ぐらい影が幾つか写っていた。
整形外科の先生は、何か石のようなものだと言ってくれたが、私はもうだめだと思ってしまった。
・・・・・・「転移している!」
・・・・・「多分、腸に転移してしまったんだ~」
初めて死を強く意識した。
(後に検査の結果、影はなくなっていて、結局原因がよくわからない影ということになってしまった。 考えられる原因としては、2週間前の人間ドックでのバリュウムが残っていた?・・・・)
2004.08.20・・・・運命の日
組織検査の結果は残念ながら、「悪性」という宣告だった。
1週間の不安な毎日が現実のものとなって私に襲い掛かってきた。
転移の検査をすることになり、私としては一刻でも早く対処をしたいので、その旨をお願いした。
結果的にはMRIの予約が一杯で26日(木)に入院することになった。
腰のレントゲン写真の影について聞いてみたが、癌の影ではないだろうと言われた。
転移は最初首の「リンパ腺」に行ってその後「肺」へ転移するとのことで「早期だと思いますよ」と慰められたが、不安が少なくなるわけでもなかった。
妻には携帯メールで知らせた。たまたま今日は仕事で近くにいたので途中退席で病院へ来てくれた。当然、凄いショックだったようだ。
2004.08.22
転移の不安に慄きながらいる。 昨日の昼ごろからあくびをすると首のリンパ腺が少し痛い。
転移は間違いなさそうだ。痛みは少しづつ増してきている気がする。
26日を待っていられない気になってきた、腫瘍も大きくなってきている、進行がものすごく早いように思えて、不安で眠れない。(結果的に必要以上に心配しすぎただけである)
2004.08.24
かなり大きくなってきているのが良くわかるようになって来た。 心配だったので電話で「とりあえずの治療はできないのですか?」と伝えたところ、今日来てください抗がん剤を投与しましょう
と言ってくれたので、早速、病院へ行って、抗がん剤を点滴で受けた。
(先生は動揺している私を落ち着かせるために、副作用の少ない抗がん剤を、とりあえず投与してくれたんだと思う。)