野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

和泉葛城山のブナ

2023-09-18 | 野生生物を調査研究する会の紹介

和泉葛城山のブナ

 

「生きている大和川」では金剛山のブナ林を取り上げたが、和泉葛城山にもブナが残っている。

大和川の調査のときには、9月に和泉葛城山のブナも観察している。

 

毎年実をつける樹木もあるなかで、ブナは10数年に一度という間隔で実をつけます。

つけるときは大量にできるので、虫などにたべられても生き残ることができるようになっています。

生き残った実でも、ササの生い茂った場所に落ちるので、発芽して大きな木になるのは大変な確率になります。

和泉葛城山ブナ林は、1923年(大正12年)に国の天然記念物に指定され、今年(2023年)に指定100周年になります。

現在ブナ林の保護と増殖のため、コアゾーンとバッハゾーンに保全場所での計画的な育成をおこなっています。

 


今日の滋賀県「海津」のサクラ

2023-04-09 | 野生生物を調査研究する会の紹介

ナチュラリストクラブ 2023年度

第1回 「海津大崎の桜を見ながらハイキング」報告

 

海津大崎は、琵琶湖八景「暁霧・海津大崎の岩礁」としても知られる景勝地です。今回は「日本のさくら名所100選」にも選ばれている海津大崎の桜を見に行きます。

★ 日   時  : 4月9日(日) 10:00~15:00

★ 集合場所 : JR湖西線マキノ駅 10:00

★ 持 ち 物  : 弁当・水筒・その他必要なもの

 

Jrのマキノ駅の到着が9時27分だったので、十分余裕でみなさん集合

日曜日 マキノ駅は6つぐらいの大小の団体でごった返していました。

さて今日のサクラは

先月、下見のころの写真とくらべてみていただくと、桜は残念でしたが 

成果はナチュラリストクラブのホームページで(報告は来週初めになると思います)

https://barmam.sakura.ne.jp/naturalist/


ひとはくキャラバン 2002年

2023-03-22 | 野生生物を調査研究する会の紹介

ひとはくキャラバン 2002年

宝塚大橋での水辺の生き物観察会

ひとはくキャラバンとは

「人と自然の博物館では、兵庫の自然・環境・文化のすばらしさを一人でも多くの方と共有し次世代に伝えてゆきたいと考え、平成14年(2002年)度から「ひとはくキャラバン」として、多彩なメニューを用意し、事業を展開しています。

 「ひとはくキャラバン」では、研究員が県下各地に出張し、展示活動やセミナー、リサーチプロジェクトなどのプログラムを通じて、各地の県民やNPO、行政などが取り組む、地域の自然・環境・文化についての学習や活動をサポートします。

 ご参加くださったみなさまから、新しい"ひょうごの自然・環境・文化"が発信され、ひょうごに住む一人ひとりにそのすばらしさが伝わるような、そんな「ひとはくキャラバン」の活動にご期待ください。

 日頃お付き合いさせて頂いている他の施設や博物館のフェスティバルにもお邪魔します。是非遊びに来てくださいね!

 また、さまざま施設やイベントの出動も可能です!お気軽にお問合せください!」

https://www.hitohaku.jp/relation/caravan.html  より

このシートは宝塚市市役所前の武庫川でおこなった水辺の観察会のシートです。

宝塚大橋の下の川原で観察会を行いました。

この様子は ケーブルテレビでもとりあげてもらい、放送後もよい反応をいただきました。


しだれウメ150本が見ごろをむかえる 京都城南宮

2023-03-04 | 野生生物を調査研究する会の紹介

古都に春の訪れを告げる城南宮(京都市伏見区)の「「しだれ梅と椿まつり」が今開催中。

境内に植えられた約150本の梅があり、降り注ぐように咲く姿は圧巻。

甘い香りに包まれて、参拝者らは春の彩りを眺めたり、写真撮影で春を楽しんでいた。

見ごろは今月下旬ごろまでとか

ツバキ150種400本の見頃はもう少し先のようでした。

拝観は午前9時~午後4時半(最終受け付けは4時)。拝観料800円(おとな)が必要。

問い合わせは城南宮(075・623・0846)。


2022年の里山活動

2023-02-23 | 野生生物を調査研究する会の紹介

2022年は作業日は雨が多くて例年の半分ほどしか作業ができませんでした。

ネザサの多いところ、常緑の低木の多いところとありますが、作業地を4年計画で、順番にかっていきますので、4年後は侵入できるように道づくりから始めるポイントも多いです。

1月

今年初めての里山作業です。いつもの位置からの写真は、先月とほとんど変わらず。

作業は前回の続き(多分)、この辺りの木を切って道幅を広げます。トタン板は昔この辺りが栗畑だった時に、イノシシの侵入を防ぐ為に設置されたものです。    

そして最後になりましたが山の神様にお参り。ほんとは最初に行くはずが、サッと作業に移ってしまったので・・・「山の神様におこられるかもしれへんなぁ~」と言いながらも無事お参りを済ませました。アセビのつぼみがついていました。来月の作業日には、気の早い花が見られるかも?

今年も里山で自然の恵みをたくさん受け取れますように!

4月

午後から雨の予報、途中でぽつぽつ雨粒が落ちてきましたが、里山に着く頃には止んでいました。空にはやはり厚い雲が。入口の所にフキノトウが!

今日は池の近くの段になっている所の細い木を伐採。下の段から作業開始。

白いショウジョウバカマのおしべが赤紫でかわいいですね。シュンランも、ちょっと遅いのでややしおれかけていますが、見られてよかった!ヒキガエルの卵、来月はきっとオタマジャクシがうじゃうじゃいることでしょう!!

 

6月

田んぼはもう田植えが終わっていました。今日は梅の木の生えているところの草刈りをしました。この場所はほぼ4年間手入れをしていませんでした。上がってみるとササが茂っていましたが、あちこちにイノシシに土が掘り返された跡が。土を掘り返してササの根っこの部分を食べるんだそうです。なたで細かい部分を刈り、電動草刈り機で広い部分の草を払いました。

梅の木は人が手入れをしていないと樹勢が衰えてしまいます。ほとんど枯れていましたが、木に着いていたカヤランがあちこちに飛んで株を増やしていました!

ササユリもきれいに咲いていました。モリアオガエルが卵を産んでいましたが、もう孵った後のようです。シライトソウは一段高いところに群生していたのですが、ササが生い茂りだんだん数が少なくなってきていました。今回、その下の斜面に新しく育っているのを発見!また増えてくれますように、と祈りつつ周辺のササを刈っておきました。

10月

4ヶ月ぶりの里山作業です。空は雲一つない秋晴れ、そして暑いです!帰りに道端の温度表示を見たらなんと35℃!センサーに日光が直接当たっているので温度が上がったんでしょうが、それにしても10月とは思えない気温です。そして作業場所に行く途中でギンリョウソウ発見!

ここでギンリョウソウを見るのは初めてです!ギンリョウソウは葉緑素を持たない植物で、菌類と共生する樹木が光合成により作り出している有機物を菌経由で得て生活しています。その色や姿から別名「ユウレイタケ」とも呼ばれています。ただ、ギンリョウソウの花期は5~8月なのでこちらはギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)かもしれません。

数か月来ていなかったので通路には小枝や木の葉が散乱。今日は神社の所から梅の木のある場所の下まで、通路を片付けて歩きやすくしました。

11月

今日は快晴、11月とは思えない穏やかで暖かい日です。今日の作業は遊歩道のササ刈りと、倒木の整理。通路以外は整備しなくてもいいけれど、道に張り出している木は切ってくださいと。写真右の所からスタート。

奥は結構ササが生い茂っています。倒木ではないけれど、枯れてしまっている木の処理にMさんがナタでチャレンジ。これだけの太さの木をナタで切るのは大変ですが、周囲にくさび型に切れ目を入れて、後は力業!!すっきりしました!でも90度横に目をやると・・・こんな感じです。

ササバリンドウが咲いていました。一度草刈りされた後に出てきたので丈がとても低いです。他は池の周辺の日陰の花です。

  

  

12月

今日は何時もの場所ではなく、反対側から公民館をパチリ。田んぼはひこばえが結構育っています。

今日の作業は通路の落ち葉掃き。今回お掃除すればあとはそう積もることはないと思います。

さあ、作業の後はあったかいお鍋が待っています!。里山は春まで暫く静かです。


里山と里地里山

2023-02-15 | 野生生物を調査研究する会の紹介

昨年、環境講座をおこなったとき「里地と里地里山はどうちがうのか」という質問をうけた。

 里山という用語は、四手井綱英氏が、昭和30年代後半に、「専門用語で農用林と呼ばれていた農家の裏山の丘陵や低山地帯の森林を指し、奥山との対比を意識し里山」という。阪本寧男氏は、「人里近くに存在する山を中心に、隣接する雑木林・竹林・田畑・溜め池・用水路などを含み、人びとが生活してゆく上で様々な関わりあいを維持してきた生態系」をさす。

「里地里山」は環境省が定義している。

まず、里地だが「雑木林やマツ林などの二次林、つまり薪炭林や農用林、加えて採草地と限定した上で、セットとして伝統的農村景観を構成してきた里山・農地・集落・水辺を含めた全体」をさす。

環境省の『日本の里地里山の調査・分析について(中間報告)』という報告書に、「里地里山」という言葉を使った。

環境省の定義によると「都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落をとりまく二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念である」

地域全体を含めた活動ということで、里地里山保全活動というべきかもしれない。

 

当会が活動する場所はどんな場所

  • 形状

低山地の傾斜地に、樹林地(里山)があり、谷筋に水田が広がる。

  •  植生

里地里山の二次林はコナラ林とアカマツ林であるが、活動地の半分はスギ、ヒノキの植林地となっている。常緑樹がめだち、高木はソヨゴ、中低木にはサカキ、ヒサカキ、イヌツゲなど見られる。

(3)立地

都市と山間部の中間地域。過疎化・高齢化の進行によって集落の機能が急速に衰えつつある。

 

保全活動

林内の日照確保や樹木間の競争緩和(樹木密度の管理)を目的として、下刈り、つる切り、除伐、枝払い、落ち葉かきなどの作業を行う。

野生生物の保護・生物多様性の保護保全

活動地域の貴重種の保護保全および生物多様性の保全を行う。

活動日

毎月第一日曜を定例活動として、整備、保全を進めている。

 

当会では1997年(平成 9 年)から活動を始めた。地域のため池の保全対策をはじめ周辺私有地の利用と山林の整備について所有者と協議をおこない、協力を得られて活動している。

2001年には、 この地域に生息する希少種(昆虫:ヒメタイコウチ、ヒメヒカゲなど植物:トキソウ、サギソウなど)の生息保全保護対策が軌道にのった。

2002年(平成14年)からは野生生物を調査研究する会、地域住民、ナチュラリストクラブが里山保全に協力して取り組んでいる。

成果は、画像は2022年4月にみられた動植物。1997年の活動をはじめた時には見られなかった生き物だ。

下刈り、つる切り、除伐、枝払い、落ち葉かきなどの作業の結果見られるようになったものだ。春夏秋冬それぞれの季節に貴重なものが戻りはじめている。


第11回ナチュラリストクラブ記念講演『ひとくらし自然 民俗学の視点から その10』

2023-02-12 | 野生生物を調査研究する会の紹介

第11回ナチュラリストクラブ記念講演『ひとくらし自然 民俗学の視点から その10』 

今日は 「民俗学の視点から クズ」の話を行う

過去の様子がナチュラリストクラブの報告があるので紹介する。

節分と植物

 

今日は節分にまつわるお話でした。節分とは季節の分かれ目の事。

立春 2月4日 (旧暦1月11日)、立夏 5月5日 (旧暦9月13日)立秋 8月7日 (旧暦6月18日)  立冬 11月7日 (旧暦9月22日)があり、この中で冬→春の分かれ目の立春の前日を節分と称して豆まきなどの行事が行われています。

一年の初めの節分には邪気が入り込みやすいと考えられ豆まきやヒイラギ飾りが行われたのだそうです。ヒイラギの枝に焼いたメザシの頭を刺して玄関に飾るのはよく知られています。

そして節分に飾るのはヒイラギだけではなくトベラなども使われる地域があるそうです。トベラには臭気があり、それを鬼が嫌うからと言われているらしいですが、それほどの臭気は無いとのこと。ヒイラギやトベラは火に入れると音を立ててはじけながら燃えます。この音で鬼(邪気)を追い払う意味合いもあるのでは?ということでした。「鬼火焚き」と言ってタケ、大豆殻、麦殻を燃やして音を立てて邪気を払う地域もあるそうです。

「ヒイラギ」と名の付く木です。

同じヒイラギと名前が付いていても「ヒイラギ」「ヒイラギモクセイ」はモクセイ科、「セイヨウヒイラギ」「ヒイラギモドキ(シナヒイラギ)」「アマミヒイラギモチ」はモチノキ科、「ヒイラギナンテン」「ホソバヒイラギナンテン」はメギ科、「リンボク(ヒイラギガシ)」はバラ科

また秋に良い香りを放つキンモクセイには実ができない、なぜか?日本に入ってきたときにメスの木しか入ってこなかったからだそうです。

そのあとお茶を飲みながら総会。(コロナ前でした)来年度の予定(案)を頂きましたが、お花見を兼ねた第一回活動は2020年4月12日。多分その時にサクラは散ってしまっているのでは・・・。(以上)

 

今回(2023.2.12)はクズの話ですが、すこし節分のこともふれていきます。

節分は立春の前日となります。

立春は春の始まりであり、1年の始まり とされる日です。

前日の大みそかに「大晦日におせちを食べる地域」があります。おせちを大みそかに食べるはなぜ?

そして、植物民俗学の話をすこししたいとおもいます。


2007年 4月21日(土) 六甲山でスミレの観察

2019-02-23 | 野生生物を調査研究する会の紹介
●2007年 4月21日(土) 六甲山でスミレの観察
今年度最初の活動は六甲山でスミレの観察を行いました。
本日のコースは阪急御影ー白鶴美術館ー住吉川左岸・右岸ー五助橋砂防ダム(昼食)ー打越山ー八幡神社ー阪急岡本。
阪急御影駅に10:00集合
手作りのスミレの写真の資料と学名の入った細かいイラスト入りの資料もいただく。
さあ出発!白鶴美術館を少し上ったところでシロバナタンポポを発見。
アケビの花もたくさん見かけました。秋になったら・・・と食いしんぼうの会員が舌なめずり。
スミレを探しながら山道を歩く
ときたま上に目をやると新緑の萌え始めが微妙なグラデーションで美しい!
 
今回 見つけたスミレ

アオイスミレ発見。少し時期としては遅いのですがよくぞ見つけてくれました。
最も早く咲くスミレのひとつ。果皮片はほかのスミレのような舟形にならず、種子をはじきださないスミレ
花期は3〜4月。
 
ナガバタチツボスミレ
タチツボスミレは根生葉と茎葉がほぼ同じ形。ナガバタチツボスミレは葉が細長く、成長とともに三角形から被針形になる。
また托葉の裂け方がタチツボスミレよりやや粗いのも区別点のひとう
早春のころは葉の裏面が紫色をしているが、初夏には紫色は薄くなる。
 
シハイスミレ
和名の由来は、葉の裏が紫色を帯びることから「紫背スミレ」。
 
オオタチツボスミレ
北方系の種で、日本海側に分布する多年草。六甲では北方系の種も見られることから、氷河期の生き残り。
タチツボスミレと見分けるのに、茎が立ち上がって花はすべて葉の腋から出ること
最上位の葉の上に花を乗せて咲かせるように見えること、
距が白色であること、
やや花の色が薄い点などで見分ける。
 
ツボスミレ
湿った草原などに生育する。
花は小さく、白色で中心部に紫褐色の文様がある。
別名ニョイスミレ。
スミレの仲間の花期が終わったころに花をつけるので、「最後のスミレ」などと呼ばれます。

ニオイタチツボスミレ
花は径2cmほどで濃紅紫色、花の中心が白い。
「ニオイ」は花に芳香がありますが、タチツボスミレと比べると花の形や花色は全く違います。
ニオイタチツボスミレはタチツボスミレと比べて、花弁が丸く花弁がそれぞれ重なっていること、
花の中心が白く抜けたようになっているところが違うので見分けられます

活動紹介--「ひとづくり」事業について--

2019-02-07 | 野生生物を調査研究する会の紹介
活動紹介--「ひとづくり」事業について--
1.自然環境にかかる教員研修
川西市黒川ではじまった「自然から学ぶ特別集中セミナー」現在、兵庫県人と自然の博物館にて夏休み教員向けセミナーとして継続している
2.公民館講座講師派遣
高齢者向けの公民館講座、川西市、三田市、猪名川町などで講義を続けている。
3.自然環境観察会協力・支援
自然観察会(水生生物・植物・昆虫など)これまで「生きている」川シリーズで培った経験をもとに、環境教育や観察会の協力支援を行っている。
4.啓発事業
フィールドガイドブックの編集発行してきた。これまでに、「生きている武庫川」「生きている猪名川」「生きている淀川」
「生きてる由良川」「生きてる揖保川」「生きてる鶴見川」「生きてる大和川」を編集発行してきた。
各河川流域の小・中・高校へ寄贈をしてきた。
大阪市、川崎市などから感謝状を贈っていただいた。
5.他団体との協力
ナチュラリストクラブと協賛して観察会をおこなっている。

2004年国際協力--アマゾン自然学校神戸新聞で紹介

2018-09-17 | 野生生物を調査研究する会の紹介

アマゾンに自然学校を 兵庫のNPOが指導員養成 (神戸新聞)2004/09/14(web版より)

熱帯雨林の乱開発が進むブラジルのアマゾンで、兵庫県の小学校での取り組みをヒントにした自然学校を開き、環境保護への関心を高める「アマゾン自然学校プロジェクト」が進んでいる。神戸市北区の特定非営利活動法人(NPO法人)「野生生物を調査研究する会」が提案し、独立行政法人国際協力機構(JICA)が事業を委託した。まずは人材養成と教材づくりに取り組んでいる。(宮沢之祐)

 同会は、武庫川や揖保川流域の生物の調査や環境セミナーを開くなどの活動をしている。

 今回の提案は、メンバーで森林科学専攻の京都大学大学院生、林建佑さん(23)=西宮市=が二〇〇一年、アマゾン流域のパラ州トメアスで林業研修を受けたのがきっかけ。同会の今西将行理事長(55)らも現地を視察し、乱伐や焼き畑農業による森の侵食を案じる住民もいることから環境保全の啓発に協力することになった。

 さらにJICA兵庫が国際協力の経験のない同会を応援。民間のアイデアを実現する「草の根技術協力事業」として、三年間のプロジェクトを同会に委託、昨秋スタートさせた。

 取り組みは、林さんも小学生時代に参加した自然学校を参考にした。都市部から訪れる子どもらを森に案内し、農場では環境に配慮した農業を体験してもらう。地球温暖化防止に森林が果たす役割などの勉強もする。

 指導するのは、地元住民から養成するインストラクターたち。旅行者を受け入れ、環境保護と地元の経済発展を両立させるエコツアーの担い手も目指す。

 七月に開講したインストラクター養成講座には農業を営む日系人ら十人が参加。来年一月に修了予定で、仕上げとして、州都ベレンの子どもたちを対象にした五泊六日の自然学校で指導する。

 現地でプロジェクトを運営する林さんは「都市住民との交流で、アマゾンの素晴らしさを住民自身が再認識することにも意味がある」と話している。