タケニグサ(ケシ科)
本州,四国,九州地方の日当たりのよい荒れ地に生える夏緑性多年生草本。
茎は中空で切ると黄色の乳液を出す。
白い花をたくさんつける。花弁はなくがく片は花が開くと同時に落ちる。
細い糸のようなおしべが線香花火のようにひろがる。中心にめしべがある。
花が終わると扁平な果実ができる。
名前の由来については諸説あるが、茎が中空でタケに似るからといわれている。
有毒植物。
鹿児島では緑化の植物として使われている。
有毒なためシカが食べないので活用されている。
種子はアリが運ぶ。種子の表面にはエライオソーム(種冠)がついているので、それをえさにするアリが種子を運ぶ。同じ有毒植物であるクサノオウやムラサキケマンも同じように種子をアリに運ばせる
野外観察会では
食べると有害な植物、触ると有害な植物、公園など身近にある有害な植物を紹介して害に巻き込まれないように注意を呼び掛けている。
食べるのがダメなのは
①キツネノボタン
花が咲く前がセリに似ている。食べると吐き気を起こす。
②クサノオウ
茎に毛が多く,傷をつけると黄色い液が出て,触るとかぶれる。食べると吐き気,下痢を起こす。
③ムラサキケマン
赤紫色の美しい花が咲く。全株有毒だが,毒性は強くない。量多く食べると吐き気,下痢を起こす。
④タケニグサ
葉の緑が不規則に裂けていて,茎を傷つけると黄色い液が出る。食べると吐き気,下痢を起こす。
⑤キツネノカミソリ
春先に長さ 40cmほどになる葉を出すが,夏に枯れる。全草有毒で,食べると吐き気を起こす。
⑥トウダイグサ
葉や茎を傷つけると白い液が出て,触るとかぶれる。食べると吐き気,下痢を起こす。
⑦アセビ
山地に生える常緑低木。全株有毒であるが,特に若葉の毒性が強い。食べるとけいれんを起こす。
⑧シキミ
山地に生える常緑低木。全株有毒であるが,特に果実に毒が多く,食べるとけいれんを起こす