明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

考えられなくなったら一巻の終わり(25)日本は追い込まれつつある?(その2)処理水放出と外交問題・・・後編

2023-08-29 12:01:00 | 今日の話題

問題点:原発処理水の海洋放出でアジア各国が日本を閉め出しにかかる!

ここからは私の「勝手な妄想」の範囲だが、中国と香港などが日本産食材の輸入禁止・制限を行うと発表した事には「裏がある」んじゃないか?、と思っている。EUはこのところ段階的に禁輸措置を解除して来たらしいが今回の海洋放出でどうなるか?、こちらも先行きは不透明だ(なお、アメリカは今の所容認のようである)。日本の水産物の輸出量で言うならば1位と2位(と何処かの記事で読んだような・・・これも調べて下さい)の中国と香港が禁輸したことで、直接影響を受ける輸出・生産業者は「存続の危機」に立たされている状況だ。政府はこの事態を予測していたのかどうか分からないが、円安の影響に更なる打撃を受けるのは必至である(想定外という意見もあったとか・・・)。

何故中国と香港が急に態度を硬化したのかと言えば、それは政府・官邸の根回しが「全然足りてなかった」としか言いようがない。実は岸田政権は国内でも漁業関係者の理解を得る為の話し合いをしていると言いながらそこにあんまり「誠意」が感じられなかったり、科学的な充分な説明や具体的な風評被害対策が不足だったりと、処理水の廃棄に関して「コミュニケーションを取って行こう」という気が「なさそう?」に見えるのだ。つまり、政府と官邸に根強く蔓延っている「関係者を蚊帳の外に置く」上から目線と相互理解無視による独裁体質が、海外に対しても「モロに出た」と言えるのじゃないか?、そう思えてならないのである。2011年の事故発生当時から海外特にアジア圏の各国と密にコミュニケーションを取っていれば、今回のような「全面禁輸」という事態には至ってないんじゃないかと思うと、返す返すも残念でならない。

と、ここまではありきたりの反省行動だが、果たして「コミュニケーション不足」で決着させて良いものだろうか?。そこで浮上してくるのが「中国、ひいてはアジア各国の事情」である。敗戦後一転して機械製品の製造大国に転進した日本は、それらを輸出することで伸びて来た。古くは朝鮮戦争の特需に始まり、船舶・鉄鋼などの大物からテレビ・冷蔵庫といった白物家電で市場を席巻し、バブルの頃には金融業でも世界にその名を轟かせるまでになった。それが最近はどんどん他国に追い上げられて、世界で上位に残っている企業はトヨタ位という始末である。家電は勿論のこと、半導体から化粧品まで「アジアの同胞」に席を譲らざるを得ない状況だ。日本はどこまで落ちるのか。

日本はアジア圏の所謂「後進国」から見れば、その輸出力は長い間「羨望の的」であった。ようやく近年「中国にGDPで抜かれ」てしまったが、アジア唯一の「G7メンバーとしての格」は今でも健在である。そして今、力を入れているのが「隅々まで清潔・平和で安全・親切丁寧」という日本民族の昔からの特質と、「美食・健康・低価格」という食のバラエティと安心感である。当然、歴史とグルメに支えられた日本独自の文化を引っ提げてフランスやイタリアにも匹敵する「観光立国」を目指し、現在鋭意猛進中なのだ。日本、頑張れ!

つまり日本は今や「成熟した国家」として、「世界の中心の一角」を担う重要な国になりつつあるのだ。ところがところが、その日本の「足元を掬おう」と虎視眈々と狙っているのが「中国・インドなどの大国及び、インドネシアを筆頭とするASEAN各国(及び韓国)」である。日本の頭を叩くにはどうすべきか?と悩みに悩んでいる時に原発処理水の海洋放出という、文句をつけるのには「絶好の事件」をやらかしてくれたのが何を隠そう「当の相手の日本」なのだから小躍りするのも無理は無い。「このチャンスを逃してはならないぞ!」とばかりに日本の水産物さらには「食材すべてが汚染されている」かのようなバッシングを始めたわけだ。

日本の食べ物は「あぶない!」というのが合言葉となり、アジアの食卓から一瞬にして「日本の美味しい魚」が消えてしまう日がついにやってきたのだ。これが裏返せばアジア各国の「物産の進出」を強力に後押ししているというのは火を見るより明らかである。これは太平洋戦争で壊滅的打撃を受けた日本が、降って湧いた朝鮮動乱で急激に潤った事例と「全く同じ構図」であることに気が付かなければいけない。やられたな・・・である。

こういう「政治的なせめぎ合い」をアジア諸国間で必死に戦っているにも拘らず、能天気に「IAEAが良いって言ってるんだから大丈夫なんだよ」と勝手に放出しちゃった日本政府・官邸と自民党は、もはや外交音痴を通り越して「裸の王様」になっていると言えなくもない。もはや日本が「アジアの中でも」凋落の一途を辿るのは時間の問題じゃなかろうか、ああアーメン!

もし私の推測が当たっているとすれば、科学的な説明の衆知や風評被害をなくすパフォーマンスといった「遅ればせの秘策」も、全く効果は無いだろう。万事休す。もはや残された道は核のゴミ=デブリと心中するしかないのであーる(チャンチャン!)

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以上が後編で書く予定の記事であった。だがここで「一連の処理水容認」に関する私の意見と、引用したニュースソースを否定するような新しい記事を見つけてしまったのだ!。しかも調べれば調べるほど疑問は「続々と」出て来るのである。一体どうなってるんだろねぇ、この処理水問題。闇が深いとはこの事である。

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ニュースによれば廃炉に進む道が開けたと西村産業大臣は言ったそうだが、原子炉の底にあるという「880トンという巨大なデブリ=核燃料の塊」は、未だに「その姿さえ確認できていない」んじゃないんだっけ?(これも正確なところは調べて下さい)。まだ放射能を撒き散らしている「本家本元のデブリそのもの」が見えてもいないのに廃炉などという言葉を使うのは「100年早い!」って突っ込まれるのが落ちだ。実際のところどうしたものか「未だに思案の糸口も掴めていない」というのが現状である。つまり廃炉なんてちゃんちゃら可笑しくって「馬鹿にしてんのか!」ってレベルなのだ。

しかも処理水に関しても私が勢い込んで前編で書き散らしたような「安全」なものじゃなくて、その安全には「大きな疑問」のある事が分かって来たのである。例えば・・・

① 放射能物質はトリチウムだけじゃない

アルプス処理水はクリーンだと言うが、今話題のトリチウム「以外にも」放射能を出している「核種」が多量に含まれているそうだ。これではマスコミが「トリチウム放出」と騒いで如何にもトリチウムだけの問題のように思ってしまうが、実は正確な内容が伝わらず「誤解を招く言い方」になっている。処理水は実は「放射能物質は完全には取り切れていない」というのが正しい説明の仕方だ。

② 冷却水と処理水の違い

世界中の原発でも同じようにトリチウムを捨てているから日本と変わらないじゃないかと政府はいうが、各国で捨てているのは「被膜で覆った核燃料を外側から冷やした冷却水」であり、日本のように「核燃料と直接触れた処理水」では無い。つまり世界で捨てているのは「最初から最後までクリーンな冷却水」だが、日本の処理水は「機械で綺麗にした汚水」という括りで「別物」である。要するに日本は世界で唯一「核物質に直接触れた危険な水を海洋放出した国」になったわけだ。

③ 処理水と健康被害

当然ながら処理水をいくら濾過・純化しても核種が残る。その「処理水の核種」が人間の体内に入ったまま何十年も残り続けて結果どうなるか?という調査は、まだ「誰も行っていない」のだ。だから日本の公務員が政府の発表を信用して「処理水の濾過した飲用水を飲んで見せる」というパフォーマンスは、現実には「無謀」でしかない。科学的な安全が確認されたわけでは「全然ない」のである。

④ コミュニケーション不足

政府や東電は色んな思惑があってデータを発表しているから、純粋な科学的見地から言うと「発表していないこと」もあるんじゃないか?と思えてならない。この不信感が岸田首相と政府・官邸の「聞かない力」と一緒くたになった時、何だか良く分からなにけど「信用出来ないから反対」という態度になる。確かに政府のやり方は国民無視の「独断専行」である。この体質、生まれ持ってのものなんだろうねぇ。

⑤ 海洋放出以外の方法

政府は処理水の海洋放出に拘りIAEAの権威を持ち出してまでその正当性を発表して、何とかちょびっとではあるが捨てることが出来た。だが考えてみると何も今すぐ海に捨てなくても「方法はある」のだ。例えば「もう土地が一杯になるから」と言うけど買収して空き地を増やせば、何年でも貯蔵することは不可能ではない。または中国が提唱するように「蒸発させて空中に放出」とか、あるいはコンクリのような特殊な物質で固めて「どんどん積み上げる」方法だってあるわけだ。まだまだ考える余地は充分ある。なのに政府は海洋放出の「一点張り」なのだ、変じゃないか?

もっと技術者や専門家を交えた議論を活発にして色んな可能性を図るのが科学的なアプローチである。それをやらずに海洋放出に拘ると言うのは「何か意図があるんじゃないの?」と勘繰られてもしかたが無いではないか。処理水を貯めておく施設が一杯だから云々という枝葉末節な理由だけで海洋放出を正当化しようという態度が信用出来ないのである。もっと真剣に「安全な道を探る」べきでは?

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ざっと考えても以上のように議論百出である。こういう状況でいきなり海洋放出という「暴挙」に出た日本。その放出決定の根拠となった「安全な水」という言葉に、「まだ賛同していない国」もあるとニュースは伝えている。日本はこれからでも遅くは無いから、それぞれの疑問に「真摯に対応して」誠意を示してゆくことが、アジア圏各国での理解を得る唯一の方法であると私は思う。今回はネガティブな面ばかりが目立ってしまった。岸田首相の「聞く力」という言葉はもう死語になって久しいが、ここで今一度「各国の声に真剣に向き合う」時が来ている、と感じる今日この頃である。私の杞憂が「正夢」とならなければ良いのだが・・・。



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