歳を取るほどに、自分がいかに知らないかということがよくわかるようになる。よく知らない人、無知な人ほど自信に満ちた話し方をするように思われる。人は世界について知り尽くすことなどできないのだから、世界に対する認識には常に誤りが含まれている。だから、間違いは間違いとして認め、常に謙虚であると同時に、より知識を深めるように努力してゆきたいものである。 . . . 本文を読む
「人工知能を最初に作って、ゲーム世界にポンと置いても全然動いてくれない。なぜなら何のこだわりもないので。つまり、なぜ自分がここにいるのみたいな、お腹も空かないし、痛みもないし、ただのポリゴンの塊だし、何とか仮想世界で欲求を持って動いてほしいわけです。」 . . . 本文を読む
最近「親ガチャ」という言葉をよく聞くようになった。どんな親のもとに生まれるかを選ぶことができないにもかかわらず、どんな親のもとに生まれたかで人生が決まってしまうという意味である。いまの世界において、これは認めざるを得ない事実である。だからと言ってあきらめるしかないのであれば、不幸な星のもとに生まれた99パーセントの人々にとってこの世界は地獄でしかない。しかし、人類は少しずつ、その99パーセントの人々が生きる意味を持つ世界に変えられてきている。その99パーセントの中にいる人々によって。 . . . 本文を読む
堀川恵子の『暁の宇品』――陸軍船舶司令官たちのヒロシマ――という本を読んだ。いままで知らなかったことをいろいろ教えられた。また、先の戦争について、そしていまの政治について、いろいろと考えらせられることがあった。 . . . 本文を読む
総理大臣が平気で嘘をつき続ける、人種差別などのヘイト行為がまかり通る、まさに倫理や道徳に反することをしている人たちが道徳教育の強化をすすめる、いったい倫理、道徳とは何なのだろう。少し考えてみた。 . . . 本文を読む
<西方/西洋は西ヨーロッパではない。西ヨーロッパは辺境であった><政府は軍事力であり、社会の外に存するもの><社会と中世イスラーム国家のあいだに構築された壁、侵略戦争、奴隷兵士><●価格はアラーの意志によって決まる。価格を上げ下げするのはアラーなのである。――預言者ムハンマドのものとされている言葉
●共同出資者の取り分は、商業的投機における出資の割合によらねばならない。――イスラームの戒律><国家の介入への拒否感、神の見えざる手>
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特に安倍政権になって以降、政治の劣化が激しい。いまの政権およびその擁護者と、それを批判する人たちのやり取りを見て、「どっちもどっち」と評する人がいる。本当にそうなのか、考えてみた。 . . . 本文を読む
「新型コロナウイルスについて、専門家でもないヤツがあれこれ言うべきではない」と言う人がいるようだが、専門家でもまだよくわかっていないらしい現状では、非専門家もそれぞれ私見を持って生活してゆく必要があると思う。 . . . 本文を読む
ラクンショウの森(新宿御苑)
このほど、黒川検事長が賭け麻雀で辞任して退職し、検察官の定年延長法案は廃案となり、この問題はもう過去のことになりつつある。しかし、菅官房長官は記者会見で「さまざまな意見があったことを踏まえ、再提出に向けて検討していきたい」と言っている。つまり、これで終わったわけではない。したがって、この問題について考えることは無駄ではないと思う。
この法案の要旨はつぎの通り。
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「枢軸時代」という呼称は、ドイツの実存主義哲学者カール・ヤスパースが唱えたものである。グレーバーは、これら二つを組み合わせた方が有益であるように思うとして、前800年から後600年と定義する。すると枢軸時代は、ピタゴラス、ブッダ、孔子といった世界の主要な哲学的潮流が誕生したのみならず、ゾロアスター教、預言者的ユダヤ教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教、儒教、道教、キリスト教、そしてイスラーム教という、今日の主要な宗教すべての誕生を目の当たりにした時代となる。地域を隔てて互いの存在すら知らなかったのに、ギリシア、インド、中国において、競合しあう知的学派どうしの議論が突如開花をみた時代である。ここから、なぜこのようなことが起きたのか?という疑問が生まれる。 . . . 本文を読む
「この世界は個々の人の意思とは関係なく動いてゆくものであり、総理大臣にしたって誰がなっても同じようなものだ。アベはなるべくして総理大臣になったのであり、トランプもしかり。時代の要請に過ぎない」と言う人がいた。たしかにそうかもしれない。酒を飲みながらの話でもあって、その人の言っていたことを誤解して受け取ったのかもしれないが、心の中に引っかかっていたし、「なるようにしかならない」というよく聞く話にも通じるので、ここでは一般論として改めて考えて見たい。 . . . 本文を読む