野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

子どもの本がおもしろい①

2018-06-30 | 資料を読む
「生きているシリーズ(※1)」を小中学校の児童生徒にまとめるのに、多くの図鑑などを参考資料として活用する。どのように紹介するのがよいか一番のヒントになるのが、子供向けに書かれた本である。文章の平易さ、写真の美しさなど、見て読んで感心することが多い。
参考資料にした本の中から、特にヒントになった本を紹介していきたいと思う。
今回は、「生きている武庫川」でドングリの紹介をしたが、次の3冊はお勧めである。

「探して楽しむドングリと松ぼっくり」(山と渓谷社)
「みつけてうれしいあそんでゆかいな木の実ノート」(文化出版局)
「木の実とともだち」(偕成社)

 秋は実のなる季節、ドングリは人気の一番で、ドングリだけを紹介している本も多く出版されている。
その中で、「探して・・・」は多くの図鑑をだしている出版社のひとつが出している。
この本は、子ども向けの本でありながら大人も大変役立つ本だ。写真も豊富で説明も詳しい。ドングリは子どもに人気でよく取り上げられるが、松ぼっくりを取り上げているはめずらしい。最近街路樹や公園でみられる、ラクウショウやメタセコイヤ、コノテガシワなども取り上げ、実が育っていく順を写真でわかりやすく説明があるのがうれしい。継続的に記録していかないと見られない。「飾る楽しみ」は額に実をはりつけたおしゃれ心が伝わる。飾る楽しさが、センスのある方には刺激になるのではと参考までに。
「木の実ノート」は1ページに実の説明、その植物の説明と食べ方や遊び方などコンパクトにまとめてある。1年をとおして見られるいろいろな種類の実をとりあげて、簡単なイラストと写真で紹介している。たとえば、ツバキのページには椿油の絞り方などがあり、「てんぷらするからがんばってね」というイラストことばの書き込みは見て楽しい。こうやって油をしぼるのか、やってみようと心がそそる。図鑑じゃないので、索引がないのがさびしいが、コブシ、ミズキ、エゴノキ、フジ、ネムノキ、ヤマモモ、ヤマグワ、アオギリ、ボダイジュ、サルスベリ、ユーカリ、ハンノキ、ハゼノキ、モチノキ、タブノキ、ウメノキ、カキノキ、カヤ、クリ、ツバキを中心にとりあげている。
「木の実とともだち」は、ドングリをはじめヤマブドウ・サルナシ・オニグルミ・エビヅル・ヤマボウシなどをつかった料理がかわいい絵とともに紹介されている。副題が「みつける、たべる、つくる」なので納得。秋に見られる実をみつけるのが楽しくなる。
秋になると、実の写真をとるだけなら、誰でもできる時代、こんなところの一工夫がすばらしい。


※1 生きている揖保川、生きている猪名川、生きている武庫川、生きている大和川、生きている由良川、生きている鶴見川、生きている淀川 いずれも野生生物を調査研究する会の会員が調査して、まとめた冊子。環境教育や総合的な学習に利用していただけるように流域の小中学校などに配布した。いくらかは書店に並んでいるので、ぜひ手にとって見てほしいと思います。

ヤブカンゾウとヒガンバナ

2018-06-30 | フィールドガイド--植物編--
ヤブカンゾウとヒガンバナ

ヤブカンゾウは6月下旬ごろから明るいオレンジ色の花が河原の土手や里の人家の周りで咲いています。
花は八重咲きで、雄しべと雌しべが弁化して八重咲きになります。
芽吹いたばかり若芽は土手を緑色が鮮やかで春の訪れを感じさせます。
その若芽は摘み取って、ゆでて酢味噌和えなどで食べることもできます
ヒガンバナは別名曼珠沙華(マンジュシャゲ)9月(秋の彼岸)ごろ葉もない地面から高さ30〜50cmの花茎を立て,数個の朱紅色の花が開きます。
球根には毒がありますが、球根を潰して水に晒し毒抜きをすると、飢饉の非常食になるといわれている。

ヤブカンゾウとヒガンバナの共通点は?

どちらも中国原産の植物、しかも三倍体で結実しない。いずれも根茎や球根で増える。

ヤブマオ

2018-06-30 | フィールドガイド--植物編--
ヤブマオ

かって、カラムシから茎の植物繊維から糸を紡いで布を織りました。第二次大戦中、小学生が兵隊さんの軍服を作るためカラムシを
集めさせられたと本で読みました。また、秋のドングリ拾いもあり、アルコールをつくるために競争して集めさせられた。
松脂をあつめて飛行機の燃料にというのは、武庫川下流の松の木にのこっている傷跡が樹脂をとったあとだったと聞いたことがあります。
そのカラムシの別名はマオといい、それに藪(ヤブ)を頭に付けたのがヤブマオ。もう少しするとヤブマオの葉に、フクラスズメ(幼虫)がつきボロボロになります。
カラムシの葉は「互生」,ヤブマオの葉は「対生」です。
高さ1mほど。葉には毛が密集し、葉の付け根から穂状花序の下部に雄花、上部に雌花を付けます。

キマダラセセリ

2018-06-30 | フィールドガイド-昆虫編--
キマダラセセリ(セセリチョウ科) 

蛾と間違われやすいチョウの仲間 セセリチョウ科です。
翅の裏面の地色は黄褐色で、暗褐色の斑紋があります。
食草はススキ・ササ類などのイネ科

成虫の出現時期 6-7月,8-9月
この撮影は6月30日 武庫川 中流部

ハス

2018-06-30 | フィールドガイド--植物編--
ハス

ハスの花はレンゲ(蓮花)と呼ばれ、7月の誕生花。
花期:7~8月
花色:ピンク、紅紫、白、黄色

名前の由来:ハスの果実の入った花托(かたく)の姿が蜂の巣に似ていることから「蜂巣」と呼ばれ、それがなまって、「蓮(はす)」。

ハスの根茎はレンコン。ご存知のよううに食用です。花を鑑賞するために各地で栽培されている。
レンコンには穴が開いていますが、根ではなく地下茎ですので、穴の役割は空気の通り道。穴を「通導組織」と呼ばれ、酸素を穴を利用して根や茎に送り込むしくみになっています。
レンコンの穴の数はだいたい9から10こあります。
ハスの葉の柄にも中にはレンコンと同じように穴があいています。ハスの葉柄にある穴の数は、四個です。


レンコン生産量 1位茨城県 2位徳島県 3位佐賀県( 2016年)
ちなみに兵庫県は 12位です。

インドの国花、「聖なる花」と呼ばれている。「蓮は泥より出でて泥に染まらず」特に蓮の花は清らかさの象徴と考えられ、仏教では神聖な花なのです。

「蓮の花は咲くときにポンっという音がする」という話
残念ながら確かめられたことはないようです。

「大賀ハス」
大賀一郎が発掘された3粒のハスの実の発芽育成を試みた。2粒は失敗に終わったが1粒が育った。「世界最古の花・生命の復活」として紹介され、「大賀ハス」と命名された。2000年前のハスはいま全国で見られる。

7月の定例観察会で行く(詳細はナチュラリストクラブのホームページをみてください)滋賀県の「弥生の森歴史公園」(竪穴住居前)でも「大賀ハス」を栽培しており、毎年6月中旬から7月中旬ごろまでの時期が花の見どころです。
滋賀県には同じく大賀氏が復活したハスの突然変異種の「近江妙連」があります。花びらの先が赤くなる通常のハス<常蓮>が八重化したものです。

https://blog.goo.ne.jp/admin/newentry#

ノアザミ

2018-06-30 | フィールドガイド--植物編--
ノアザミ Cirsium japonicumキク科。

田のあぜや草原で見られる紫の花です。(白いのもあり)
花を取りにぎって刺激をあたえると白い花粉が出てきます。
これは、昆虫が花に触れると、花の先に白い花粉が湧き出すしくみです。
よくみると花粉といっしょにめしべも出てきますがとじいます。
まわりの濃い紫色の筒が、おしべ。
アザミのおしべは5本あり、上の方がくっついて筒になっています。
花は、昆虫が来たときだけ花粉をだすのは、雨や風などから花粉を守っているからでしょうか。
花粉をだすとおしべはかれ、めしべだけが残って受粉をまちます。
これは、花粉を出す時期と受ける時期をずらすことで、
自家受粉をせず、別のアザミの花粉で受粉することができるノアザミの知恵です

会の紹介--特別セミナー--

2018-06-30 | 野生生物を調査研究する会の紹介
環境教育がおこなわれている

当会は阪神地域エコ・ネットワーク推進会議(エコネット)に参画している
阪神地域の特性を踏まえた質の高い環境活動や環境学習等に取り組む団体、学識者、事業者、フィールド関係者及び行政(以下「活動団体」という。)がネットワークを構築し、阪神地域のよりよい環境づくりを推進することを目的とした会議です。
推進会議の開催は、兵庫県阪神北県民が行っている。
活動の内容は
(1)阪神地域における環境活動や環境学習等の推進に関すること。
(2)阪神地域における環境づくりの推進に関すること。
(3)阪神地域における環境活動や環境学習等に取り組む活動団体間の交流に関すること
(4)その他、阪神地域の環境活動や環境学習等及び環境づくりに関すること 
である。
当会は阪神間の小学校での環境学習の推進に協力している。
環境教育とは
各学校の教師の考えでいろいろな環境教育活動を行うのであるが 一つの例をあげる。

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1 身のまわりの生き物をみつけよう

①いろいろな植物やこん虫に出会いに行こう

教科との関連
学習指導要領:  
第3学年 理科 B(1) 昆虫と植物  
第3学年 理科 B(2) 身近な自然の観察  
第4学年 理科 B(2) 季節と自然 教 科 書:  
第3学年 理科 植物の育ちとつくり 植物一生  
第3学年 理科 身近なしぜんのかんさつ  
第4学年 理科 春の自然、夏の自然、秋の自然、冬の自然 生き物の一年間

ねらい
学校や家のまわりや近くの公園など身の回りの植物やこん虫の様子を調べ、生き物とその周辺の環境との関係についての考えをもつようにする。

○身の回りの植物について、どこに生育していたか、どんな動物とかかわっていたかなどを記録する活動を通して、植物の体のつくりや育ち方には共通点があるが、色、形、大きさなどは多様であることや、植物の花の蜜を吸ったり、植物の葉などを食べたり、すみかにしている動 物とかかわって生活していることに気付くようにする。
○こん虫についても、植物と同様に記録する 活動を通して、こん虫の体のつくりには共通点があるが、色、形などは多様であることや、植物の花の蜜を吸ったり、植物の葉など を食べたり、すみかにしている植物とかかわ って生活していることに気付くようにする。
○季節ごとに植物の成長の様子やこん虫の様子の違いを調べ、植物やこん虫は、その周辺の環境とかかわって生きていることをとらえ るようにする。
○身の回りの植物だけでなく、ほかの地域で見られる特徴的な植物やこん虫についても調べ、自然に愛着をもつようにする。
○身の回りの植物やこん虫の観察活動を通して、生き物を愛護する態度を育て、身の回りの生き物の様子やその周辺の 環境との関係についての見方や考え方をもつようにする。

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教師が環境についてもっと知りたいと興味があるかたは 夏の人と自然の博物館の講座にきてもらえるとありがたい

写真は2008年(有馬富士公園でのセミナーの様子です)のものですが、このような内容を人と自然の博物館でおこないます。

情報発信--ホームページで見る歴史②ネイチャーウォッチング--

2018-06-30 | 野生生物を調査研究する会の紹介
1999年に独自のネットワークを立ち上げて、インターネットによる情報発信を始めました。
その中のメインが武庫川大探検です。
1996年8月に当会より出版された「生きている武庫川 総集編・資料編」を
加筆修正したものです。
学校等において武庫川を総合的に学習するための教材に利用して頂けたらと考えて発信しました。
初期にしては流域の動植物を案内するホームページとしては画期的なもので、
結構利用していただきました
これにはCD版もあわせて作りました


情報発信--歴史2008年当時--

2018-06-29 | 野生生物を調査研究する会の紹介
野生生物を調査研究する会のホームページを立ち上げたのは1999年
最初のころの初期ページのデータはなくなってしまったが、
たまたま2008年の模様替えした時のメニュー画面が残っていた。
ホームページ設立当時はサーバーを個人宅に置き管理していたが
法人格をもっていたので、サイバー攻撃をうけ、とても個人管理では無理
それで、借りることになったときのホームページ
まだ、blogが一般的でないときに 画像掲示板 を立ち上げた
blogのような感じで画像で体験をかたる画期的な内容で、会員は自分たちの観察記録を投稿していました。
子どもむけのネイチャーウォッチングや日本の野鳥など
インターネットで調査したことを発信していた様子がわかる画面です
どんな内容かはまたしょうかいすることにしましょう