ワレモコウ
秋の七草の1つです。
俳句でもワレモコウ(吾木香)は秋の季語になっています。
一休の俳句に、「ワレモコウさし出してはなのつもりかな」
ワレモコウの花について一休さんも評価に困ったようです。
暗紅色の花と思いきや、この暗紅色の部分は、花の咲き終わった「跡」です。
ワレモコウは花弁がありません。 あの暗紅色の部分は、4 枚の萼片になります。
雄しべは4 個、ガク片より短く 花外に出ません。
葯は、乾くと黒くなります。花は、花序の先のほうから咲き初め、下部におよびます。
ワレモコウの名は,源氏物語に初めて登場し,平安時代に京都でブームになったようです。
平安時代の宮廷庭園では、ワレモコウを植えて秋の野原を再現という風流な表現をしたとか。
ワレモコウは、ヨーロッパや東アジアなどに広く分布するバラ科の植物です。
漢方でも、根や根茎を天日で乾燥させたものは、古くから収斂、止血、火傷、打撲への薬として使われました。最近では,育毛剤や化粧品にエキスなどが利用されています。
英名では,グレートバーネットと呼ばれます。
食用植物として、若い葉をスパイシーな風味のハーブとして使用したり、花のつぼみをサラダに加えたりして食しているようです。
ワレモコウには変種があります。
湿地にはえるワレモコウで、花穂の太さが6㎜を超える太長いワレモコウで、ナガボノワレモコウと呼ばれます。関東に多くみられるようです。兵庫県でも見られ、県の中南部に点在してみられますが、絶滅危惧種になっています。
ほかに湿地にはコバナノワレモコウがあります。これも、湿地が開発などでなくなり数が減っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます