明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

KKTバンテリンレディース二日目

2018-04-14 21:30:00 | スポーツ・ゴルフ
KTTバンテリンはツアー7試合目の熊本空港カントリークラブで行われている。今年はアン・ソンジュと鈴木愛が早くも2勝を上げていて、こりゃ賞金女王争いも早めに決まるんじゃないか、とすら思えた展開だがそれにしても例年の上位陣がこれまでは不調である。キム・ハヌルは64位、イ・ミニョンは53位、テレサ・ルーは36位、日本勢も上田桃子53位、木戸愛46位、笠りつ子30位と全然ダメである。初日にトップだった葭葉ルミは11位タイと落っこってしまった。飛ばせばいい飛距離バカから今年は脱却したかと思ったのだが、「マネジメント」も「100ヤード以内の技術」もイマイチでよろしく無い。上位でフィニッシュしている選手の名前は、去年とはだいぶ違ってきた印象である。

1位タイには成田美寿々・土田沙弥香・藤田さいき、1打差の4位タイグループに三浦桃香・権藤可恋と、新人3人が入っている。三浦は6バーディ1ボギーの67でまわり初日の2オーバーから一気に優勝を狙える位置にジャンプアップした。鈴木愛は絶好調が持続している感じだったがショットが乱れて、9番ホールで右の林の外の「カート道路」の際に打ち込み、球が動いてペナルティの可能性もあったが救済処置で何とか切り抜けた。と思ったらリカバリーショットが今度は左の隣のコースまで飛んでしまい、そこからバンカーに打ち込んで2パットのボギー、全体的に「どうもうまくいかない」感じでやっと耐えている様子である。

この熊本空港カントリーコースは去年も4アンダーで優勝(西山ゆかりと上田桃子のプレーオフ)という難しいコース、CSで選手たちのプレーを見ている限りでは「そんな風には見えない」のだ。どこがそんなに難しいのだろう。ツアー屈指のプレーヤーが軒並みイーブンパーから105位の竹村真琴の23オーバーまで「惨憺たる有様」だ。アマチュアじゃないんだから、23オーバーはないだろうに。95といえば普通に出るスコアである。勿論プロの試合だからセッティングは厳しくなっているとは思うが、距離は1番ホールで370ヤードで、ティーショットの落ちどころは球が弾んで「グリーン手前50ヤード」まで転がるから「楽々バーディ」かと思いきや「そうでもない」のである。右のマウンドを超えたらO・Bだが、ここに打ち込む選手が意外と多い。渡邉彩香なぞはスプーンで打ってるにも関わらず「2発」も打ち込んで、見るも痛々しいほどガックシの表情がテレビの画面に映っていた。私は何とも思わなかったが、ファンには耐えられない姿であろう。

ちなみに予選落ちしそうな選手をあげると順位が上から、東浩子・森田遥・上田桃子・イミニョン・渡邉彩香・青木瀬令奈・宮里美香・キム・ハヌル・アンシネ・李知姫・藤田光里・諸見里しのぶ・若林舞衣子・松森彩夏・横峯さくら・穴井詩・服部真夕・堀琴音と、そうそうたるメンバーである。飛ばし屋もいるが曲がらない選手もいて「向き不向き」の結果でもない。単純にコースが「難しすぎる」のである。上位にきてる選手はボギーも出るがバーディも取ってなんとかこらえている。スコアが悪い選手は「どどどど」っとボギーがでてしまい、気持ちも萎えてそのままズルズルと下がっていって「もうどうにでもなれ」的な投げやりなラウンドになったと私は推測する。上位の選手にもダブルボギーが見られるが、連続してボギーを出してはいない。そして必ずバーディで取り返している。というか、取り返せた選手が残って「またボギーを打って、取り返せずに沈みっぱなし」の選手が予選カットになったわけである。勝負の世界だからしょうがないのだが、それにしても「ひどい」ではないか。

彼女らはプロである。アマチュアの我々からすれば、毎回ナイスショットするだけでなく距離も出るし正確に打つ「とっても上手い」人達だ。その中でも優勝経験もある上田桃子や宮里美香のような選手が5つも6つもオーバーするような(横峯は8、穴井は9オーバー)コースセッティングというのは、どうなんだろうと思う。そりゃ難しくするのは簡単だろう。O・B連発の1番ホールでも「右側がマウンドを超えると」O・Bなのだが、そのマウンドがもう「画面の右半分を覆っている」のである。で、左はどうかと言うと、ラフに転がったボールの2打目は「木がスタイミー」になっていて「グリーンを狙うことが出来ない」ようになっている。当然真ん中を狙うしかないわけだが「その真ん中が恐ろしく狭い」のである。ゴルフ練習場でいうと150ヤード先のポールとポールの間の「半分」に、毎回当たるぐらいの精度が必要だ。ダスティン・ジョンソンの430ヤードショットの精度は「ポールそのものに毎回当てる」ことが求められるレベルだがそれは無理として、今回のツアーの求められる精度は「女子選手のレベルを超えている」と言えるのである。

理想を言えば、半分の選手がパーオンし、4分の1がバーディを狙って10分の1が成功する、そんな感じが良いと思う。アマチュアが行くコースには少ないが、2打目をグリーンに落としても全部奥へ転がって出てしまうとか、カップが山のてっぺんに切ってあって「パットがみんなカップの手前で曲ってしまう」とか、ティーショットの落としどころがフェアウェーが斜めになっていて全部転がって池に入ってしまうとか、ツアーには実に嫌なコース作りが多いのである。おまけに風とか雨とか、自然の影響も防ぎようがない。我々アマチュアの「気分のいいゴルフコース」とは、
1 ティーショットはマネジメント力を試されるから、ベストな落とし所が「右バンカーの左」という風に狭められている。が、外せば絶対だめかと言うと「なんとかグリーン脇には打てる」程度になっている。
2 グリーンは気持ちよく乗せたいので、大きく止まりやすい。しかしティーショットでマネジメントを失敗した場合は「バンカーや池越え」の難しいショットを要求される。が、無理にバーディを取りに行かなければパーかボギーで上がれる。
3 パットを打つが「アンジュレーションがほどほど」で、曲がり幅を読みきれないと「惜しい」となってしまう。が、3パットをするほどではない。
これが面白くて気持ちの良いコースの条件である。難しけりゃ良いというものでは「さらさらない」のだ(声を大にして言いたい)。最近は飛距離の差が激しいので飛ぶ人はそれなりの「トラップ」が仕掛けられているが、これは正当なハンディキャップだから大いにトラップをかけて「若い人も老人も平等に戦う」ようにすべきである。

これと逆なのがアマチュアの下手な所をカバーしないコースで
1 折角素晴らしいティーショットを打っても「木の真後ろ」に行くように「フェアウェーの真ん中に」でかい木が生えている。それを避けるとボールは無情にもスライスやフックになって林の中に消えていく、である。
2 砲台グリーンの端のほうにカップが切ってあって、はずすとバンカーや池が待っていて「怖くて狙えない」。では真ん中を狙うと「跳ねて奥のバンカー」に落ちる。一体どうすりゃいいんだ!
3 グリーンのスピードが恐ろしく早かったり、坂の途中にカップが切ってあったり、とてもアマチュアのレベルを超えている。3パット連発では楽しいはずがないではないか。
といった「げんなりする」コースの事である。これは我々は勿論だが、プロでも「アンダーパーが数人」というような試合がいくつかあるのは「意図がわからない」。針の穴を通すようなショットをして「やっとバーディトライできる」ようなセッティングでは、ファンに喜ばれる試合中継は出来ないと思うのだ。オーガスタで毎年繰り広げられるマスターズは、最終日にジョーダン・スピースの驚異的な追い上げとリッキー・ファウラーの気迫のショットで大いに盛り上がった。才能ある選手がビッグスコアを出してトップの選手を追い詰める、これがPGAツアーの魅力である。そういう「手に汗握る」試合を毎週見せるためには、「選手のレベルに合った」コースセッティングが不可欠だ。

明日は最終日だから白熱した試合がみたいと思うけど、いつまでも「若い可愛い娘チャンがミニスカートで」というコンセプトでは、ゴルフファンが「認知症の老人ばかり」ということに成りかねないのである。そろそろ本物のスポーツとしてのゴルフを考えなければ、ゴルフの未来は無いのではなかろうか。ゴルフコースも未だに「ゴルフマナーとかドレスコード」とか言っているようでは心もとない。ちょっと前の組が詰まっていると「えらい勢いで罵っている」人がいるが、ゆっくりプレーするというのも「ゴルフにとって大事なこと」である。私がコースデビューしたころは、1ラウンド走りっぱなしだったような気がするが、これは間違いである。いまはカートがあるのでそれほど走ることはないが、「ルーティンを守ってちゃんと打つ」ことをするだけで、4人いれば相当時間はかかるのである。それよりは、手順を間違えて「ボールとカートを往復する」ほうが時間はロスする。アマチュアは「ゴルフ初心者もいればシングルもいる」のだから、そこは我慢しなければいけないだろう。

話が横道にそれてしまったが、女子ゴルフもスーパースターを待っている。ドーンと飛ばして小技も上手く、バーディ量産するような魅力ある選手が出てきてくれると「盛り上がる」こと間違いないのではないだろうか。私はテレビの解説陣にも「もっと技術的な」話をしてもらうことで、ファンの興味を引きつけることが出来ると思っている。しゃべりの苦手な「選手として成績を残した大御所」を選ぶのではなく、アマチュアを教えるティーチングプロの「技術的解説」を実戦付きで説明する、というような企画も面白いと思うのだ。さしずめ「YouTubeでお馴染みの三觜さん」なんか良いと思うけど、どうだろう。ティーショットを打ったプロのスイングを「スロー再生で解説」なんてのは最高だと思うけど、やってくれないかな〜。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿