松山がまた優勝した！

いよいよ松山のポテンシャルが、世界の認めるレベルに達していると証明された。今期のフェデックスランキングも、また一位になってオーガスタへの弾みが付いた。今までの日本人選手の特徴として「飛距離が出ない」というのがあった。それが日本のツアーで勝ててるので、海外のツアーへも出場する権利が出てくるのだが、技術がどうのこうの言っても結局シード権も取れずにすごすご帰ってくるのが当たり前になっているとこに、松山のような３００ヤード以上飛ばせる「アメリカでも普通に飛ぶ」選手が出てきた。ここ数試合での活躍を見て、ようやく他の選手もショットの精度を認めてきたらしく、ジョーダン•スピースなんかも「いつ勝ってもおかしくない要注意選手」と最大級の評価を出している。

私の見た所、強みは平均的なショットの安定性である。ドライバーが好調でフェアウェイ・キープ率が高く、ライの良い所から打てるのでボギーが少なく、ショットでバーディーが高い確率で取れる確実なゴルフである。飛距離は飛び抜けて飛ばす訳ではないと思ってたが現在のドライビング•ディスタンスは５７位である。ダスティン•ジョンソンとかマキロイとかジェイソン•デイとかはもちろん、ジャスティン•トーマスやトニー•フィナウなど、平均で３００ヤードを超す選手がうようよいるのに結果を出しているのはショットを修正する能力だ。松山がそれらの選手と決定的に違う点は、スイングを指導する専任コーチがいなくて、全部自分一人でスイングを作り上げてるという点だ。ここが他の選手より試合中の修正力が飛び抜けて高い理由である。自分で作っているから悪いところも原因がすぐわかる、それが強みである。

後はメジャーをいつとるかだが、今年はマスターズは無理かも知れない。初日にトップに立った今回でも、３日目には順位を落とし、随分差が出来て最終日を迎えなければならなかった。４日間競技の男子ツアーでは、好調を続けるのも難しい。それに唯一の弱点であるパターの調子如何では、オーガスタの高速グリーンではベストテンに入るのも困難になる。私の予想ではマキロイとジャスティン•ローズとそれにジャスティン•トーマスが優勝候補だ。松山はデイやワトソンらと同じく４位タイというところで、来年以降にお預けになると思う。オーガスタで優勝するには力や技術というのは勿論だが、神がかったショット•奇跡のようなパッティングの連発が必要だと思うが如何であろう。今回は、松山にそれが訪れることを期待するとしよう。