株式会社わざケア代表取締役 訪問看護ステーションわざケア作業療法士の渡部達也です。
厚労省の事業の「介護ロボットニーズ・シーズ連携協調協議会」に関わらせてもらって3年目となりました。
「現場の声を開発側へ」その橋渡しをOTが行っているわけですが、良いものが売れる業界ではなく、介護ロボット普及には越えなければならない壁があるなあと感じます。
まず介護ロボットは結構開発されてます。
ただ介護現場で導入しようと思うと、「ここがこうだったら・・・」ってなることが多くて、何とかなりませんか?と聞いても「仕様ですから・・・」と改修できないことが多く、結局導入しないことが多いような気がします。
ですので、細やかな改修というか改良を加えてもらえる柔軟性がメーカーさんにあるうれしいですね。「ここがこうだったら・・・」と言っても「あー何とかなりますよ」くらいの言葉が返ってると、それだけで導入しやすくなるのかなと思います。
あと、私が現場と経営側どちらの立場でもあるので分かるんですが、「現場が欲しい!」って思うのと、「経営側が買ってあげる」というものに差はあります。
ですので現場と経営側の両方が欲しいと思わせる「何か」をコンセプトに入れないと、導入に至りづらいかもしれません。
例えばロボットではありませんが、経営側が良かれと思ってコロナ対策でフェイスシードを職員に買ったとしても、職員側は暑苦しいからマスクで十分!と使ってもらえない・・・。そんな感覚のズレがあるんです。
最近だと業務改善のロボットが増えてきたように思えますが、業務改善するために入れたロボットを使いこなすのに業務負担が増えて、その業務負担に耐えられない!ってなっている職場も多いと思います。
3年前に訪問看護のソフトを変えたんですが、準備含めて2,3か月はかかりました。スタッフがなれるのも2,3か月はかかったかと思います。
ですので今「うちの訪問看護のソフト、安くて使いやすくて良いですよ!」と営業に来ても、あの大変さを思い出してしまうと、積極的にソフトを変えようとは思わないんですよね。
また導入したけど結局ホコリをかぶっている、使っていない。そんなロボットも多いんじゃないでしょうか。
介護人材不足の時代。これからは介護ロボットは必須の時代です。
せっかく介護ロボットの事業に関わらせてもらっているので、より良いものを提案出来たらなあと改めて思っています。
ありがとうございました。