雲一つない晴天の中、11年振りという記録的な優勝を目指し「金クミ劇場」が始まった!
私は途中でテレビが不調になり、肝心の終盤をライブで見ることが出来なかったのは残念だったが、最終ホールのサードショットを打ったあたりで奇跡的に回復し、しっかりと最後のウィニングパットを入れる姿まで、何とか見れたのは良かった。全体にスコアが伸びない展開で緊張感が高まる中、17番で金田が素晴らしいショットを放ってバーディを取り、追ってくる川崎との差を少し広げられたのが大きかったようだ。優勝争いの中で、2打差で最終18番を迎えられるのは大きい。
最終ホールはパー5で、川崎はセカンドをイーグルチャンスに付け、僅かに望みを繋いでいた。もしプレーオフになり、川崎が逆転優勝ならルーキーイヤーで3勝。しかも2週連続というおまけ付きの快挙である。しかし観客の殆どは金田久美子の奇跡的な優勝を待ち望んでいるに違いない。そんな状況に置かれたルーキーの心理はどうなのか?
しかし観客の気持ちを知ってか知らずか、川崎は笑みを浮かべて無常にもイーグルパットを沈めて見せた・・・と書いたら、余りにも川崎が冷酷無比な女に見えたであろう。実際は大きく左に曲がるパットを果敢に攻めて惜しくも外し、結果は大オーバーして返しも入らずパーだった。ヒヤヒヤの「金クミ」ファンは、ホッと胸をなでおろしただろう。
最終組のもう一人、川岸史果はバーディパットを入れて3位Tに滑り込み、来年のシード権争いで俄然有利に立った。代わりに落っこちそうなのが「河本結」だから、私としてはこのあたり何とも気が気じゃない。シード権確定まで、実質「あと2試合」の勝負。こうなったら伊藤園とエリエールは、過酷なシード権争いで「殴り合い」になりそうで怖い。・・・まあ、殴り合いというのはオーバーだが、瀬戸際にいる選手同士のシードをかけた真剣勝負が見られるのは間違いがなさそうである(河本結がんばれ!)。
試合は金田久美子がバーディーパットを外して「最後はバーディでかっこ良く決めたかったのにぃ〜」と言わんばかりの、ちょっと恥ずかしそうな笑顔で余裕のパーパットを沈め、18ホールの長い息詰まる緊張に終止符を打った。優勝の瞬間はベテランらしく控えめなものだったが、11年もの長い間の苦労がフラッシュバックするかのように、最後は涙が止まらなかったようである。
今回は渋野日向子の凱旋出場もあって、観客動員数が半端なく多かったそうだ。渋野日向子は最初、予選を通るかどうかというスコアでファンを心配させたが、最後はバーディを連発し、この日のベストスコアで堂々トップ10に食い込んだのは流石である。畑岡奈紗もコーチをキャディにしてスイング改善に取り組んでいる割には、随所に世界ランカーの片鱗を見せてファンを喜ばせてくれたようである。
しかし渋野や畑岡も「金田久美子の人生劇場」の前に、すっかり脇役に退いて存在が霞んでしまった。金田は川崎春花というルーキーの「世間の荒波」に翻弄されながら、その苦しさをひたすらに耐えて耐え、人生のいくつもの浮き沈みを乗り越えた後、やっと17番で渾身の1打をピン側30cm に付けて勝利を確実なものにしたのである。そう、彼女にようやく「千載一遇のチャンス」が目の前に来ているのだ!。ここでバーディとして川崎との差を「2」に広げた。そして迎えた最終18番の3打目を、目が覚めるようなスーパーショットでピン1mに付けた時、果たして金田の脳裏にどんな想いが浮かんでいたのだろうか。
優勝の瞬間、スポーツ観戦での「久し振りの感動」の波が、周りを取り囲む大観衆を揺り動かしている。ある者は精一杯の拍手で優勝をねぎらい、またある者はハンカチを出してそっと涙を拭いていた(そんな筈、ないだろう!)。こんな清々しい優勝シーンが、女子ツアーで過去にあっただろうか?。万感の想いをを胸に秘め、涙を滲ませながら一つ一つ慎重に言葉を選んで優勝の喜びを語る彼女の姿には、人生の総てを包み込んでとうとうやり切った「穏やかな達成感」を感じることが出来たのである。
金クミ、ほんとうに優勝おめでとう!
以前友人のSN氏から聞いた話だが、トーナメント中継を奥さんと居間でテレビを見ていた時、たまたま画面に映った金田久美子の姿に驚いた奥さんの言った言葉が「何なのこの子は!」だったとのこと(オーマイガッ!)。今じゃ考えられないが、昔は金田久美子も過激なファッションで会場を湧かせていた時があったのだ。その金田久美子が、11年のブランクを経て再び優勝のスポットライトを浴び、落ち着いた表情で自身の思いを語っているのである。金クミは、ゴルフのスコアだけじゃない「素晴らしい生き方」を教えてくれた、そんな気がする「記憶に残る」感動の一日だった・・・。
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おまけ:戸張捷が何ともウザい
今週の三菱電機レディスでちょっと気になったことがあったので書いて見た。それはテレビ放送の中で、パットを外す選手が続出する難しいホールがあり、戸張捷が「あそこは左に曲がるように見えるんですよ」と軽く言ったことである。解説の茂木宏美も「右にマウンドが見えるので、選手はそう読むんですね」と相槌を打った。しかしこれは「解説者」として如何なものかと言いたい。
戸張は何かと上から目線で、さも偉そうに解説するのが鼻につくから私は嫌いである(一個人の感想です)。私のゴルフ仲間ではテレビで最も出てきて欲しくないタレントNo.1であるが、今回もポイントのズレた必要ないトークを散々撒き散らして、真摯なゴルフファンの大顰蹙を買っていた(と私は思う)。
この、パターのラインを多くの選手が読み違える問題でも、我々見ているファンが知りたいのは「左に曲がると読んだのに、実際は真っ直ぐ」転がったのは「何故なのか?」という点である。
それを「そう見えるんです」で簡単に片付けでしまった所に、戸張のゴルフの知識が「素人に毛が生えたレベル」でしかない、という証拠なのだ。大体、見たラインと実際のラインが違うのでは、「ラインを読む」意味がないのである。これじゃ試合にならないではないか。
そこで私は、傾斜以外にもしかしたら「芝目の影響」があるのかと思った。だが、何人もの選手が「同じように読み違える」のだから、芝目と言う事は考えにくい(芝目は当然、読んでいる筈)。では選手がラインを読み違えた原因に、他に何が考えられるのか?。これを解説しないで「何を解説という」のか、である。
私は、このホールは真っ直ぐ転がるラインなのだが、実は選手の立つ位置によって実際と違って「左傾斜に見えてしまう」、そういう特殊なホールなのだと解釈した。
例えれば下り坂を下りていると、先の平らな道が「登りに見える」事がある。これは「目の錯覚」である。選手がパットする場所が元々緩やかに右に傾斜しているとしたら、当然だがカップの傾斜は真っ直ぐでも、見た目には「左傾斜に見える」のじゃないか?と考えたわけである。
一見尤もらしく聞こえる説だが、クラブを手に持って垂直に垂らしてみれば誰でもすぐ分かる事なので、これが原因ではないと分かる。
勿論、そんな簡単には解決する事ではないとは思うが、戸張はツアーで「カップ位置を決める役目」もしているそうなので、仕事上のスキルとして「本当の理由(見えたのと違う曲がり方をする理由)」が分かっていなくてはならない筈なのだ。戸張や茂木には「それを解説してもらいたい」のである。それが出来ないのであれば、つまらないオッサンの「素人レベル」のご高説を後生大事に拝聴する義理は、我々真摯なゴルフファンには全く無い!、と声を大にして言いたい。
とにかく戸張捷がしゃしゃり出てくるとテレビがつまらなくなるから、少なくとも我々の前には出さないで貰いたい(パチパチパチ!)。とにかく彼の落ち着き払った声を聴くたびに、せっかくのトーナメントの興奮が「ダダ下がり」してしまうのだ。選手のプレーをただああだこうだと批評するだけで、戦っている選手の考えやワクワク・ドキドキ感が一向に伝わってこない。
我々テレビでしか試合を見られないファンは、出来るだけ会場の「盛り上がり」を直に感じたいのである。それを伝えられないのであれば、もうテレビでは必要ないと思う。・・・これ一応は、私の個人的意見でした。
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