最近読んだ本を、2冊ご紹介しますね。
暴力は絶対だめ!
暴力は絶対だめ!
アストリッド・リンドグレーン 作
石井登志子 訳
(岩波書店 2015年)
リンドグレーンの作品が好きなことは、前からしばしば言ってますが、数年前に、この本が出されていたのは、つい最近、「絵本ナビ」というサイトの記事で知りました。
これは、1978年10月に、リンドグレーンが、ドイツ書店協会平和賞を受賞した際に、彼女がスピーチしたものです。今から、40年以上前のスピーチですが、まったく古びていないな、と感じました。(もっとも、こういう時代に、暴力はだめ!という本をご紹介するのは、むなしさも感じるのですが…)
このスピーチは、もちろん平和を訴える内容ではありますが、政治的見解を述べたものではなく、子どもの置かれている状況を考察し、子どもたちが愛情深く育てられることがいかに大事か、ということを訴えているものです。
自分が小学生のとき、リンドグレーンの思想などは考えずに、ただただおもしろくて読んでいましたが、この歳になって、リンドグレーンの考えを知り、子どもを子どもらしく、生き生きと描くのが得意なリンドグレーンが、いかに子どもたちに愛情深かったかがわかり、なるほどなあ、と思いました。
子どもの心の育てかた
佐々木正美 著
(河出書房新社 2016年)
2冊目も、子どもの育て方に関する本です。
自分の子どもたちの子育てでは、いちいち育児書なぞ読まずに、やってましたが、保育の仕事に携わったときに、ひとさまのお子さんを預かるのに悩む場面もあって、数年前に入手したものです。なかなか読めなくて、最近やっと読みおわりました。
いろいろなるほど、と思うことがでていましたが、子どもの要求を受け入れ、愛情深く育てることは、間違いではなかったということに、納得させられました。
特に、自分のとこの次女なんか、ちょっと甘やかしすぎたかな、なんて思うこともあったのですが、あれでよかったかな、愛情たっぷりだったもんな、と思い返しています。
「子どもの言うことを、じゅうぶんに聞いてください。子どもののぞむことを、惜しみなく与えてください。それだけで子どもの心は育ちます。子どもたちの心を、豊かに、大きく、あたたかく育てていくことが、子どもたちの未来を育てることになるのです。(あとがきより引用)」